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2011年5月21日 (土)

年金2-平成19年度より

現在、基礎年金は財源として、社会保険料に国庫負担を加えて運営されているが(社会保険方式)、これを税を財源として運営したらどうか(税方式)という問題がある。

この過去問は、平成10年と同19年に出題がされている。

最初に、社会保険方式、税方式それぞれの仕組みを簡潔に説明する。【H10 3-A (1)

ア.社会保険方式

 一定期間にわたり保険料を拠出し、この拠出期間等に応じて年金を給付

イ.税方式

 年金の支給要件として個々人の拠出を必要とせず、国内在住年数等の要件該当をもって年金を給付。財源は税により賄うが、目的税とする考え方もある。

(1) 税方式導入によって解決されると考えられる現行制度の問題点を述べよ 【H19 3-A (1),(2)

税方式のメリット=社会保険方式の問題点

     保険料の未納や制度未加入問題が発生すること/保険料拠出が十分でない場合、無年金や低年金になることがある 【H10 3-A (2)

     保険料未納者からの保険料徴収に関する事務コストが高いこと

     第3号被保険者は、保険料を個別に納めなくても老後に基礎年金を受け取ることができるため、働く女性などからの不公平感があること

     保険料未払い者が将来貧困となった場合、生活保護の急増となり不公平感があること

     第1号被保険者については、現行所得の多寡に関わらず定額保険料を負担しているが、低所得者に対しては負担が大きいとともに不公平感があること

(2) 税方式の問題点=社会保険方式のメリット

     拠出に応じた給付とならず、自律・自助を基本とするわが国の経済社会のあり方と整合的でない(老後のために自ら準備するという意識の低下(モラルハザード)を招く)こと

     所得、資産調査に基づく給付制限や給付水準の抑制につながり、所得保証の機能が大きく制限

また、これによる調査コストも必要になること

     給付と負担の関係が明確でないため、制度の健全性、持続可能性について、現行よりわかりにくくなること。/社会保険方式は長期的収支計算に基づいて財政運営が行われ、運営の独立性・安定性が高い 【H10 3-A (2)

     例えば、消費税を高齢化社会に対応する財源として位置付けるのはよいが、介護、医療、少子化対策等に優先して基礎年金の財源とすることに合意が得られるかに懸念があること

     税収入の場合、社会保障以外の目的に使用される可能性があること

     生活保護との関係が不明瞭になること

     少子高齢化に伴う給付費の増大に要する税財源の確保には困難がある(景気の変動により税収の変動がおこるため安定的な税財源の確保には無理がある)こと

     税財源による一律の給付に加えて、これまでの保険料納付に対応した給付を行わなければならない(税方式への移行時)等の問題があること。また、移行においては経過措置期間が超長期になることが想定されること。

     第2号被保険者における会社負担分の取扱い(負担軽減分を従業員へ転化するかどうかによって負担の不公平感がでること)

     保険料を払い終えた年金受給世代も税金を支払うことにより、2重の負担となってしまうこと

     基礎年金費用を目的間接税等とする場合、目的間接税(消費税など)は低所得者にとって負担の重い逆進性があるため、世代内の公平性が確保できないこと。

等など

(3) 税方式導入に関して所見を述べよ

論点として、次が掲げられている

論点1:社会保障制度としてどう位置づけるか

論点2:制度設計の問題

論点3:財源調達

考えるにあたり、次の著者の本を読んでみました

細野真宏氏「未納が増えると年金が破綻するって誰が言った?」

鈴木亘氏「年金は本当にもらえるのか?」

駒村康平氏「大貧困社会」

みなさまの分析はとても深いと捉えながら、結論では、鈴木氏は税方式、細野氏と駒村氏は社会保険方式。ただし、細野氏と駒村氏は同じ社会保険方式でも、その方法は異なり、結果、3者3様の異なる内容でした。

自分自身としては、もう少し理解を深めてみたいと考えていますが、細野氏の考え方に近いように思います。あまりドラスティックに改革をしても、複雑怪奇化していると思えるシステムがついてこれないと考えています。確実にできることから、すぐに始められると良いと思います。

次回、3人の著者の分析を比較検討して、自分の所見を述べられるようにしたいと思います・・・できるかな~・・・

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