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2011年1月23日 (日)

「プロジェクトマネジメントオフィス」  を読んで

トーマス・R・ブロック+J・デビッドソン・フレーム共著、2002年の日本出版である。

原著は1998年となるので、少々古さは感じますが、そもそもの基本的な考え方、そしてプロジェクトマネジメントの歴史についても書かれており、参考とできる箇所は実務にも役立てられるように身につけておきたいと思います。

 

 

~プロジェクトマネジメントの歴史~

プロジェクトとよばれていたかどうかは別にして、古代エジプトのピラミッド建設や日本における神社仏閣の建造というようなものも当然「プロジェクト」である。

つまり、「プロジェクト」は人の営みとともに生まれ発達してきたと言っても過言ではない。しかし、世界的にこのプロジェクト、或いはプロジェクトというものが意識され始めたのは、1930年代のテネシー渓谷の開発、TVA(テネシー・バリー・アソシエーション)の頃であると言われており、近代的なPMの概念は、1940年代に入り遂行されたマンハッタンプロジェクト(第2次世界大戦時アメリカとドイツが原爆の開発を競った際のアメリカ側のプロジェクト)を起源に、アメリカにおいて固まったとされている。

第2次世界大戦終結後は、ケネディ時代のキューバ危機のころに、ポラリスミサイル開発等の国防関係で多くのプロジェクトが遂行され、その後1960年代の冷戦時代を迎えて、アメリカが宇宙開発に多額の資金をつぎ込み、アポロプロジェクトなど数々のプロジェクトを起こしていった。この宇宙開発計画はスペースプログラムと呼ばれ、

「アメリカに、また人類に利益をもたらすための宇宙開発計画」とされていたが、実際にはソ連と国力を競うアメリカが自国の優位性をみつけるために力をそそいだものであったことを知らない者はいない。このように、ある特定目的のために実施されるプロジェクトの塊を「プログラム」とする概念は、既にこのころには固まっていた。

その後、エネルギー開発のような民間事業に「プロジェクトマネジメント」が活用されるようになった。これは、それまでの国家プロジェクトと違いコストにも大きなフォーカスが当たることを意味した。民間では利益に貢献できる手法でなければならない。

しかし、だからこそ、「プロジェクトマネジメント」は民間に普及したのである。

 

~プロジェクトマネジメントオフィスとは~

「現在実施されているプロジェクトや新規に開始しようとしているプロジェクトが企業戦略に合致しているか」ということを常にモニタリングし、コントロールしていく機能。

大企業になればなるほど、企業戦略を立案する部門が現場から遠く、戦略をプロジェクトに分解していく力が弱くなる傾向にある。

この機能を受け持つのが、「プロジェクトマネジメントオフィス」である。

 

~プロジェクトマネジメントとは~

仕事をスケジュールどおりに、予算内で、要求に沿って成し遂げるためのマネジメントアプローチである。

「プロジェクトマネジメント」では、

PERTProgram Evaluation and Review Technique:プロジェクトのアクティビティをアローダイアグラムで表し、期間見積もりにおいて楽観値、悲観値、最可能値の3つを用いいるのが特徴)、

CPMネットワーク(Critical Path Method:最小の増加費用でプロジェクトにおけるクリティカルパスの短縮を図る手法)、

ガントチャート、WBS

マイルストンチャートのようなスケジューリングに特化したツールを使用する。

 

予算管理については、Sカーブ(計画コストと実績コストの推移を比較する手法。縦軸にコスト、横軸に時間をとり、一定期間ごとに計画コストおよび実績コストの累積値をプロットし、折れ線グラフで表す。このとき、計画と実績の各々の線が、アルファベットのSの字のように見えることからSカーブと呼ばれる)、

アーンド・バリュー分析(プロジェクト成果物をすべてコストに換算することにより、既に消費したコストと実際に出来上がった価値を比較する。実際にできあがった成果物の価値を出来高と呼び、それを分析することにより、プロジェクト完了時のコスト及びスケジュールを予測する。アーンド・バリューはプロジェクトの進捗状況を把握するための手法のひとつであり、コストとスケジュールを統合し、達成度(パフォーマンス)として把握する)、

コスト見積もり手法などのツール群をしようすることで可能となる。

 

要件管理については、必要/要件定義手法、変更管理手順が有効である。

 

リスクアセスメントについて、プロジェクトマネジメントオフィスは、プロジェクトで起きる可能性がある悪い事象のチェックリストを作成し、リストのメンテナンスをしなければならない。また、その悪い事象の影響を調査する方法を、指示しなければならない。リスクの回避とリスクの伝播といったような確立されたアプローチに焦点を当てた、リスク管理の手法を提案すべきである。

 

 

~プロジェクトマネジメントオフィスのアドミ業務~

ü プロジェクトの「スケジュールの維持管理」

ü チームメンバーのタイムシート登録、Weeklyなど定期的に行う。「タイムシートの維持管理」

ü 「レポートの作成と配布」、Monthlyでプレゼンテーションを行う

ü 「プロジェクトルームの維持管理」、物理的環境となる

ü 「ドキュメントの保管」、多くのデータを系統立てて保存する。プロジェクトの経験を反映させた有効なデータベースを作ることができる。このデータベースの情報を活用すれば将来の意思決定のガイドとして使うことも可能である

ü 「レポートの統合と配布」、プロジェクトマネジメントオフィスでは、メンバーの作成したドキュメント類の統合、保管、配布を支援する

ü 「プロジェクト実施書の維持」・・・今でいうプロジェクト計画書ですね。

ü ソフトウエアの処理作業、ソフトウエアツールの活用

 

最後に、プロジェクトのPMOは一時的なものか、それとも定常的なものか?とあります。

12年前の書籍ですが、ビジネス環境は変革の必要性が増しており、PMOの必要性は益々増してくるので、定常的方向を示唆しています。

その通りと思いました。

 

経営コンサルタントと言われる方々がこの辺りの知識・経験を豊富に持たれていますが、自分も身につけておきたいと考えています。

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