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2011年1月 4日 (火)

「グラッサー博士の選択理論」 ウイリアム・グラッサー著 を読んで

「“選択理論(チョイス・セオリー)”によると、自分たちの行動のすべてを自ら選んでいるのである」

「“選択理論”は“自分次第”、そこに、何かをしようとするならば、期限をつけた方が良い。そして、あなたがそれを決めるのです。」 と言われている。

以下、少し抜粋をしてみると

私たちが他人から得るもの、他人に与えるものはすべて情報であり、情報はそれ自体で私たちに何かをさせることも、何かを感じさせることもできない。情報は私たちの頭脳の中に入ってくる。この頭脳の中で、その情報を処理し、何をするかを決める。

私たちは自分の行為と思考のすべてを選択している。間接的ながら感情のほとんどすべてと生理反応の多くも選択している。

ハーブ・ケレハーはサウスウエスト航空の卓越した最高責任者であった。彼は会社経営に“選択理論”を実践していたのである。

邦訳「破天荒!サウスウエスト航空驚愕の経営」の中で、ケレハーはリーダーシップについてこう言っている。「人々が価値ある共通の目標に向かって仲良く取り組めるように、模範を示し、かつ説得することはとても大切なことだ。」そして、縮小を経営の失敗と呼び、こうも言っている。

「サウスウエスト社ではレイオフをとらなかった。不況時にその制度を採用していれば、確かに利益率は上がっていたことは確かであるが、採用していたら、不満、苦悩を引き起こす。一度でもそれをしたら、従業員は長い間それを忘れない。」

サウスウエスト社では収支決算ではなく、人が神聖なのだ。

人間は生涯遊ぶ唯一の生き物である。遊ぶから、一生学ぶのである。遊ぶのをやめた時が、学びをやめる日である。楽しみは笑いによって一番良く定義される。

他人と仲良く関わっていくにはかなりの努力を要する。そして、良い関係を持つ最善の方法は、一緒に学習する楽しみを持つことである。笑いと学習は、成功したあらゆる長期的な人間関係の基盤である。

“選択理論”とは逆に“外的コントロール心理学”がある。

この2つを「職場」でとらえてみると、次のようになると書かれていた。

ボス・マネジメント-職場で使う「外的コントロール心理学」

1.      ボスが仕事と、その仕事の基準を決定する。従業員の意見を聞くことはめったにない。ボスは妥協しない。従業員は、ボスが決める仕事に自分を合わせ、その結果が悪ければ被害を受ける。組合が無い場合は、仕事を失う可能性もある。ボスは、ボスのように押し付ける権利を邪魔されないように、しっかりと守る。しかしながら、ボスのようにふるまうほど、仕事の質はそれだけ低くなる。

2.      たいてい、ボスは、従業員に仕事のやり方を話すだけで、見せることをしない。そして、どのようにしたらもっと良い仕事ができるかについて、従業者の意見を聞くことは滅多にない。

3.      ボスは脅迫や罰を用いて望み通りにやらせようとする。そうすることで、トップから下部組織に至るまで、マネジャーと従業員は敵対関係となり、恐怖が支配する職場をボスは作り上げることになる。ボスは、敵対関係ことあるべき姿であり、従業員との協力関係は、破壊的であると考える。

リード・マネジメント-職場で使う「選択理論」

協力的なシステムづくりと次の信条に焦点を合わせている。人にやさしく対応し、どんなものが求められているかを説明すれば、良い仕事をしてくれるはずである。「私たちはあなたのことを気にかけていますよ」というメッセージがこの努力の中心にある。リード・マネジャーは、気くばりにお金がかからないこと、そして大きなおつりが返ってくることを知っている。

リード・マネジメントの四つの要素

1.      リード・マネジャーは、会社が成功するために必要な仕事の質と経費について、絶えず正直な話し合いを全従業員にしてもらう。リード・マネジャーは話を聞くだけでなく、品質の改善や経費削減に役立つ提案を何でもするように、たえず従業員を励ます。

2.      リード・マネジャー、あるいはその役割を任された人は、マネジャーが期待しているものが従業員に正確にわかるように、仕事のやり方の模範を示す。リード・マネジャーがそれをしている時でさえ、従業員は、仕事がどのようにしたら改善できるかの考えを述べるよう励まされる。このようにして、マネジャーは、従業員が自分の仕事に対してコントロールできるものが大きくなるようにする。

3.      従業員は、高品質な仕事がどんなものかを一番よく知っているし、できるだけ経費をかけないで高品質なものを産み出す方法を知っている。従業員は、この知識をもって、自分の仕事を点検する責任がある。しかし、マネジャーは品質が経費よりも優先することを明白にしている。実際には、従業員がこのような安心感を抱いていると、品質は向上し、経費は低くなる。高品質は従業員とマネジャーとの間の信頼のレベルに依存している。ボスのように押し付けて達成されるものではない。

4.      リード・マネジャーは、あらゆる機会を使って、上質の本質は絶えざる改善であることを教える。スクリーニングと違って、どんな仕事であれ取り組んだことはすべて、改善できるし、もっと経費をかけないですることができる。マネジャーの仕事は、従業員に道具、訓練、そして仕事のしやすい友好的な場を提供することによって、改善を促進することであることを明白にする。会社が品質を改善したために利益率が増大したときに、リード・マネジャーは、従業員の努力がうみだしたものの分け前にあずかるようなシステムを作る。

少々ボリュームのある本でしたが、「アドラー心理学」にも共通するところのある内容だと思いました。

全ての“人間関係”、“職場”、“地域”において、「アドラー心理学」、「選択理論」による環境となるように、少しでも働きかけることができればと思いました。

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