「わかりやすい企業年金」 久保知行著 を読んで
The企業年金ブログのTonnyさんも推薦をされている文庫となります。
すいません、ブックオフで廉価にゲットさせていただきました。ただし、第1版のみでしたのは、ざんねん。
「企業年金の入門書」として、よかったと思います。」
Tonnyさんのコメントでは、
企業年金制度の全体像が盛り込まれており、簡潔さと平易さの両立が求められる文庫本としては100点満点の出来栄え。第2版では、適格年金の廃止および移行に関する解説が新たに加えられた。
もうおひと方、Amazonでコメントされていた方は、
本書はわかりやすい言葉で解説されており、大変読みやすいので、企業年金についてほとんど知らない人が企業年金制度の概要をつかむためには、まず、本書を手に取ることをお勧めする。
企業年金に関する具体的な問題を解決する際に,自分の立っている立場から問題解決の方法を指南するというものではない。
「お二人がおっしゃっている通りでしょう。」
久保先生は、「年金改革の原点」の著者でもあります。
こちらの本は、入手困難な状況となっていますが、最近、The Actuaryさんがブログを書かれていました。
こちらです↓
<http://blog.livedoor.jp/actuaryjp/archives/6004421.html>
とても詳しく書かれており、よかったです。
厚生省、年金局長 山口新一郎さんの話で、思わず、ググってしまいました。
要約してみると・・・
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「山口新一郎氏」――。後輩官僚が今でも「局長」と慕う人物だ。
新一郎氏は81年に年金局長に就任すると、自身が感じていた年金制度の問題解決に向け、改革に舵を切った。
しかし、その時、新一郎氏の体はすでに病魔に侵されていた。余命1年、うまくいっても1年半という状況だった。
新一郎氏は病室で陣頭指揮を執りつつ、85年の大改正の道筋を作った。
8つに分かれていた年金制度を基礎年金として一元化したことに加え、「負担は軽く、給付は多く」と無謀な暴走を続けた年金制度に歯止めをかけた。
85年の改正で全ての問題が解決したわけではないが、この時の年金改正がなければ、日本の年金制度は破綻していただろう。
85年の大改正前まで、年金の支給額は改正の度に増額されていた。65年、年金の月額平均支給が1万円になる「1万円年金」が実現。69年には「2万円年金」、73年には「5万円年金」と右肩上がりを続けていた。
年金畑を歩んだ新一郎氏の目には将来の破綻が見えていた。「(年金改革は)絶対にやらなければならない。10年、手を着けるのが遅かったぐらいだ」と語っている。
支給の引き下げ、基礎年金への一元化に加え、専業主婦や障害者の年金の問題などを一気に整理する新一郎氏らの改革案。自民党の厚生族は猛烈に抵抗した。それでも新一郎氏は霞が関で前代未聞と言われた1000人有識者アンケートを実施し、年金改革の是非を世に問うた。結果は、新一郎氏の信念を裏切らなかった。
ガンに侵され、5度の手術をしながら、最期まで局長として病床で法案の原文に筆を入れた。法案が国会に上程されたのを見届けた84年6月18日、帰らぬ人となった。享年56。
翌年4月24日、改正法案が参院本会議で可決成立した時、議場の片隅には夫人に抱かれた遺影の新一郎氏がいた。
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「すごい人がいたのダ」、ということを知ることができました。ありがとうございました。
1985年の年金改正、あれが無ければ、少なくとも国民年金は破綻をまねくことが十分考えられましたので、必要だったと思っています。
個人的には、一部意見を持っています。とくに、いびつな存在となってしまった“第3号被保険者”を産んだことについてです。以前ブログに書きました。↓
<http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-d586.html>
でも、完璧も無いと思っていますし、当時できることの限界のようにも思います。
最後に、The Actuaryさんが、「年金改革の原点」より、次の文章を引用されていました。
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•山口様、年金問題が八方塞がりにもみえる今回も、年金はまた誰かを選ぼうとし、その負担に応えられるだけの人が現れるということなのですね。
•ご安心ください。私たちはきっと、この難局を切り抜けて見せますとも。
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すばらしいですね!
ほんの少し、わずかでもいいので、少しでも貢献できるようになりたいと思いました。
肝心の「わかりやすい企業年金」の話ができませんでした。
次回へ・・・・・多分。
m(_ _)m
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