「しあわせになる禅」 ひろ さちや著 を読んで
五つの「禅」の根本原理として。
一.余計なことはかんがえるな
・気にしない
・ただ今日なすべきことを熱心にせよ。今日を楽しめ。明日のことまで思い悩むな。
・腹が減ればめしを食い、眠くなったら眠る
・ケ・セラ・セラ
二.なんだっていい
・世間の物差しを捨てる
三.人のことはほっとけ
・欲望の奴隷になるな。「少欲知足」 欲を少なくして、足るを知る心を持て。
仏教は「無欲になれ」とは言っていません。あくまでも「少欲」なんです。
・仏教では「慢」を戒めています。「慢」とは、他と比較して心の高ぶることを言います。
四.常識を捨てろ
・餓鬼(自己が所有するもので満足できない存在)になるな。
エコノミックアニマルと呼ばれた日本人は餓鬼になるそうです。
五.がんばるな (自分を肯定した上での努力を否定はしていない。)
・「日々是好日」、どんなときでも、そう思いなさいと。大変な日もあるかもしれないが、「なんだっていい」んです。好日と思えばいい。
俗世間で汚れた?自分には、なかなか出来ないところがありますが、ひろさちや氏の考え方は好きです。
最後に、ひろ さちや氏は、次のように述べられています。
世界の数多くの宗教は、「人間というものは、弱くて、愚かで、不完全な生き物である」と考えています。
日本人は総じて無宗教です。裏を返せば、人間が弱くて、無力で、愚かで、不完全な存在だと思っていないのです。むしろ逆に、人間は賢く、完全な存在でなければならないと思っています。無宗教ということは、そういう信念を持っていることになります。
だから、日本の世の中全体が不寛容な社会、他人の過ちを赦せない、まことに狭量となったのです。
仏教の教えとは、完全な人間になるように努力せよと説くことではありません。そうではなくて、人間はみんな弱くて、愚かで、不完全な存在なんだよ。欠点だらけの人間なんだ。だから、みんな互いに赦し合って生きねばならない。あなただって不完全な人間だから、多くの他人に迷惑をかけているのだ。それを他人は赦してくれている。我慢してくれている。だから、あなたも、他人から受ける迷惑をしっかり耐え忍びなさい。そう教えるのが、真の仏教の教えです。と。
心に留めておきたいと思います。
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