伊坂幸太郎氏の本を読んで
心理学者 岸見一郎先生が、伊坂幸太郎氏のファンであられた。(ブログ「京都だより」より)
これまで、伊坂幸太郎氏の本は読んだことが無かった。ミステリー作家の印象があり、そもそもミステリーを読まないためであった。
そこで、ミステリーファンである自分の子供に、伊坂幸太郎氏の本を借りた。
「魔王」を借りた。
会社がとても忙しい中であり、最近本が読めていない中、2日で読めた。とても興味深い内容だった。
「不気味な大きな流れがあるときに、ひとりの無力で小さな人間に何ができるだろう」
「たとえば、未来は素晴らしい、と子供に教えるのと、未来は暗い、と正直に教えるのとではどちらがいいのか」
「未来が明るい、と断定するのは無責任かもしれません」
「様々な人間の感情が積み重なって、世の中の方向性は変わってくる。」
「子供の頃の私はやっぱり楽しみだったよ。二十年後や三十年後が。期待していたし、わくわくしていた。今の子供たちはどうなんだろう」
「二十年後のことを考えた時、わくわくしているのか?」
独裁政治を行った、ドイツの国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)の党首「ヒトラー」がでてきたり、イタリアのファシスト政権を樹立した「ムッソリーニ」がでてきた。
煽動されやすいといわれることがある「国民性」、
例えば、幕末の「ええじゃないか、ええじゃないか」騒動、太平洋戦争に突入したときの日本、などいわれていたりする。
「大きな洪水に流されない」主人公として、安藤兄弟がでてくる。
それが、「魔王」の内容であった。
そのような方向に行かないように、ひとりのひとりに何ができるのか。
岩瀬さんのブログで書かれていた。
日本は、40兆円しか収入がないのに90兆円も使い続けたら辻褄が合わないことは小学生でも分かること。
それでも、結局、国民全員がいやいや駄々をこね続けるので、今は文句を言えない子供たちに負担を押し付けることになる、と書かれている。
国の歳出の3割、約22兆円は社会保障費用。実際の社会保障給付費は、保険料からの支払も含まれるので、なんと約100兆円。しかも毎年3%ベースで伸びつづけている。
「考えろ、考えろ、マクガイバー」
明解な解答は得られないかもしれない状況とも考えられるが、自分も少しは役に立ちたい。
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