(最初の短編時の)「アルジャーノンに花束を」(1959年) ダニエル・キイス著 を読んで
「アルジャーノンに花束を」、最初は短編で書かれており、それを1966年までに長編化をされていました。
その最初の短編が、ダニエル・キイス文庫「心の鏡」の中に収められていました。
短編となる分、骨子をしっかりと書くようにされているように思いました。
例えば、手術をする前から、「りこうになってもほんの“一時的”」と最初から言われています。
また、短編と長編のちがい
短編では、急激に天才となったチャーリー、そこに精神が追いつけないところで、知的障害のチャーリーが幻覚となって、あらわれてこないこと。
そして、天才となったチャーリーと知的障害のときのチャーリーの学校の教師キニアンとの恋がほとんど書かれていないこと。
ここは、「物語」として、しっかり描ける長編の良さかもしれませんね。
あと、チャーリーは短編では37歳、長編では32歳と、若返り!?をしていました。
また、以下の文は、短編、長編共通なのですが、短編の方が印象に残りました。
おそらく短編の場合、物語も必要ですが、骨子を印象付けることも求められるからかもしれませんね。
チャーリーと手術する前からの友人ファニーとの会話。
チャーリー:
「人間が賢くなって知識を得、自分の周りの世界を理解しようと思うのが、どうして悪いんだ!」
ファニー:
「イブが蛇の言葉に耳をかして、“知恵”の木の実をたべたときに、そもそも悪は始まったのよ。自分が裸であることに気がついたのがいけなかったんだわ。あの事がなければ、あたしたちは年をとって、病気になって、死んだりしなくてもよかったのに」
おれがかつて知り、愛した人たちと、おれとの間に、「知識」がくさびを打ち込んだのだ。
以前のみんなは、おれの無知と愚鈍さのために、おれを笑いおれを軽蔑した。いまは、おれの知識と理解のために、おれを憎んでいるのだ。いったいこのおれに、どうしろと言うのだ!
個人的には長編が好きかもしれません。
天才となって、キニアンを含めて周りのみんなと話が合わなくなっても、キニアンとの恋に純粋なチャーリーが物語として描かれているからでしょうか。
PS。コメント大歓迎ですが、直前にいただいていたコメントは消させていただきました。
本ブログに関するコメントでお願いしますネ。
最後に一曲!?
「笑顔は大切です」と言うことで、I’ve Never Been Short Of A Smile (笑顔を忘れたりしないんだよ(どんな時でも))。
http://www.youtube.com/watch?v=byUVXhvr_Cg
これは、GILBERT O`SULLIVAN(ギルバートオザリバン)の曲になります。
ギルバートオザリバンと言えば、Alone againがとても有名ですが、この曲も好きです。
ではでは。m(_ _)m
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