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2010年6月12日 (土)

アドラーの言う「ライフスタイル」について

アドラーは、犯罪について、犯罪を引き起こすのが経済的状況であることを否定しており、むしろ犯罪者の「ライフスタイル」の問題、と言われている。

そこで、アドラーの言う「ライフスタイル」について、岸見一郎氏の著書を中心に調べてみた。

アドラーは、この世界、人生、またこの自分についての意味づけを「ライフスタイル」と呼んだ。

人はいわば生まれた瞬間から自叙伝を書き始める。それは死で完結する。「ライフスタイル」という時のスタイルは、この自叙伝における文章のスタイル、作者に特有の文章表現、文体のことである。

「ライフスタイル」は、現代アドラー心理学においては、次のように定義される。

1.      自己概念:自分がどんな風であるかについての意味づけ

2.      世界像:自分のまわりの世界が自分にとってどんな風であるかについての意味づけ

3.      自己理想:自分はどうあるべきかと言うことについてのイメージである。 

「ライフスタイル」を通じてこの世界を見ていて、しかもかなりバイアスがかかった仕方でこの世界を見ていることを知ることによって、「ライフスタイル」を意識化することが、「ライフスタイル」を変えるための出発点である。

人は誰もが同じ世界に生きているのではなく、“自分が意味づけした世界”で生きている。

「ライフスタイル」は自分で選んだとはいえ、ライフスタイルの決定に影響を及ぼす因子(影響因)は確かにあったのである。しかし、最終的にはそれらを素材にして自分でライフスタイルを決めるのだが、ライフスタイルを選ぶときに、影響因にどんなものがあるかを知り、それがライフスタイルの決定にどんなふうに影響を与えるかを知ることには意味がある。

ライフスタイルは変えられる。

ライフスタイルは自分で決めている。(自分への)責任の所在をはっきりさせている。アドラーは、何か“外的な要因”によって今の自分が決定されたという考えを徹底的に斥けている。

アドラーは、対人関係を回避しようとするライフスタイルも斥けている。

本人がこれまでの「ライフスタイル」では生きてはいけないのだ、という自覚をするまでは、どんな働きかけも、功を奏しないことは残念ながらある。 

そこで、人生の課題に立ち向かえるように援助することをアドラー心理学では「勇気づけ」という。

健康なライフスタイルとは、

1.      自立すること

2.      社会と調和して暮らせること

そして、これを支える心理面の目標を提示している。

1.      私は能力がある

2.      人々は私の仲間である

「性格」とは一致しない、この「ライフスタイル」、なかなか理解が難しいのだが、良いことを言われているように思っている。

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