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2011年8月 6日 (土)

「流星ワゴン」 重松清 著 を読んで

何気なく子供の本棚から手にとって、借りてしまった本です。

重松氏の本は、たいへん読みやすく、登場してくる人物も心根は優しい人ばかり、読んでいると心が落ち着くように感じます。

この本では、「中高年男の悲哀」を感じるストーリーではありましたが・・・・

この本の主人公は、リストラされた中高年、家庭もやばくなり、何もかも投げ出そうとしていた永田一雄さん、38歳。

そして、主人公の前に、38歳の姿で現れる永田一雄の父、「忠さん」。

5年前に33歳のとき、ワゴン車で交通事故死して、幽霊となってワゴン車に乗って現れる橋本義明さん。

・・・このワゴン車がホンダのワインレッド色のオデッセイで、本の題名でもある「流星ワゴン」。

皆さん、中高年のお父さん達である。

ちょっと若い気がしましたが、重松氏が36歳のときの作品としては、この辺りの世代にしたかったようです。今だと、同じ年代でイチロー選手や松井選手ががんばっていますので、もっとやばいのは、40代後半から50代の世代。自分の世代ではないかな、と思いました。

それでも、この本の内容、今も全く古さを感じさせませんでした。

なぜだろうか?

この本が書かれたのは、重松氏36歳のときとあり、1963年生まれなので、1999年になります。

平成10年(1998年)に自殺者が初めて3万人を超えています。前年からの約8千人増による悲しい記録です。

急増したリストラにより、50代中高年の自殺者の急増が原因と言われています。

その後、毎年3万人の自殺者が、今もまだ続いています・・・・・

戦後初の生命保険会社が破綻したのも、この前年となる1997年、その後、生命保険会社の破綻、吸収合併は今も続いています。

不況は続いており、会社は生き残りをかけて、リストラが継続されているから、今も古さを感じずに読めるのかな、と思いました。

複雑ですね・・・・

それでも物語の最後では、わずかかもしれないけれど「希望」を持って前に進んでいこう、となって終わります。

自分を含めた中高年のお父さんたちに、いつからでもやり直せるヨ、とエールを送っています。

同じく疲れ果てた中高年ですが、まだまだなんとか、なんとかと粘ってみますか。

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