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2012年7月24日 (火)

Actuarial Mathematics for Life Contingent Risksの書評 を読んで

ア ジャーナル第80号より、読ませていただきました。

正直、ア ジャーナルの内容は、難しいと思うことが多く、なかなか読み通せていないところですが、The Actuaryさんのは、読みやすかったと思います。とても勉強になりました。ありがとうございました!

以前、ブログでも、同様の内容のことを書かれております。ご参考まで。

コチラ『生保数理と金融工学の融合』

http://blog.livedoor.jp/actuaryjp/archives/2362431.html

自分の理解のために、メモをさせていただきます。

「日本でも、企業年金の世界では、単一割引率からイールド・カーブを用いた債務評価が原則的な取り扱いとなった」

「日本のアクチュアリー実務の世界においても、単一割引率からイールド・カーブへのシフト、および新たな保険商品・企業年金が登場している」

ここで復習。忘れないように、すいません。(゚ー゚;

*****

イールド・カーブとは?

・残存年数の異なる金利を線で結んでグラフにしたもの

・右上がりの曲線を順イールド、右下がりの曲線を逆イールドという

・償還までの期間(残存年数)の異なる金利(利回り)を線で結んでグラフにしたものを、イールド・カーブ(利回り曲線)と呼んでいます。縦軸に金利(利回り)、横軸に期間を目盛りにとったグラフです。

・イールド・カーブは、期間の長短が生み出す利回り(金利)と期間の関係を表わす「金利の期間構造(タームストラクチャー)」を分析するのに利用します。 

・将来、金利が上がると予想される場合には、償還までの期間が長いほど、イールド・カーブが描き出す曲線は、右上がりになります。これを順イールドといいます。金利が高くなる前に、長期間の借入れをしようとする人が増えるからです。

・将来、金利が下がると予想される場合には、償還までの期間が長いほど、イールド・カーブが描き出す曲線は、右下がりになります。これを逆イールドといいます。金利が低くなってから、長期間の借入れをしようとする人が増えるからです。

*****

「保証リスク」について

日本においても、「変額保険のリスクマネジメント」の必要性とその重要性について、付言は要しないと思う。その他にも、例えば、企業年金の分野で、保証リスクを吟味すべき制度が日本でも生まれている。その代表例が、金利変動に伴って給付額が変動する「キャッシュバランス・プラン(CBプラン)」である。従来の一定の金利を保証する給付設計に加え、市場インデックス連動型CBプランの導入も可能となった。既存のCBプランの多くは、国債の利回りを基準に設定されている。現在の低金利の環境下においては、保証利回りの下限を設定したとしても、その保証リスクは限定的であるが、一方でこの市場インデックス連動型CBプランが採用された場合、その「保証リスク」のインパクトは「金利リスク」の比ではない。既存の年金数理の枠組みを用いて、企業年金のリスクマネジメントを行うことの妥当性について、再考すべき時期に差し掛かっているのかもしれない。

ここでも復習(;´▽`A``

*****

キャッシュバランスプランとは?         

平成144月より厚生年金基金の加算部分および確定給付企業年金の給付設計において認められた。

キャッシュバランスプランは、給付額の算定方法が予め規約に定められており、算定方法の中で使用する利率に関する部分については、その決定方法が規約に定められていて、実際の利率は国債の利回り等の市場動向に応じて変動するものであり、確定給付型と確定拠出型の両方の特徴を持っている。

年金資産の運用に関して他の確定給付型年金との違いはなく、給付債務に対する運用リスクは企業が負うこととなる。また、退職給付会計上は、予測給付債務(PBO)に基づく会計処理が必要となる。

退職給付債務の計算に使用する割引率とキャッシュバランスプランでの指標に連動性を持たせることで、従来の確定給付型の給付設計に比較し、割引率の変動による退職給付債務・費用認識の変動を抑えることができる。

*****

変額については、以前、ブログで整理をしていました。

変額年金保険の商品特性

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-f489.html

変額年金保険のリスク対応

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-f608.html

生保数理と金融工学(ファイナンス理論)との融合は、今後もますます重要になってくるように思いました。

また、書籍は日本語に翻訳中とのこと。大事な仕事と思いました。一方で、原文が読めるくらいの英語力が自分にも欲しいな、と思いました。がんばろ~。

ありがとうございました!

m(_ _)m

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