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2011年1月 4日 (火)

『史記「人間関係力」の教科書 臨機応変のリーダーシップ論』 守屋洋 著 を読んで

お正月は、とくに出かけることはなく、寝正月。読書をしました。3冊目の感想です。

「論語」は読んだことはあったのですが、「史記」は読んだことがありません。

はっきり言って中国の歴史は分かっていないに等しい(例えば、項羽と劉邦の名前は知っていますが、どういう人物であったのかは知らなかった)ということで恐縮ですが、この本を読む機会を得ました。「史記」に基づく“リーダーシップ論”の教科書です。

「史記」自体は全部で130巻の著作とのこと、それを人物評価から“リーダーシップ論”として1冊にまとめられています。

とくに気になった人物は晏嬰(あんえい)でした。

「晏子(あんし)」という言葉や本は聞いたことがあったが、“晏子”は、斉の名宰相、晏嬰(あんえい)とその父親晏弱(あんじゃく)を描いた長編ということである。

君主に仕える宰相(文武百官のトップ)、現代の中間管理職に近いが、部下の統率に気を使うのはもちろんであるが、それ以上に、上にいる君主の対応に神経を研ぎ澄まさざるを得ない。その点で、見事な手綱さばきを見せたのか“晏嬰”という。

俗人は立派なことをすると、それを自慢し、相手に対して驕りたかぶった態度をとる。ところが晏嬰は、人を災難から救っても、かえってその相手にへりくだった。俗人とは雲泥の違いである。晏嬰のやり方こそ功を完う(まっとう)する道だ。

「樽俎折衝(そんそせっしょう)」という言葉は、晏嬰から来ているという。

意味は、酒席の談笑の中で平和的に交渉を進め、相手方の気勢を躱(か)わして有利に交渉すること。外交上の談判(だんぱん)。

晏嬰は、曲線的諫言がとてもうまかった。

晏嬰は、きわめて質素な生活に甘んじた。

謙虚な態度と旺盛な責任感をミックスさせたのが、晏嬰の政治姿勢であった。

晏嬰の政治は、いつも「民」、すなわち人民の利益を基本に据えていた。

「あくまでも人民のために尽くせば、おのずから道義はついてくる。人民を見捨てれば、もはや正道はない。」

晏嬰の語録として

「刃を突きつけられて志を変えるのは勇とは申せません。利で誘われて主君を裏切るのは義とは申せません。」

「人倫の基本をなす第一義的な徳に関しては、いささかの逸脱もあってはならない。だが第二義的な徳については、実行のうえで弾力性があってよろしい。」

自分自身を社稷の臣(しゃしょくのしん)と言っており、「“社稷の臣”とは、“国家を安泰ならしめること”、“上下の名分を正すこと”、“百官をしてその所を得しめること”、“外交折衝よろしきを得ること”、この4つの条件を満たす人物をいいます。」と言われた。

孔子の論語にも、晏嬰を語る内容があり、

「樽俎の間を出でずして、千里の外に折衝するとは、それ晏子の謂いなり。」といって、晏嬰の外交交渉を称揚している。

「晏平仲よく人と交わる。久しくしてしかもこれを敬せり(晏嬰の交際ぶりは見上げたものだ。どんな相手と親しくなっても、相手に対する敬意を忘れない)」と称賛もしている。

また、論語に「四方に使いして君命を辱めず」という言葉は、晏嬰の目指したものであるという。

司馬遷も「いま晏嬰が生きていたら、私はその御者としてでも仕えたい」と並々でない敬慕ぶりを吐露している。

リーダーシップ論を知るというよりも、中国の歴史を少し理解できて良かったと思います。

さあ、明日は仕事始め。がんばっていきましょう!(^-^;

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