「打たれ強く生きる」 城山 三郎著 を読んで
昭和58年(1983年、著者55歳の頃、当時は55歳定年が多く、著者の友人達が定年を迎える頃のようです)に、日経流通新聞で毎日連載されたエッセイを集めた本になります。
当時の日本は、自動車生産台数がアメリカを抜いて世界一へ。各公社が民営化。国民年金が厚生年金とくっつく頃ですね。
バブル前で、今よりも景気は良いように思えますが、どの時代でも中高年は「悩み多き年頃?」なのかもしれません。
※日経流通新聞は、普通のサラリーマンが読まれるのかなと、少し“?”を感じる現代の中高年でした。
うちは朝日一誌のみだし・・・・・
「ぼちぼちが一番」
人生あわてても仕方がない。
まわりはどうあろうと、自分は自分で、たったひとつしかない人生を大事に見つめて歩いていく。
それも、家康さんのように、「重荷を負うて遠き道を歩む」などと気負うこともない。人生それほど、大したものではない。ごく素直に、ぼちぼちと歩けばいい。また、ぼちぼちだからこそ、歩きつづけられるのではないか。
自分自身も「調子はどう?」と聞かれると、「まあ、ぼちぼちです。」と答えることがあります。
それは、元気なわけでもなく、それでいて、あまり落ち込んでいるように思われるのも恥ずかしいからなのですが、それでもいいのかな、と思ったりしました。
アメリカ人は「Fine!」って、言うんですよね。「So, so」ではよろしくないと・・・
「ざっくばらんの強み」
本田宗一郎氏の著書「ざっくばらん」より、「僕の特徴は、ざっくばらんに人に聞くことができるということではないかと思う。」
だれに対しても、こだわらずに、ざっくばらんに聞くことができ、ひとつにはそのおかげで今日あるというのである。
「左遷の中から」
主流の仕事でなく、日の当らぬ不本意なポストに回されたとき、どう生きるか。
どこへ行けといわれても、「ノー」と言わず、与えられたところで何かを身につけていくのがボクの生き方だったから、いっこうに平気だった。・・・・・中山素平氏
地位に対しても綿々とした未練を持たない。
「自分はしょせんサラリーマン。サラリーマンを辞めて自分に何ができるのか」
「おでん酒、すでに左遷の 地を愛す」
「熱燗や あえて職場の 苦はいわず」・・・・・岩田弐夫氏
「災難に遇う時期には遇うがよく候。死ぬる時節には死ぬるがよく候。これはこれ災難をのがるる妙法にて候」・・・・良寛
「配転ははじまり」
そこで絶望して、落ち込んでしまったり、やけになっては、そのときこそ、本当の終わりがくる。
恰好の充電期間とすること。
人はそれぞれ才能や能力のちがいがある。仕事への適不適ということが出てくる。それに、たてえ適した仕事であっても、勘が狂うこともあれば、気力や体調が整わぬときもある。神でもスーパーマンでもない以上、それは避けられないことだ。
そのときには、一休みさせてもらうか、場を変えてもらった方がいい。降格や配転は、その意味では、むしろ救いではないのか。
「月見て歩け」
視線を15度上げる。
都市生活者は少なくとも一日に一度は空を見上げるべきだと。そうすれば、それだけで、
「心が明るくなり、みるみる自信が湧いてくる」し、「全身から無駄な力みを取り去って」「まったくちがったアイデアを教えてくれる」ともいう。
空を見上げることは、浮世の思いをしばし忘れることでもある。
もともと忘れるというのは、「人間の自己防衛の機能」なのに、現代人は「忘れることを忘れたのではないか」
空には仕切りがない。心の中にも仕切りのないのがいい。
「俺たちは歩こう」
いま日本中の者が乗り遅れまいと先を争ってバスに乗ろうとする。無理して乗るほどのこともあるまい。俺たちは歩こう。
だれもがバスに乗る世なら、むしろ歩いた方がいい。
むやみにあがき嘆くのではなく、頭を切りかえ、いまの身でできる最良の生き方を考えることである。
「俺たちは歩こう」・・・・・宮崎康平氏、火野葦平氏
良書でした。ありがとうございました。
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