「人間の学びの3条件」、「学ぶこと 思うこと」
朝日新聞に内田樹氏のコラムがありました。これかの勉強姿勢のため、一部書き留めておきたいと思います。
「人間の学びの3条件」
学ぶ力には3つの条件があります。
第一は自分自身に対する不全感。自分は非力で、無知で、まだまだ多くのものが欠けている。だからこの欠如をうめなくてはならない、という飢餓感を持つこと。
第2は、その欠如を埋めてくれる「メンター(先達)」を探し当てられる能力です。メンターは身近な人でもいいし、外国人でも、故人でも、本や映画の中の人でもいい。生涯にわたる師ではなく、ただある場所から別の場所に案内してくれるだけの「渡し守」のような人でもいいのです。自分を一歩先に連れて行ってくれる人は全て大切なメンターです。
第3が、素直な気持ち。メンターを「教える気にさせる」力です。オープンマインドと言ってもいいし、もっと平たく「愛嬌」と言ってもいい。
以上、この3つの条件をまとめると、
「学びたいことがあります。教えてください。お願いします。」
という文になります。これが、「マジックワード」です。これをさらっと口に出せる人はどこまでも成長することができる。この言葉を惜しむ人は学ぶことができないのです。学ぶ力には年齢も社会的地位も関係がありません。皆さんも、いつまでも学ぶ力を持ち続けて下さい。
以上の通りです。
まだ内田さんの著書を読んだことは無いのですが、共感できるな~、と思いました。
内田さんご自身は、1950年生まれでしたので、還暦を過ぎられているのですね。
写真付きで掲載されていましたが、実年齢よりもお若くみえるのは、精神(心)が若いからかもしれません。
ブログもされていますね。ご参考まで。
また、これを読ませていただいて、「学ぶこと 思うこと」(加藤周一氏著)を想い出しました。
そこには、次のことが書かれています。
「学びて思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し」
「学びて思わざれば則ち罔(くら)し」の「罔(くら)し」は「よくわからない」ということです。学んでもみずから考えなければダメだ、本当の知識にはならない、ということです。
「思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し」は、たとえみずから考えていても学ばなければ、その人の、あるいはその集団の行動は危ういということです。その二つが対となっています。これは、「論語」の為政編から引いた有名な言葉です。
個人が自分自身で問題を考えていて、その問題を解くために知識が必要だから「学ぶ」のです。問題解決をするために必要なのは、まず問題を意識することです。意識化された問題が自分自身の中にあることが「学ぶ」ことの動機になります。ある問題意識が自分の中にあり、そのことについて良く考えること、それが「思う」ことです。
「思うこと」と「学ぶこと」は、このように関係しているわけです。
しかし、問題意識だけがあって知識が無いとすれば、それは「危ない」ことになります。「危ない」とは、こういうことをしたいと思った時に、よく考えずに突入すると、とんでもない結果を生ずることがある、ということです。それを論語では「殆い」という言葉で表しているのです。
なんとなくですが、共通なところ感じています。
慢心してはいけない。自分の不完全さを認識して、謙虚に学ぶ姿勢を失わない。そして、きちんと考えることですね。
さあ、がんばろ。
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