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2012年4月18日 (水)

「ハゲタカ」  真山 仁著 を読んで その1

また、ブックオフでゲットしました。

とてもよく調べられていると思いました。

テレビも面白かったと記憶していますが、本はそれ以上に面白いと思います。

本書は、バブルがはじけた、1990年代~2004年までのおもに金融機関を舞台にした「投資ファンド」の物語。投資ファンド、とくにプライベート・エクイティ・ファンドに属すると思われる、ホライズン・キャピタルの会長 鷲津政彦が主人公になります。

以前、この分野も、アクチュアリーのチャンスの場になることを書いたことがあります。

<http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-11c0.html>

本書でも鷲津の経営するホライズン・キャピタルの資金は「年金基金」から出資されています。

さて、本書の中には、「生命保険会社」もチラッと出てきました。

東陽生命・・・・・

そこには、こう書かれていました。

「破綻した東陽生命だが、政治家や闇の紳士達と関係の深かった金融機関の債権というのは、不良債権としてはゼロ価値だが、その債権が持っている情報価値としては、良い値で売れる」

政治家や闇の紳士達と関係の深かった金融機関とされています。

植村信保氏の著書「経営なき破綻」に目を移してみると、

東○生命が経営危機に陥った理由には、80年代後半に高利率の資産性商品を大量販売したこと、不動産関連投融資などハイリスク・ハイリターンの運用に傾斜し、バブル崩壊で多額の不良債権を抱えたことなどが挙げられる。これに加え、東○生命に特徴的な要因として、経営トップとその周辺が不適切な経営を行っていたことを指摘する必要もあろう。

さらに、元大蔵省 保険1課長 浅谷輝雄氏のブログでも、20007月に次の内容を書かれています。

ちょっと長いですが、ブログから記載をさせていただきました。

----------------------------------

 気になっていたこととは、破綻した東○生命の経営責任取り方である。破綻した企業が旧経営陣の責任を追及し、損害賠償を求めたのは、旧日本長期信用銀行などのケースがあるが、保険会社では初めてだと記事にある。そういえば、日産生命にどの様な経営責任をとったと言うことを聞いたことがないから、東○生命が初めてなのであろう。

 訴状によると、太×清×元社長は1990年から92年にかけて、ノンバンク経由で太×家の資産管理会社など二社に総額120億円を融資した結果、約64億円が回収不能になった。多△元副社長は、融資が太×家の利益を図るものとは知りながら、止めさせなかったという。賠償請求額が10億円に留まったことについて東○生命は「責任の度合いや支払い能力などを総合的に判断した」と説明している。しかし太×清×元社長の責任は、10億円程度で、かたが付く話ではない。少なくとも一桁違うと私は思う。

 太×元社長のワンマンぶりは業界内では昔から有名であり、取締役の任命から融資の決定まで他人の介入を許さず、気に入らない部下は、直ちに飛ばしたようだ(取締役の任期は一年だとまで言われた)。彼は、千三つ屋(1000の内3、即ち0.3%の確率。落語では千の言葉の中に真実は三つの大うそつき、ほら吹きのこと)、いや万三つ屋といわれ、一種の「性格破綻者」であった。彼が経営責任のチェックが甘い相互会社の社長になったことがこの会社の悲劇の始まりであったのだ。

 私が25年前に保険一課長をしていたとき、太×氏は副社長であった。悪い噂が外部から伝わってきたことがあって、「もし経営を引き継ぐようなことがあれば、しっかりした補佐役が必要だ」と話をしたことがあった。当時、東○生命は太×商会(商店)とも呼ばれ、アクチュアリの平木三蔵さん、会計の大久保勲さんという、業界でも有名な人がいて会社を支えていた。しかし、その後に太×氏に対し抑えの効く補佐役が育たなかった、育てなかった。絶大な人事権を握っている社長に反抗し注意することが、チェック機構のない相互会社では如何に難しいかを実証した。システム的に、この様な内部自己規制に頼るのは無理である。

 しかし、その後いろいろな事情があったのだろうが太×氏が社長に就任し、次第に有力な補佐役が退任して、彼が「独裁者」になっていった。

 バブル当時から、またそれが崩壊してから、東○生命の資産運用が問題であると業界内で大きな評判だった。太×氏の私的財産を間接的に殖やす運用に、である。

 その時期に新保険業法が審議され、資産運用の規制緩和が大幅に認められるようになった(この点も早急に再検討すべきである)のだから、太×氏のやり方を法的に規制する手段が無くなった。私は、これが問題発生の一端であると思う。もともと、社長(会社経営責任者)関連の資産管理会社や事業会社等に生保会社の金を、保険契約者の金を融資することを法的に規制すべきであった。

 其処がしっかりしていれば、東○生命の資産運用の問題に、法的な損害賠償責任訴訟を提起できるはずである。東○生命の資産運用の実態について監督官庁である保険部は、異常に長期化した検査から承知していたはずである。当時の監督官庁は、債務超過の決算を知りながら放置して、如何にして太×氏を社長の座から降ろすかに全勢力を注ぎ込んでいた。また外部の第三者からなる経営委員会を設けて経営のチェックを行うシステムを作ったけれど、全く成功しなかった。東○生命のケースで、問われるべき行政責任が、民間側からハッキリと声が挙がらず、また再発防止のための保険業法改正の声も聞かれなかったのは摩訶不思議であった。

 これでは日産生命のケースで経営責任が問えないのは当たり前で、今後起こりうる生保会社の破綻にも経営責任を問うのは困難であろう。銀行行政に追従した保険業法改正だけを検討するこれまでの姿勢を改めて貰いたい、と切望する。

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真山氏、植村氏、浅谷氏、みなさんの調査結果は同じですね。

トップがこうなってしまうと、その企業はどうしようもなくなる具体的な事例だと思います。

「東○生命」、バブル弾ける前であれば、トップマネジメントではない“従業員”に、もしアンケートをとるならば、従業員満足度は高かったように思います。部課長以下の方々には、尊敬できる方が多かったと思います。

作家、向田邦子さんの父上も勤められていたと聞いています。向田さんの本(例えば、寺内貫太郎一家)からは、頑固おやじだったかもしれませんが、共感を持てる方のように思います。

つづく・・・

ではでは、また。

 o(_ _)oペコッ

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コメント

再度のコメントありがとうございました。
ブログにコメントされるとやはりうれしいですよね。
私のブログにはあまりコメントいただけてないので、常にさみしい気持ちでしたが(笑)
今後ともよろしくお願いします。

m(_ _)m

コメント、ありがとうございます!
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
m(_ _)m

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