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2011年10月10日 (月)

厚生年金の世代間の公平給付を図るための所見

現在の現役世代と将来の現役世代の負担の公平を図る。

積立金の運用収入の活用を通じて、最終保険料負担を軽減するとの観点に立って、保険料率の段階的な引上げを行うこととされている。

厚生年金の保険料水準および給付のあり方、現行制度の改善についての所見。

       

経済の低成長及び少子高齢化を反映して、企業の雇用政策及び雇用形態の変化が起きている。

主には、

・リストラの実施

・退職者がいた場合でも極力補充を少なくしている

・終身雇用制が崩れ、中途採用、契約社員・パート等、雇用形態のバリエーションが増えている

・ベースアップが無い、或いは給与がダウンしている

・年棒制を採用している

・退職金制度を廃止し、給与に上乗せしている

・定年後も嘱託等の形態で再雇用をする場合がある

・女性の就労に関して配慮する企業が増えてはいる。

また、現在、過去期間に対応した給付債務のうち、未積立債務になっている部分が540兆円あるが、この未積立債務が発生した要因は何か。

これまでもブログで話をしてきているが・・・

厚生年金では、次の通り費用の一部を「後代負担」とし、保険料率を将来にわたり段階的に引き上げることとしているため、後代の負担となる債務が生じている。

・負担能力等を考慮し、これまで給付水準に見合った保険料を徴収してこなかったこと

・物価や賃金の上昇に応じた給付改善に要する費用は「後代負担」としてきたこと

・制度創設以降、被保険者期間の短い者にも一定水準の給付をしてきたこと

・死亡率の改善に伴う後発債務を「後代負担」としてきたこと

加えて、

・高度経済成長時代における「高福祉・低負担」の政策による積立金の減少も挙げられると思います。

さらに、

年金積立金は「財政投融資」というシステムで政府に貸し付けられ、良いこともしたが、グリーンピアなどの宿泊レジャー施設の建設資金に流用された。

計画性が乏しかったことから、現在まで、すべて廃止・民間等への払い下げとなっている。

現状の問題点

・現行の保険料率では、自らの給付のための財源を積み立てておらず、後代負担に回している部分があること。

厚生年金の給付および保険料水準のあり方

現在導入されている「保険料水準固定方式」と「マクロ経済スライド」について  

平成16年改正により、最終的な保険料(率)の水準を法律で定め、その負担の範囲内で給付を行うことを基本とする制度となった。これは、急速に進展する少子高齢化に対応するために負担の上昇が避けられない中、若年層を中心として、負担がどこまでも上昇してしまうのではないかとの不安が大きいことから、将来にわたっての保険料水準を法律に明記することによって固定した。

「保険料水準固定方式」は、従来は5年毎の財政再計算の際に、人口推計や将来の経済の見通しの変化等を踏まえて、給付水準や将来の保険料水準を見直していたのに対し、最終的な保険料水準を法定し、その負担の範囲内で給付を行うことを基本に、少子化等の社会経済情勢の変動に応じて、給付水準が自動的に調整される仕組みを制度に組み込む方式

「マクロ経済スライド」とは、「保険料水準固定方式」を導入した際に必要となる給付水準の自動調整の仕組みの一つであり、

年金制度を支える力である社会全体の所得や賃金の変動に応じて給付が調整されるように、年金改定率(スライド率)が自動的に設定される。

社会全体の年金制度を支える力の変化と平均余命の伸びに伴う給付費の増加というマクロでみた給付と負担の変動に応じて、給付水準を自動的に調整する仕組み。

具体的には、少子化等の社会全体(マクロ)の変動の実績(または将来の見通し)を、一人当たり賃金や物価の上昇を年金改定率(スライド率)としている現行の年金給付の改定方法に反映させることにより、時間をかけて緩やかに給付水準を調整する。(マクロ経済スライド)

新規裁定年金の改定率=賃金上昇率(可処分所得上昇率)-スライド調整率

既裁定年金の改定率=物価上昇率-スライド調整率

「スライド調整率」を減じている。

ただし、賃金・物価がマイナス局面の場合には、「スライド調整率」は適用しない。

「スライド調整率」とは、

公的年金全体の被保険者数の減少率/保険料を支払っている人数の減少率の実績(3年平均)(0.6%)+平均余命の延びを勘案した一定率(0.3%)=2025年度までは平均年0.9%程度となる見込み

厚生年金(報酬比例部分)については、65歳で年金を受け取り始めるときの年金(新規裁定年金)の水準は、現役の被保険者の一人当たり「賃金(可処分所得)」の水準に応じて改定され、受給開始後の年金(既裁定年金)の水準は、「物価水準」に応じて改定されることを基本としている。

基礎年金については、賃金や消費支出の伸び率等を勘案した政策改定が行われてきたが、平成16年の改正により、今後、新規裁定年金は厚生年金と同じ改定率、すなわち1人当たり「可処分所得」の伸び率で改定され、既裁定年金は平成16年改正前と同様、「物価」に応じて改定されることを基本としている。

ところで、平成16年の年金改正の財政案的化策の柱の一つである「マクロ経済スライド」は、物価、賃金が上昇している際に、年金額の上昇幅を抑制する仕組みであるが、近年、物価及び賃金が低下傾向であり、まだ『スライド調整率』自体が発動されたことがない。

物価及び賃金が低下傾向である中でのスライド調整率の適用要否を検討する必要はあるのかもしれない。

H194月に施行された厚生年金の在職老齢年金制度の見直し

65歳以上70歳未満の被用者に適用されている在職老齢年金の仕組みを70歳以上の被用者にも適用。なお、60歳代後半の場合とは異なり、70歳以上の被用者には保険料負担を求めない。

その目的とは、

予想を上回る少子高齢化の進行により現役世代に厳しい負担を求めていかざるを得ない中、就労して一定水準以上の収入のある70歳以上の受給者についても在職老齢年金の調整の仕組みを適用することで「世代間の公平性」や「高齢者世代間の公平性」を確保使用とするもの

この在職老齢年金の更なる見直しについて

70歳以上の被用者にも保険料負担を求めていくことを検討する必要はあるかもしれない。

働ける世代は、その全世代で負担することを検討する必要があるように思います。

ここには、国民年金(基礎年金)加入者へも同じように、働いている世代から、所得に応じて(所得比例)で求めることを検討してみたらどうだろうか。

併せて、後ろを延ばすことで、学生からの納付は止めるべきであるように思います。

 医療保険制度改正に伴い、健康保険の標準報酬月額が、H194月より「第1級(98000円)~第39級(980000円)の全39等級」から「第1級(58000円)~第47級(1210000円)の全47等級」に改正されます。

 新しい標準報酬月額等級(全47等級)は、平成194月分(同年5月納付分)以降の保険料や保険給付金額を算出する際の基礎となります。

 平成19年4月分からの保険料額表は次のとおりですので、1から7の区分に応じて、該当する項目をご覧ください。 

なお、厚生年金保険の標準報酬月額等級は、これまでどおり「第1級(98000円)~第30級(620000円)」の全30等級で変更はありません。

標準報酬月額等級区分の変更。とくに所得の高い者への等級区分の追加

但し、すでに毎年保険料率が上昇している中で、区分追加により、さらに保険料が上昇するため、理解と周知が肝要であると思う。

非正規労働者への厚生年金加入の促進

現在、

厚生年金の標準報酬の最低額は98000円、保険料月額は労使合わせて約15千円、うち労働者側の負担は約7500円である。他方、国民年金の保険料月額は15千円である。厚生年金の負担(使用者側負担もあわせて)がわずかに高く、加入者が基礎年金に加え、厚生老齢年金を受給する合理性があるといえる。

加入要件を緩和して、促進できるのであれば、第3号被保険者の課題、及び年金加入率を促進させるためにも、良いのかもしれない。

ただし、標準報酬月額を今以上に引き下げてしまうと、労使合わせた保険料が国民年金保険料より低くなり、合理性が失われてしまうといわれているので、その点は留意が必要なのかも。

高所得者の年金給付の見直し  

例えば、高所得者の老齢基礎年金について、国庫負担相当額までを限度に減額する制度という案もあるらしい。

支給開始年齢の引き上げ

世界一の長寿国である日本。

先進諸国(欧米)の平均寿命・受給開始年齢を参考にして、高齢者の雇用の確保を図りつつ、6870歳への更なる引き上げを視野に検討することが、厚生労働省では行われているようである。

次世代への負担をもうこれ以上先送りにしない、安定的財源に基づく社会保障制度を再構築していかなければなりません。

そうしなければ、日本の経済の活性化は得られないように思います。

 

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