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2010年8月

2010年8月29日 (日)

「日本的経営」の神髄

2010年8月28日の朝日新聞に丸善社長 小城 武彦さんの「日本的経営」の神髄を探る、として、次のコメントがあった。

当時の丸善は業績悪化に加え、不適切な会計処理も発覚。社員の士気は下がっていた。

まず経営理念の再定義に着手。丸善に入った理由、入社して一番うれしかったこと、・・・・・全社員約3千人に手書きのアンケートを課した。役員と一枚一枚、マーカーを引いて読んだ。

「お客様は目の前にいる。」

「正直に。透明に。」

新しい経営理念には、アンケートから拾った言葉をちりばめた。迂遠に見える作業だが、「社員に自分の使命を思い出してほしかった。みんなと青臭い議論を繰り返すことで、私を理解してもらう意味もあった」。

社長室や専用車は撤廃、自身のスケジュールは社員に公開。閉店後の店内で社員と会社の将来を語り合った。

今も「現場」と対話する努力は惜しまない。株主に対する「論理の世界」と、従業員と向き合う「情理の世界」。相反する2つの接点に立つのが日本の経営者だと思う。

「そこから見える日本的経営とは何か、突き詰めたい。」

このような職場は「風通しのよい職場」といえるのかもしれない。

「戦略的PMO-新しいプロジェクトマネジメント経営」 PMI日本支部編  について

PMOとは」を言及したくて、読んでみましたが、読み切れませんでした。個人それぞれにおいて捉え方はいろいろあると思いますが、自分には「PMOとは」が明確には伝わってきませんでした。

その中においても、ほかの「気づき」はありましたので、記しておきたいと思います。

 

PMBOK Project Management Body of Knowledgeより≫

かつて、プロジェクトに対する“管理”は、プロジェクトのQ(品質)、C(コスト)、D(納期)を確保することを目的としていた。

その後、PMBOKへ発展し、対象とする9つの知識エリアは、スコープ、コスト、タイム、品質、人的資源、コミュニケーションマネジメント、リスク、契約・調達マネジメント、プロジェクト統合マネジメントとなり、そこに至るまでのプロセスが書かれていた。

さらに、PMBOKがマネジメント対象としている「単一プロジェクト」から「ポートフォリオマネジメント」へ発展し。そこに必要となる「戦略的PMO」が現れてくる。それは、「経営戦略の実行支援を担うPMOを戦略的なPMO」と定義している。

 

BSC:バランス・スコアカードを用いたPMO導入・運用効果の可視化≫

BSCPMO導入・運用効果の可視化に結びつけるのは、おもしろいと思いました。

 

BSCの視点

Critical Success Factor主要成功要因

KPI

施策に対応するPMO機能

財務

プロジェクト利益率向上

ポートフォリオマネジメント導入による成功率向上

・プロジェクト利益率

・失敗プロジェクト発生率

パフォーマンス管理

顧客

品質向上

顧客満足度向上に貢献する

・瑕疵発生率

・顧客満足度

パフォーマンス管理

納期短縮

生産性の向上に貢献する

SPISchedule Performance Index:スケジュール効率指数

・顧客満足度(納期面)

パフォーマンス管理

コスト削減

利益率の向上に貢献する

CPICost Performance Index:コスト効率指数

・顧客満足度(コスト面)

パフォーマンス管理

業務プロセス

プロジェクトマネジメント標準化

QCD向上に貢献する

・標準カバー率

・標準遵守率

プロセス資産管理

組織成熟度向上

QCD向上に貢献する

組織的プロジェクトマネジメント成熟度モデル(OPM3

組織管理

学習と成長

ナレッジ有効活用

QCD向上に貢献する

・ナレッジ収集数

・ナレッジ活用度

情報管理

PMモチベーション向上

QCD向上に貢献する

PM満足度

PM離職率

人財管理

PM育成

QCD向上に貢献する

PM研修受講率

PM研修満足度

人財管理

 

以上です。

この本は網羅的ではあるようですが、具体的なアクションには結びつけにくいように感じました。

「PMOについて」、引き続き調べてみたいと思います。

 

2010年8月22日 (日)

もうひとりの自分と出会う50のエンパワーメントメッセージ 著者 大杖 正信  を読んで

明確に「性善説」に立ち、誰でもが「自立(自律)」しようという心があるとする考え方に基づく内容であった。良いと思う。自分が気になったところを、簡単ではあるが、メモとしておく。

「エンパワーメント」とは人にパワーを与えることではありません。人は、本来、知識や意欲というパワーが備わっていて、最高の仕事をしようとするものです。エンパワーメントとは、このパワーを引き出すということです。

「教育」は英語で、“Education”ですが、この言葉のルーツはラテン語の“Educatio”です。その意味は「引き出す」ということです。

他人に依存することなく自分を愛し、認め、弱点も欠点も含めて受容している人を「自立している人」と呼びます。そして、自立している人は、周りの人々も同じように受容できるのです。

「他の人にしてほしいと望むことを、人にしてあげて下さい」という黄金律を実践するために、「他の人にしてほしいと望むことを、まず自分自身にしてあげる」ことが肝要なのです。

成功するためには「被害者」ではなく、逆の考え方である「責任」を生きなければなりません。

「責任」を生きているつもりで「被害者」になっていることはありませんか?あなたはどんな時に、「誰かのせい」、「何かのせい」と考えてしまいがちですか?

「被害者」の質問は、「誰のせいでこうなった」、「私の何がいけないのだろう」、「その人のどこが間違っているのだろう」、「どうすれば自分が正しいと証明できるのだろう」、「どうして彼らはあんなに無能で人をイライラさせるのだろう」、「どうして私がこんな目に遭うのだろう」である。

「責任」を生きる「学習者」の質問は、「何が起きているのだろう。何を学べるだろう」、「私は何に、どう責任を取れるだろう」、「今、なにをするのがベストだろう」、「何が可能だろう」、「どんな選択ができるだろう」、「相手は何を考え、感じ、何を必要とし、望んでいるのだろう」である。

自己不信は、あなたの人生の足を引っ張ります。

「その人ができるなら、私もできる。私にできるなら、あなたもできる。」

If he can, so can I. If I can, so can you.

この気持ちは、自分を信頼することから生まれます。

人生の三冠王とは。

「関心」

「感謝」

「感動」

「ありがたい」という気持ちが感謝の言葉を生む。

「言い訳」とは、本当は結果を作れる可能性があったにもかかわらず、本人ができないと選択した理由のことである。そこで、リーダーの「なぜ、達成しなかったなか」、「どうして、できなかったのか」という問いかけは、「言い訳」を引き出すことになる。「これからどう生かす」、「何を学んだ」という質問が次の行動を生み出す。

強みを認めて、それを伸ばしていくように力づけることが、モチベーションアップにつながり、その結果、相手の自信が深まり、潜在的な能力を引き出せるのです。

劣点矯正のアプローチから優点伸長のアプローチに変えることが必要。

達成には「ビジョン」が不可欠です。「ビジョン」とは、はっきりとイメージを描ける結果のことを言います。「できない」と思っていたら、何もできません。まずは「できる」と思い描くことから始まります。ビジョンは、自分を導く力、達成の基礎となる力なのです。

人間が陥りやすい3つの罠、「傲り」、「甘え」、「マンネリ」の中で、リーダーがもっとも意識し、警戒する必要があるのが「傲り」である。

成功のカギとなるポイントは、リーダー自らが、明確で具体的な「ビジョン」を描き、周りのメンバーと分かち合って、その実現に向けてチームを一体化することです。

明確で具体的でストーリーのある「ビジョン」を自分に立ててみたいと考えている。

「コーチングの教科書」  著書 伊藤 守 を読んで

Ø  『人と組織の可能性を開く』

Ø  「コーチ」とは、相手の目標達成をサポートする。アスリートのコーチ役と同じ。コーチは、クライアントが、自分で考えて、自分で行動して、自分で評価できるところまで持っていくことが仕事です。誰かに頼ることなく、情報を自ら取りにいける人材にするのがコーチの役割です。

コーチは、会話を創り出し、クライアントの考え方や解釈を検証し、再解釈の可能性を聞きます。その結果、現在よりも考え方や行動の選択肢を増やし、より高い現実対応力をもたらします。その過程では、必要なスキルや能力、そしてツールが何であるかを棚卸しし、それを身につけていくのです。

Ø  「良いコミュニケーション力」とは、双方向(interactive)、継続・現在進行形(on going)、個別対応(tailor made

Ø  部下の育成に成功しているマネジャーのコミュニケーション

ü  自分のやり方を押し付けない

ü  指示命令を最小限に

ü  リクエストは指示命令ではない。協力の要請「~してほしい」。障害の除去「~してほしくない」。リクエストを受けた相手は、初めての経験を通して成長する。

ü  話しをよく聞く

ü  存在を認めている

Ø  このようにまわりの人の能力を引き出す事に優れた人のコミュニケーションを観察し、体系的にまとめたものが「コーチングスキル」といわれるものです。

Ø  コミュニケーションと生産性は相関関係がある。そこに「コーチング」が適合する。

Ø  コミュニケーションが活発で、業績の上がっている職場には、オープン・シークレット(知っていてもやらないこと。それは知らないと同じとなり、改善されず、放置される)が少ない。

Ø  「研修」の限界としては、inputのみになる事が上げられる。「コーチング」では、どのようなコミュニケーションをとっているのかを分析し行動に移すまでのoutputを行うことができる。「コーチング」により、行動が変わる。

Ø  上司は「詰問」ではなく、「質問」をする。質問の原則

ü  質問は1回に1つとする。

ü  答えを受ければ続けても良い。

ü  終われば、必ずお礼を伝える。

Ø  自分のための質問。自分自身に問いかけることは、考えつづけることでもあります。「自分は何をしたいのか、現在している事はそこに向かっているのか」 こうした事を問いつづける事は、自分自身の成長につながります。

Ø  「この問題の解決策を3つあげるとしたら、それは何か」、「相談するとしたら、誰に相談するか」も効果的である。

Ø  上司への質問は、会社のビジョンを把握する目的などさまざまな目的で有効になる。

ü  この1年で会社はどう変わると思いますか

ü  これから、我々の業界はどうなっていくとおもいますか

ü  この3年で、会社はどの程度成長したでしょうか

ü  あなたが、経営者なら、一番最初にやることは何ですか

ü  もし何の制限も無いとしたら、何をしようと思いますか

Ø  コーチングのほとんどは「質問」によって成り立っています。コーチング・カンバセーション、コーチングのツールとして使われるアセスメントも「質問」であり、コーチングの宿題にも、質問が多く含まれています。

Ø  質問には、「チャンク」というかたまりがあります。ビッグチャンク、ミドルチャンク、スモールチャンクの3種類の大きさがあります。チャンクの使い分け方としては、部下に仕事をさせるときにはスモールチャンク、考えさせるときにはミドルチャンク、覚えさせる時にはビッグチャンクというのが目安です。

Ø  マネジャーやトップに求められる能力とは、単にコミットメントを深めるだけではなく、個人の情熱を引き出す力も必要である。

Ø  会議でコミュニケーションでは、「私」から「あなた」へ向けてのものは適切ではない。「私たちのひとり」から「私たちのひとり」に向けている意識が必要です。同じ輪の中にいること。それを前提として発言すること。

「行動科学」と相通じる考え方であると認識しています。

「行動」をより良い方向へ変えていくために、その方法は「行動科学」と「コーチング」で異なるけれども、どちらも目指すところは同じである。

『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』においても、「啐啄同時」-禅において、師匠から弟子へ知恵の伝授が行われるときの心得のこと。自分をあきらめない人材であれば、誰でも必ず高みに到達できる。しかしそのために人は、正しい殻と、正しい師匠を見つけなければならない。・・・・・

そのための方法がいろいろとあるんだな、考えています。

ご参考) 『「日本で最も人材を育成する会社」のテキスト』を読んで

こちらの本もアマゾン2010年上半期ベスト10入りしていますね。

2010年8月15日 (日)

論述試験対策4-「リスク」について

「リスク」という表記が、かなり頻繁に使われている。今回は、可能な範囲で「リスク」を整理してみたい。

スクとは

金融工学では、収益率の標準偏差を「リスク」としている。これは、標準偏差が大きいと価格が大きく下落する可能性が高くなるから、とのこと。

とくに、収益率が正規分布に従うとすれば、平均μは期待収益率(リターン)を表すもので、もう一つのパラメータσがリスクを表すと考えている。

保険会社向けの総合的な監督指針」では「統合リスク管理」として、書かれている。

その意義

保険会社のリスク管理においては、財務の健全性の確保及び収益性の改善を図るため、それぞれの経営戦略及びリスク特性等に応じ、「保険引受リスク」、「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」はもとより「事務リスク」、「システムリスク」等についも、適切なリスク管理を組織的・総合的に行うことが必要である。

特に、大規模かつ複雑な「リスク」を抱える保険会社においては、内包する種々の「リスク」を、「リスクカテゴリー毎」に適切に管理することは当然のこととして、これらの「リスク」を統合して管理する事が出来る態勢を整備することがより一層重要である。こうした「統合リスク管理」の枠組みはまだ完全に確立されてはいないが、保険会社においては、これまで相応の取組みが行われており、「リスク管理」の更なる高度化に向けて不断の取組みが必要である。  

「保険検査マニュアル(保険会社に係る検査マニュアル)」では、「リスク」について、次のようなカテゴリーとして書かれている。

1.「保険引受リスク」:経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動する事により、保険会社が損失を被るリスク

イ.管理対象とするリスク: 上記、保険検査マニュアルの定義をもう少し広範にとらえ、先の定義には含まれない「保険引受関連リスク」、例えば「保険引受時に適切な正味保有限度額を定めていなかったために大事故発生によって予想外の損失を被るリスク」()といったリスクについてもリスク管理の対象とすることが望ましいと思われる。 損保的!

ロ.リスク管理手法: 一般に「リスク管理」とは、「リスクを適切に認識し、リスクの発現を防止、軽減または適切にコントロールすること」をいうので、「保険引受リスク管理」の実施においては、まず「保険引受リスクの適切な認識」が不可欠である。そのためには、保険引受における各プロセス(商品開発・改定、個別契約引受、出再、責任準備金積立 等)におけるリスクを具体的に洗い出すことが必要である。次に洗い出したリスク毎に、その内容に応じ、リスク発現防止、軽減または適切にコントロールする手法を定めることが必要になる。例えば、上記()例示のリスクであれば、「適切な正味保有限度額を取締役会で策定する」との規程を設け、実行することが考えられる。

ハ.リスク管理態勢: 上記リスク管理手法を確実に実施していくためには態勢整備が必要である。具体的には以下のようなことが考えられる。

ü  「保険引受リスク管理方針」を取締役会で策定し、詳細なリスクコントロール手法(例:各保険商品の改廃基準)、保険引受リスク管理に関する取締役会報告事項などを定めた関連諸規程を整備。

ü  商品開発部門、収益部門等とは独立したリスク管理部門を設置し、リスク管理部門が諸規程遵守状況のモニタリングを実施すること等により、牽制機能を確保する。

また、実務的には上記管理が形式的にならずに実効性を確保することが重要である。実効性確保のためには、取締役および関係部門社員の意識向上、リスク管理部門の人材配置なども十分留意する必要があり、具体的には定期的な研修開催、リスク管理部門にアクチュアリーを配置する、などの対応が考えられる。

2.「資産運用リスク」

「市場リスク」:金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産(オフバランス資産を含む)の価値が変動し損失を被るリスクである(それに付随する信用リスク等の関連リスクを含み「市場関連リスク」とする)。なお、市場リスクは以下の3つのリスクからなる。

1.      金利リスク:金利変動に伴い損失を被るリスクで、資産と負債の金利又は期間のミスマッチが存在している中で金利が変動することにより、利益が低下ないし損失を被るリスク

2.      価格変動リスク:有価証券等の価格の変動に伴って資産価格が減少するリスク

3.      為替リスク:外貨建資産・負債についてネット・ベースで資産超又は負債超ポジションが造成されていた場合に、為替の価格が当初予定されていた価格と相違することによって損失が発生するリスク

「信用リスク(クレジット・リスク)」:信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む)の価値が減少ないし消失し、保険会社が損失を被るリスクである。これらのうち、特に、海外向け信用供与について、与信先の属する国の外貨事情や政治・経済情勢等により保険会社が損失を被るリスクを「カントリー・リスク」と言う。 

「不動産投資リスク」:賃貸料等の変動等を要因として不動産にかかる収益が減少する、又は市況の変化等を要因として不動産価格自体が減少し、保険会社が損失を被るリスクである。

3.「流動性リスク」:保険会社の財務内容の悪化等による新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量ないし大口解約に伴う解約返戻金支出の増加、巨大災害での資金流出により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく低い価格での資産売却を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)と、市場の混乱等により市場において取引が出来なかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク等(市場流動性リスク)からなる。

LTCMの破綻、近年ではサブプライムによるリーマンショックもこのリスクによるとされている。

4.「事務リスク」:役職員及び保険募集人が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより保険会社が損失を被るリスクである。

5.「システムリスク」:コンピューターシステムのダウン又は誤作動等、システムの不備等に伴い保険会社が損失を被るリスク、さらにコンピューターが不正に使用されることにより保険会社が損失を被るリスクである。

保険検査マニュアルに掲げられている上記5つのリスクに加えて、保険商品の開発改定に関連するリスクは、ほかにも「法務リスク」、「風評リスク」等も考えられる。 

ソルベンシー・マージンで認識するリスクもある

引き受けている保険に係る保険事故の発生その他の理由により発生し得る危険であって通常の予測を超えるものに対応する額として内閣府令で定めるところにより計算した額

保険リスク(R1

第三分野保険の保険リスク(R8

予定利率リスク(R2

資産運用リスク(R3

  価格変動等リスク

  信用リスク

  子会社等リスク

  デリバティブ取引リスク

  再保険リスク/再保険回収リスク

最低保証リスク(R7

  変額年金保険のテキストでは、さらに「最低保証の金融リスク」、「最低保証の保険リスク」で分類している。

経営管理リスク(R4

損害保険会社用の一般保険リスクはR5、巨大災害リスクはR6 である。

他にも、次の「リスク」の記載を見つけた。

再保険で移転するリスクとして

ü  保険リスク(insurance risk)を移転する

ü  保険引受リスク(underwriting risk)および/または時間的なリスク(timing risk)を移転する

ü  危険保険料式再保険は、保険リスクのうち投資リスク、解約・失効リスク、事業費支出に係るリスクは元受会社が保有し続けることになる

医療保険(第三分野保険)では

ü  (給付限度(日数限度)の設定の理由として、「モラルリスク」の回避、「集中リスク」の回避 をあげている。

ü  「カウンターパーティーリスク」という記載もある。これは、取引の相手方が債務不履行を起こすなどして、損害が発生する危険性を言う。

「リスク」の種類の多さに驚きであるが、これら「リスク」をマネジメントしていく必要があるわけである。

2010年8月14日 (土)

「エグゼクティブ・コーチング入門」 著者 鈴木 義幸 を読んで

「物語」となっていて、とても読みやすかった。

ポイントと思ったところを書きとめておきたい。

<エグゼクティブ・コーチングを行う際のフロー>

ü  プレコーチング コーチングがどういうものであるかの説明、クライアントの方の詳細な理解を行う

ü  同時にセルフアセスメント(自己査定)の実施

ü  コーチングの実践

ü  結果の評価

ü  2年~10年継続する場合がある。永続して行うもののようである。

「~しなければならない」の裏にある本音とは、「決めて」いない人である。あくまでも自分は傍観者であり、そのことに巻き込まれたくないんだと言うのが透けて見えます。

会社を「変える」と決めた人間しか会社を変えられない。

変革はたった一人から始まる。本当にそれを成し遂げようと思った一人から。

「自分の軸は何なのか」

軸を持ち、それを日々意識しているリーダーは決して揺るがない。

軸を決め、ミッションを決め、そして“決めることを決めれば”、誰しもリーダーになることができる。

この物語の主人公の軸は、『社員を大事にすること』であった。すなわち、決断を求められたときに、「どちらのほうが結果として社員を大事にすることになるでしょうか?」と自分に問うのであった。

次に、社員をとことん大事にした結果、社員に何をしてほしいのか?確固たるものにする必要がある。

そして、社員に対するミッションは『社員に元気と勇気を与える』とした。

「自分はリーダーとして周りに何を与える存在なのか」ミッションがはっきりしている人は決してモチベーションが下がらない。

多くのリーダーは答えを思いつくことに長けているのではなく、答えに至る質問を創る力に長けている。 

多くのリーダーはメンバーに声をかけている。ただ、どんな状況の時でも変わらず声を毎日かけ続けているリーダーはそう多くない。 

アメもムチも使わずに人を動かすことができる。それが真のリーダーである。

叱責以外の方法でメンバーの当事者意識を高めることができるか。リーダーは叱責以外の当事者意識を高める方法を持っている。

例えば、「ぜひ結果を教えてください」「うまくいったらすぐに聞かせてください」「何かできることがあればいつでも言ってください」とエールを送る。

あるいは、ルールから外れた行いをした部下には、「何かあったのか?」と問いかける。「どんなところが難しいんだ?」「できることはないか?」と話を促す。

ねぎらいとして、「いつも助かるよ」「よくやってるな」「ありがとう」

メンバーに考えさせることとして、「どうすれば目標達成できると思う」「そのお客さまに今日何ができる?」

「いっしょにやっていきましょう」

部下の心に飛び込み、すぐに解決することが大事である。

リーダーはメンバーに安易に答えを与えない。メンバーが答えを生み出す力を育てるのが役割である。

「まずはあなたの考えを教えてほしい」「自分で答えを見つけてほしい。たとえその答えが間違っていたとしても、僕は決してあなたを責めたりはしません。でも答えを出す労を惜しみ、誰かに頼り、あるいは何となく時間に流されていくことは絶対に許しません。それは今、何とか必死に借金を返済し、普通の会社に戻ろうと懸命に努力し始めているほかのスタッフに対して失礼ですから」

そういう会社が「自立した集団」になっていくことである。

一番気になっている人のところにためらわずに足を運ぶ事ができるか。リーダーに「躊躇」は許されない。

どんなに言いにくいことでも言葉にして、面と向かって相手に伝える。向かい合うことから決して逃げない。

誰からも逃げない。伝えるべきことは伝える。

社内政治は断固として認めない。

ある心理学者が優秀なリーダーに共通する行動特性を調べました。その中に、「優秀なリーダーは例外なく弱みを見せている」と言うのがあります。非があればきちんと認め、それを克服することができる者こそが真のリーダーになれます。

リーダーの仕事は「気遣い」

メンバーの労をどうねぎらうかを考えるために、戦略を立てるのと同じくらい頭を使う。リーダーの気持ちが試されている。

「心意気」を育てることが、会社へのロイヤリティを高める

「私がどうするか、私がどうなるか」は「こちら(指示を出す人等)」と「あちら(指示をやる人等)」に分けてしまう。「私たちがどうするか、私たちがどうなるか」と言う意識を育てる。

One for all, all for one.

最後に、リーダーシップは天賦の才ではなく、後天的に獲得するもの

軸を決め、ミッションを決め、そして“決めることを決めれば”、誰しもリーダーになることができる。

2010年8月 8日 (日)

論述試験対策3-相互会社と株式会社

まず、相互会社について、日本に影響を与えたドイツから始めてみたい。

ドイツの相互会社は1827年エルンスト・ウイルヘルム・アーノルディーによるドイツ生命保険銀行(1902年に、ゴーダ生命保険相互会社に改称)の設立に始まるとされている。

アーノルディーは自助、自治及び自決を特徴とする。相互会社の設立の第一の目的は、保険相互会社は利益獲得の目的で営業をおこなうのではなく、社員に対し、可能な限り保険料の有利な保険保護を提供すること、第二の目的は、保険相互会社は営利目的の保険会社の市場支配を打ち破らなければならない、とされていた。アーノルディーはそのいずれにも成功したといわれる。

ゴーダ社の経営理念は、相互主義と公開主義の二大原則である。アーノルディーの相互主義による「非営利」、「非利己」は、当時のイギリスの営利万能主義とは、経営者の意識において相当の距離があったとされる。

現在の社会保障制度に大きな影響を与えたビスマルクの国というのが、偶然なのか、必然なのか。

また、現代のドイツでは、相互会社よりも、株式会社が圧倒的に多くなっている。

次に日本では、1897年ドイツから帰朝した矢野恒太氏が、1898年農商務省の嘱託となり、当時、帝国大学教授であった岡野敬次郎博士が日本の保険業法の起草に携わる過程で、保険学の分野に関してこれに参画した。この草案編纂にあたっては、当時新たに公布されたドイツ保険業法がモデルとなり、この中で相互会社の規定についてはゴーダ生命の組織に倣うところが多かったとされている。

その後、平成8年の保険業法改正までの、相互会社における「社員権」について。

旧保険業法第46条は、相互会社の社員について、剰余金が発生したときはそれを社員配当金として享受できることの代わりに、損失となったときの補填は社員自らが負う、という、株式会社において株主に対し減資が求められる場合と同様の、相互組織の社員権に係る規定であったが、第2次大戦後の適用例は無いようである。 

これが、平成8年の保険業法改正時に削除された。

旧保険業法第46条は、保険契約上の権利義務に関しては、できるだけ、保険株式会社の保険契約者と同等にすべきとの考え方や、この規定の目的である、会社の倒産防止については、内部留保の充実やソルベンシー・マージン基準の導入などにより間接的に担保することなどから、削除されている。また、憲法29条(財産権)との関係も引き合いにあり、やむを得なかったこともあるらしい。

理想は高くて良かったのだが、その後の生保破綻により、「生命保険契約者保護機構」、「支払保証制度」の設定では後手になってしまっている。

更に、保険業法では平成8年の改正により、それまで相互会社化の規定はあったが、新たに相互会社の株式会社化が規定された。

≪相互会社の存在意義≫

相互会社においては、社員が「実費主義の理念に基づく可及的に安い費用での保険の保護の提供」を受けると言う事が制度的に期待されている。これを実現していくことが相互会社の存在意義と考えられる。

≪相互会社の現代的意義≫  

社員は保険事業継続に必要な内部留保への貢献がもとめられるため、社員に分配される剰余金はその分減少することになる。一方、相互会社において損失が生じた場合には、その損失は保険加入者である社員に帰属する。

しかし、そのために保険料を追徴や保険金を削減することは、社員に事前に予測しえない不利益をもたらすものであって、保険加入の意義を大幅に失わせることになる。そこで、事業の損失のリスクに対しては保険事業継続に必要なものとして準備された内部留保により対応すべきであり、会社損失の社員への帰属は、原則として内部留保に対する社員の貢献分を限度とする。

継続企業として社員に対して確実な保険給付をなすという相互会社の理念に照らした(現代的)意義となっている。

ここで、株式会社化についての成功のポイント

Ø  株式会社化前に「戦略的施策」を実行に移した場合に最良の結果となることが多い。

Ø  成功した会社のほとんどは、多様な金融サービス会社となっている。

Ø  大規模な会社にとっては強力な成長を実現するため国際的展開が必要である。

Ø  小規模な会社にとっては、国際的展開よりも中核事業ラインの市場シェア増加により成長を実現できる。

Ø  ニッチを持たない中規模な会社は、株式会社化による改善は得られなかった。

≪日本の株式会社化より≫

第一生命の場合-2010年4月1日【第一生命Hp 経営方針より】

既存の事業分野での生産性を大幅に高めるとともに、成長分野への取組を強化することで、企業価値の持続的な成長を実現していくことが不可欠です。
これらの戦略遂行のスピードアップと柔軟な事業再編や資本市場へのアクセスを目的として株式会社化・上場を行いました。

2010年度は、株式会社化後の新創業の年 

三井生命の場合-平成16年4月1日【三井生命Hp より】

株式会社化の目的は、経営環境に左右されることのない盤石な経営基盤を確立し、より一層「信頼され・選ばれる会社」となることです。

株式を発行して出資を受けることにより自己資本の充実を図り、あわせてリスク資産(価格変動のリスクが高い資産)を減らすことなどにより信用力を向上させます。これにより、お客様に今まで以上に信頼・安心いただけると考えています。

お客さまからのご期待に沿うべく、さらなる経営の効率化を通じて、収益力向上を図り、よりよい商品・サービスを提供してまいります。

振り返ってみると、「相互会社」の理念は、それはそれで素晴らしいなと思ってしまう。矢野恒太氏、スゴイ。鉄血宰相ビスマルク、保険でも侮れない。

2010年8月 1日 (日)

論述試験対策2-アクチュアリーの役割

保険業法に定める生命保険会社における保険計理人の確認事項および関与事項について、簡潔に説明をすると。H15 2(1)

○確認事項

保険業法第121条(保険計理人の職務)に基づき、毎決算期において以下の確認を行う。

ü  責任準備金が健全な保険数理に基づき積み立てられているかどうか

当年度末の責任準備金が法令(保険業法施行規則第69条)に従い適正に積み立てられており、将来収支分析により将来の責任準備金の積立水準が十分であることを確認している。

ü  契約者配当または社員に対する剰余金の分配が公正かつ衡平に行われているかどうか

会社ならびに商品区分単位で、翌期配当所要額・全件消滅ベースの配当所要額でそれぞれ財源確保されており、当年度末ならびに将来のネット・アセット・シェアが一定の金額を確保していること

ü  将来の時点における資産の額として合理的な予測に基づき算定される額が、当該将来の時点における負債の額として合理的な予測に基づき算定される額に照らして、保険業の継続の観点から適正な水準を満たさないと見込まれるかどうか

将来にわたり、資産(時価評価)から資産運用リスク相当額を控除した額が、全期チルメル式責任準備金と解約返戻金相当額のいずれか大きい方の額および負債(責任準備金・価格変動準備金・配当準備金未割当額などを除く)を上回っている。

以上「生命保険会社の保険計理人の実務基準」に従い、計算を行う。

保険計理人は、上記確認事項について意見書を取締役会に提出した後、遅滞なく内閣総理大臣(実際には金融庁長官)にその写しを提出しなければならない。

○関与事項

保険業法施行規則 77(保険計理人の関与事項)

法第120条第1に規定する内閣府令で定める事項は、生命保険会社にあっては、次に掲げるものに係る保険数理に関する事項とし、損害保険会社にあっては、前条各号に掲げる保険契約を除く保険契約について次の第1号から第4号まで、第6号及び第9号に掲げるものに係る保険数理に関する事項とする。

一.保険料の算出方法

二.責任準備金の算出方法

三.契約者配当又は社員に対する剰余金の分配に係る算出方法

四.契約者価額の算出方法

五.未収保険料の算出

六.支払備金の算出

七.保険募集に関する計画

八.生命保険募集人の給与等に関する規程の作成

九.その他保険計理人がその職務を行うに際し必要な事項

生命保険会計に関してアクチュアリーとして果たすべき役割について  【H8 3(2), H14 2(1)

上記に加えて

ü  必要なソルベンシー・マージンの確保 【H8

生命保険会社を取り巻くリスクが、増大かつ複雑化する中にあって、責任準備金だけではカバーできないリスクについては、ソルベンシー・マージンにより、カバーしていくことが必要となっており、保険業法第130条には、ソルベンシー・マージン基準の根拠規定が設けられている。

アクチュアリーは、それぞれの生命保険会社のリスク(保険リスク、予定利率リスク、資産運用リスク等)を把握した上で、それらのリスクに応じて、ソルベンシー・マージンの状況(具体的には、責任準備金の一部である危険準備金の積立、価格変動準備金の積立、資本勘定の充実、あるいは、含み損益の状況)について、チェックしていくことが、その役割である。

なお、ソルベンシー・マージンの状況をチェックするにあたり、一時点での静態的なチェックを行うだけでなく、生命保険事業環境の将来の変化を織り込んで、動態的なチェックを行うことも考えられる。

ü  管理会計の必要性 【H8

生命保険会計の特徴の1つとして、「毎期の支払能力の評価によって、剰余(利益)が異なり、期間損益を明確にさせることが困難」という点があるが、一方、生命保険会社の経営者は、事業運営に際して、会社の損益の状況を把握する必要がある。

そこで、支払能力の確保を第一義とする法定会計とは別に、期間損益を把握するための管理会計(例えば、潜在価値会計等)により、損益の状況に関する情報を、経営者に提供していくことも、アクチュアリーの役割であると考えられる。

更に発展的な役割として次の事が考えられる。 【S62-4

     会社の方針、特に長期経営計画、資産運用計画、システム開発計画、商品計画、営業計画の企画、立案に参画すること

     経営全般についての現状分析を行う事。特に外部環境として保険市場のマーケティング分析、内部環境としてはALM手法による資産と負債のバランスチェック等が挙げられる

     経営全般にまつわるリスクを把握し、リスク対策に寄与すること。

新たなリスクの発見と啓蒙 【H5 3(1)

     経営全般に関する管理に参画すること。具体的には、予算管理、投資資産のポートフォリオ管理、EDPシステムの管理。(EDPElectronic Data Processing 電子データ処理)

「アクチュアリー」の養成については、原則論は教科書、アクチュアリー講座等で学べるが、それ以上は自己研鑽を積むとともにOJTを中心に習得していく必要がある。

     第一段階、アクチュアリーの専門的分野での実力を身につける段階。正確な数理計算力、論理的な思考力を身につける必要がある

     第二段階、アクチュアリーに関係する広範な分野で、実務経験を積むとともに、他部門との関係を深める段階。生命保険事業を取り巻く環境についての理解力、業界内外の情報収集能力、他部門との交渉力、総合的な思考力を身につける必要がある。

     第三段階、経営に関する見識を高める段階。金融等の経済に関する理解を深めるとともに、専門分野のみならず経営全般について正確な判断力を身につける必要がある。

会計監査人(公認会計士)との関係 【H6 3(2)1-61

保険計理人は、責任準備金が健全な保険数理に基づいて積み立てられているか確認しなければならない(換言すればソルベンシーの視点)。会計監査人は、対外的にもディスクローズされる財務諸表を「企業会計原則」に基づいているか監査する義務を負っている。企業会計原則は必ずしもソルベンシーを第一義とはしていない。

現時点では、会計監査人と保険計理人は十分なコミュニケーションを保ち、会計監査人は基本的には保険計理人の意見を尊重する一方で、保険計理人は企業会計原則を考慮する、と言う運営になるものと思われる。

国際化への対応

国際会計基準への取り組み 【H14

ü  企業等の経済活動が国境を越えて行われるようになり、会計情報が国際的に利用されるようになってくると、国ごとに会計原則に差異があることが大きな障害となる。国際的な会計基準の設定が必要になってきた。 【1-100,105

その中で、資本市場の国際性により、公正価値のもたらす優れた均一性と標準化を理由に貸借対照表における資産と負債を公正価値にしようと進められてきている。 【別冊226 p8

ü  公正価値とは、「取引の知識がある自発的な当事者間における、独立第三者間取引において、資産が交換され、もしくは負債が決済される金額」、「もし条件を満たす取引があったであろうならその際に付く価格」であり、必ずしも実際に取引が幅広く行われている必要はないとされる。 【1-100

と資料等をもとに書いてみたものの、所見が書けない。

現在の不確実な状況においては、「リスク管理(発見、把握、対策、啓蒙)」が鍵となるのだろうか。そうなると、ソルベンシー・マージンに収斂される?でも、ソルベンシー・マージンは昨年出題されている。

いずれにせよ、記述した内容は頭の中に入れておく必要はあるね。

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