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2012年7月

2012年7月29日 (日)

最低責任準備金について

一般に、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるための準備金として「責任準備金」という。さらに、主に生命保険では、金融庁が定める「標準責任準備金」がある。

厚生年金基金には、「最低責任準備金」がある。

最低責任準備金

厚生年金基金あるいは企業年金連合会が解散した場合、それぞれが負う代行給付の支給義務を、基金においては連合会へ、連合会においては政府へ移転するため、代行給付に見合う原資として(厚生年金保険法第85条の2に規定する)責任準備金に相当する額を連合会または国へ納付する。

この責任準備金に相当する額を「最低責任準備金」という。

財政検証の基準日を解散日とみなす。

最低責任準備金の変遷について

(1)制度創設~平成119月(「将来法」による計算)

○最低責任準備金は、基金が解散(又は代行返上)する場合に移管すべき積立金であるが、その計算方法は、創設から平成119月までは、将来法(いわゆる「給付現価方式」)と呼ばれる計算方式で行われていた。(この場合に用いる予定利率は厚年本体の長期の予定運用利回りである5.5%を用いていた。)

(2)平成119月~平成173月(「過去法」を加味した計算(暫定措置))

○平成11年改正による免除保険料の凍結により、最低責任準備金の計算方法についても、暫定的な措置として変更が行われた。すなわち、将来法で計算された平成119月時点での最低責任準備金をベースに毎年度の代行部分の収支差を加減し、これに厚年本体の実績運用利回りを乗じていくという過去法(いわゆる「コロガシ方式」)を加味した計算方法に変更された。

(3)平成174月~現在(暫定措置の恒久化と厚年本体との財政中立化)

○平成16年改正で免除保険料の凍結が解除されたことに伴い、暫定措置であった最低責任準備金の計算方法が恒久化された。同時に、厚年本体との財政中立化の観点から、「給付現価負担金」制度(※)が設けられた。

(過去期間代行給付現価負担金制度) 

○代行部分の給付債務は、厚年本体における「死亡率」や「長期の予定運用利回りの見直し」により変化するが、給付債務が増大した場合、将来期間分については免除保険料率に反映される一方、過去期間分については反映されない。このため、過去期間の代行給付現価が、基金が保有すべき最低責任準備金の一定割合を超えた場合には、一定のルールに基づき厚年本体から給付費負担金を交付する(逆に、過去期間の代行給付現価が最低責任準備金を下回った場合には免除保険料で調整する)というしくみである。

※なお、これは「過去期間代行給付現価」と「最低責任準備金」という債務の差額を調整するものであり、最低責任準備金と保有資産の差額(=積立不足)は、基金において掛金の引上げ等により対応することとなる。

 

現在の最低責任準備金の算定方法は、

財政検証の基準日を解散日とみなして、平成119月末時点 の従来の最低責任準備金(代行部分を支給するための原資に相当する額) に免除保険料、受換金を加え、代行年金額、移換金を控除し利息分を付与して得た額となる。

この手法はいわば過去法である。

この利息分の算定の基礎となる利率は、厚生年金保険本体の年度実績運用利率であり、年度末の翌年に適用される。

つまり、X年度(X4月~(X+1)3月)の運用実績は(X+2)1月~12月に適用される。

最大19カ月遅れで適用されることから、この遅れを「最低責任準備金の期ズレ」 という。

例えば、 

厚生年金の平成22年度における時価ベースの運用利回り(▲0.26%)。

これが、平成241月~平成2412月までの付利利率となっている。

ただし、最低責任準備金は、平成1110月以降、厚生年金本体の運用利回りによって付利されているが、財投債部分については、満期保有を前提に取得原価法により評価された運用利回りを使用している。実際に基金が解散する場合には、時価評価額により返還されることを勘案すると、このように計算された運用利回りを最低責任準備金の付利利率に使用することは合理的でない。従って、さらなる代行部分の財政中立化 を図るためにも、最低責任準備金の付利利率は、財投債部分についても時価評価した場合の運用利回りを適用するよう見直すべきとある。

 

元利合計方式(いわゆるコロガシ方式

この方式では、厚生年金本体利回りを確保していれば、代行部分について財政上の不足を生じない仕組みとなっています。

 

ほかにも最低責任準備金については、0.875問題があったりするのですが、「年金」の勉強をしてみて、「過去法」と「将来法」で(最低)責任準備金の額が異なるということが、ある意味で新鮮な驚きでした。

o(_ _)oペコッ

「金融資本主義を超えて」  岩瀬大輔著 を読んで その1

これまで岩瀬さんの本は、

1.「生命保険のカラクリ」

2.「132億円集めたビジネスプラン」

※「2」については、ブログにも書いています↓

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/132-c41f.html

を読ませていただきました。

 

今回は、何気なく入ったブックオフで、僅か数分で目の前に現れたのでした。

これは運命?と思い早速購入しました。

 

読んで、とてもよかったです!

岩瀬さんが30歳を前に書かれた本となりますが、スケールの大きさを感じました。不惑を遥か前に過ぎたものとして、まだまだ惑い、天命を知るどころではない自分自身に「おい、大丈夫か?しっかりしろよ~!」と“激”&“喝”を入れていただいたと思いました。ι(´Д`υ)アセアセ

 

いくつかを書き留めさせていただきたいと思います。

 

*****

スポーツから学ぶチーム力の向上!

1.協力と競争を融合せよ!

2.早めに勝ち体験を作り上げよ!

3.負けのサイクルからいち早く脱せよ!

4.練習のための時間を意識的に取れ

5.ハーフタイム休憩をとれ!

6.チームのメンバーはできるだけ入れ替えるな!

7.ゲームのビデオを研究せよ!

「振り返り」をすること

注意点として、チームはそのメンバー間の相互依存関係によって、野球型、アメフト型、バスケットボール型に分けられる。野球は個人間のやり取りが少ないのに対して、アメフトは各自が独自の役割を持ちつつもお互いに影響しあい、バスケはたった5名なのでお互いの動きが絶えず相互に影響を与え続ける。

ビジネスの場合も、これらに例えられる。営業は野球型、組み立てラインはアメフト型、そして機能横断的なチームはバスケ型と。

 

「経営者宣言」より

私たちは、どんなビジネスでも長期的な成功を決める唯一の大切な要素が「人材」であることを理解している。従業員は、私たちの最も貴重な資産であり、私たちは新しい技術やイノベーションに投資をしていくのと同じように、彼らの発展と成長のために絶えず投資を続けていく。また、職場は従業員が生活の糧を稼ぐための手段にとどまらず、彼らが自己実現を果たすためのかけがえのない機会の場であることを認識している。

私たちは従業員に対して、敬意と尊厳を持って接する。

事業運営のパートナーとして、彼らに対してオープンに考えを共有し、彼らの心配事に耳を傾ける。仮に私たちと彼らの利益が短期的に対立するような場合には、それらが長期的な観点から調和するように努力する。

 

「アントレプレナーシップ」とは何か?

それは、現在自らの管理下にある経営資源にとらわれることなく、事業機会を執拗に追及することである。

そして、

アントレプレナリアル・マネジメント(Entrepreneurial Management, EM)とは、新しい事業の立ち上げに独特な経営環境、すなわち高い不確実性、急激な成長、劇的な変化、そして限られた経営資源といった環境の下における、一つの経営手法である。そのために、

・事業機会の発見とビジネスモデルの構築

・戦略的資源の確保

・財務的資源の確保

・不確実性のマネジメント

 

「地位は人をつくる」ということを信じている。ちょっと無理なくらいの仕事を与え、精いっぱい背伸びをさせることで、失敗もするし、思いっきり成長することができるからだ。

 

ヒューレット・パッカードの創業者 デイビッド・パッカードの言葉

「収益をあげることは企業活動の重要な結果だが、企業の本当の存在意義を理解するには、もっと深く考えなければならない。それは、我々が一人一人では実現できないことを、集合体として実現して、社会に貢献するためだ。」

 

ウオーレン・バフェットがかつてHBSの学生に語られた言葉

「君たちは、セックスを、歳をとってからの楽しみにとっておくようなことをしてはいけない。やりたいことがあるなら、今すぐやりたまえ。私は自分が選んだ仕事が楽しくて、楽しくてたまらず、毎日職場まで文字通りタップダンスをしながら行っている。」

将来の漠然とした楽しみのために今を犠牲にすることなく、その瞬間、瞬間、じぶんが充実していると感じる時間を過ごすことの大切さを、彼独特のユーモアを交えて、伝えてくれたわけだ。

イーベイのCEO メグ・ウイットマンの言葉

1. Do something you enjoy!

2. Deliver result!

3. Note down your learning!

4. Be patient – career is a marathon, not a sprint!

5. Build a great team, and share credit with team!

6. Be fun to work with! 一緒に仕事をしていて、楽しい人でいることを心掛けよ!

7. Don’t be afraid to ask questions!

8. Don’t take yourself too seriously! 上手くいっていないときは、あまり悩まずに軽く流すように!

9. Don’t compromise your integrity!

  自分の価値観、倫理観に反するような行動を要求されたときは、その職場の辞めどきと考えるべし!

10. Don’t drink your own bath water!

  自分の成功に浸り過ぎない。過信せずに、成功できたのは環境のおかげ、周りの人たちのおかげ、運のおかげと考え、絶えず自分に何が足りないかを振り返ること!

 

インテュイットの創始者 スコット・クックの言葉「成長するベンチャーの3条件」より

1.大きな市場。誰もがやっているもの、関わりがあるものを対象にせよ。

2.そこに大きな非効率があり、顧客が不便さ、「痛み」を感じている業界を選べ。

3.その不便さを解消できる、新しいソリューションを提供せよ。

 

プランド・ハップンスタンス(計画された偶然性)理論について

キャリアは偶然の積み重ねで予期せぬ出来事でできる。だから、予期せぬ出来事をいかにチャンスに結びつけるかが大事。ゴールは生涯にわたって学習する。あるいは毎日をエンジョイすることで、キャリアの意志決定をすることではない、そして必要ならチャンスを作り出す行動をする。

その行動は5つあって、

1. 自分の好奇心をとどめずとことん突き詰める、あるいは自分が身に付けたいスキルが伸ばせる仕事をやること。

2. 持続する。あきらめずにやり続け、学びとること

3. 楽観すること

4. リスクをテイクし、積極的にミスをおかせ

5. 柔軟であり、キャリアを決めつけず、それはあくまで偶発的事象の結果と考えること

つまり、ビジョンが思い浮かばない人は、何かのビジョンに向けて意思決定するのではなく、取りあえず行動を変えてチャンスを作り出せ、ということです。

 

*****

 

他にも、気がつかされること多かったです。

・アクチュアリーも関係するプライベート・エクイティーについて

・個人的には好きなイメージがある、経済学者ミルトン・フリードマンについて

2008年のリーマンショックを踏まえての「あとがき」について

 

これは、次回以降でと思います。

 

失礼しました。m(_ _)m

 

2012年7月28日 (土)

くるまの話

会社の帰りに、Hさん(年齢不詳ですが、中高年の中では大先輩)と少しお茶をしました。

 

その中でくるまの話になりました。

 

お互いに、最近のくるまについてはさっぱり分からないのですが、昔のくるまについて、あれよかったよね、これかっこいいよね、という感じです。

 

くるまは、運転は下手ですが、見るのは好きで、ハイブリッド車が出てくる前のころまでであれば、大体知っていると思っていましたが、年長者であられるHさんの好きなくるまは、聞いたこともないのもありました。

 

ご存知ですか?イギリスのくるまになるのですが、

MG Bまでは、聞いたことがあったような・・・でも、トライアンフは知りませんでした。( ̄◆ ̄;)

ブラジャーのトリンプ?(「デッドライン仕事術」の吉越浩一郎氏は、トリンプで社長をされて、増収増益を重ねられたことは有名ですが)と思ってしまいました。

 

とくにトライアンフのTR31960年)とTR41961年)がいいとのことでしたが、あとでググってみて、確かにかっこいいな、と思いました。

トライアンフの中では、後にも先にも、これが一番かっこいいなと思います。残念ながらトライアンフのくるまは、1980年代以降買収により無くなっています。

そしたら、トライアンフって、バイクもあるんですね。バイク部門はいまもあります。


スティーブ・マックイーンが映画「大脱走」で乗っていたバイクがトライアンフです。

バイクもカッコイイですが、マックイーンもかっこよかったですよね。

やっぱり中高年世代、ちょっと?古かったかもしれませんが、カッコイイものは、いつの時代でもカッコイイと思いました。


Mgb_2
↑MG Bです

Mgb_2_2
↑MG Bです

Tr3
↑トライアンフ TR3です

Tr4
↑トライアンフ TR4です

Images

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トライアンフのバイクにまたがるマックイーン!

カッコイイ!!

ではでは、また

m(_ _)m

2012年7月24日 (火)

Actuarial Mathematics for Life Contingent Risksの書評 を読んで

ア ジャーナル第80号より、読ませていただきました。

正直、ア ジャーナルの内容は、難しいと思うことが多く、なかなか読み通せていないところですが、The Actuaryさんのは、読みやすかったと思います。とても勉強になりました。ありがとうございました!

以前、ブログでも、同様の内容のことを書かれております。ご参考まで。

コチラ『生保数理と金融工学の融合』

http://blog.livedoor.jp/actuaryjp/archives/2362431.html

自分の理解のために、メモをさせていただきます。

「日本でも、企業年金の世界では、単一割引率からイールド・カーブを用いた債務評価が原則的な取り扱いとなった」

「日本のアクチュアリー実務の世界においても、単一割引率からイールド・カーブへのシフト、および新たな保険商品・企業年金が登場している」

ここで復習。忘れないように、すいません。(゚ー゚;

*****

イールド・カーブとは?

・残存年数の異なる金利を線で結んでグラフにしたもの

・右上がりの曲線を順イールド、右下がりの曲線を逆イールドという

・償還までの期間(残存年数)の異なる金利(利回り)を線で結んでグラフにしたものを、イールド・カーブ(利回り曲線)と呼んでいます。縦軸に金利(利回り)、横軸に期間を目盛りにとったグラフです。

・イールド・カーブは、期間の長短が生み出す利回り(金利)と期間の関係を表わす「金利の期間構造(タームストラクチャー)」を分析するのに利用します。 

・将来、金利が上がると予想される場合には、償還までの期間が長いほど、イールド・カーブが描き出す曲線は、右上がりになります。これを順イールドといいます。金利が高くなる前に、長期間の借入れをしようとする人が増えるからです。

・将来、金利が下がると予想される場合には、償還までの期間が長いほど、イールド・カーブが描き出す曲線は、右下がりになります。これを逆イールドといいます。金利が低くなってから、長期間の借入れをしようとする人が増えるからです。

*****

「保証リスク」について

日本においても、「変額保険のリスクマネジメント」の必要性とその重要性について、付言は要しないと思う。その他にも、例えば、企業年金の分野で、保証リスクを吟味すべき制度が日本でも生まれている。その代表例が、金利変動に伴って給付額が変動する「キャッシュバランス・プラン(CBプラン)」である。従来の一定の金利を保証する給付設計に加え、市場インデックス連動型CBプランの導入も可能となった。既存のCBプランの多くは、国債の利回りを基準に設定されている。現在の低金利の環境下においては、保証利回りの下限を設定したとしても、その保証リスクは限定的であるが、一方でこの市場インデックス連動型CBプランが採用された場合、その「保証リスク」のインパクトは「金利リスク」の比ではない。既存の年金数理の枠組みを用いて、企業年金のリスクマネジメントを行うことの妥当性について、再考すべき時期に差し掛かっているのかもしれない。

ここでも復習(;´▽`A``

*****

キャッシュバランスプランとは?         

平成144月より厚生年金基金の加算部分および確定給付企業年金の給付設計において認められた。

キャッシュバランスプランは、給付額の算定方法が予め規約に定められており、算定方法の中で使用する利率に関する部分については、その決定方法が規約に定められていて、実際の利率は国債の利回り等の市場動向に応じて変動するものであり、確定給付型と確定拠出型の両方の特徴を持っている。

年金資産の運用に関して他の確定給付型年金との違いはなく、給付債務に対する運用リスクは企業が負うこととなる。また、退職給付会計上は、予測給付債務(PBO)に基づく会計処理が必要となる。

退職給付債務の計算に使用する割引率とキャッシュバランスプランでの指標に連動性を持たせることで、従来の確定給付型の給付設計に比較し、割引率の変動による退職給付債務・費用認識の変動を抑えることができる。

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変額については、以前、ブログで整理をしていました。

変額年金保険の商品特性

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-f489.html

変額年金保険のリスク対応

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-f608.html

生保数理と金融工学(ファイナンス理論)との融合は、今後もますます重要になってくるように思いました。

また、書籍は日本語に翻訳中とのこと。大事な仕事と思いました。一方で、原文が読めるくらいの英語力が自分にも欲しいな、と思いました。がんばろ~。

ありがとうございました!

m(_ _)m

2012年7月23日 (月)

「ハゲタカ」 真山 仁著 を読んで その3

またまた登場をさせていただきました。

本の中に、次の記載がありました。

主人公のホライズン・キャピタル(投資ファンド)の鷲津社長がもの思いに浸るシーンになります。

         

*****

日本でホライズン・キャピタルを創業して以来、彼らを取り巻く環境は最悪だった。それもこれも原因は、98年に破綻した大手長期信用銀行である長債銀を、2000年に金融庁から安値で買収したリッキーウオーターという得体の知れないファンドのせいだった。

連中のおかげで、日本中で「ハゲタカ」たたきが始まった。

誰もが日本経済が低迷している本質の追求をやめ、本来は死にかけた企業を救済することになるファンドの動きを妨害した。

しかし、その「被害者」づらの向こうにあったのは、日本の経営者達の責任のすりかえだった。彼らは、日本経済の低迷の原因をすべて「ハゲタカ」に押しつけることで、元凶である自分達の放漫経営の責任を回避しようとしていたのだ!

*****

これは、

日本長期信用銀行→新生銀行(平成12/20006月)の想定と思います。

引き受けをしたリッキーウオーターはハゲタカと言われていますが、また「救世主」でもあると思いました。

そして、リッキーウオーターとは、リップルウッドの想定と思います。

ネットの中には、次のような記載もあります。

*****

新生銀行 上場!

新生銀行が、2004219日、東証一部に上場しました。新生銀行の前身は、199810月に破たんし、一時国有化された日本長期信用銀行。日本長期信用銀行は、リップルウッド・ホールディングス(米国)を中心とする外資系ファンドに営業譲渡され、20003月に新生銀行として再スタートしています。

一時国有化された銀行の再上場は、今回が初めてのケース。外資ファンドの損得勘定は?

リップルウッド・ホールディングスを中心とする外資ファンドが持つ発行済み普通株式は、135,000万株強。今回の上場に伴う売り出しは、その3分の1。今回の上場により、外資ファンドは手数料等を除き約2,200億円の売却収入を得、残りの3分の2の株式にも多額の含み益が発生したことに…。

これに対し外資ファンドの投資額は、営業譲渡時に預金保険機構から旧長銀株式を買い取った代金10億円と、資本増強のために実施した第三者割当増資1,200億円の計1,210億円。

リップルウッド・ホールディングス等は、普通株式の3分の2を保有し経営権を維持していきますが、今回の売り出しだけで十分に投資コストを回収できた計算になります。

外資ファンドが巨額の利益を得ることに対する批判もありますが、日本企業も旧長銀を買おうと思えば買えた状況下で、外資ファンドはリスクをとって、その分のリターンを得たということです。

1998年に特別公的管理下に置かれ上場廃止となり、2000年に外資ファンドへの譲渡により公的管理が終了、民間銀行として再スタートした新生銀行は、5年強で再上場を果たしたことになります。

*****

銀行再生の一つのビジネスモデルとなる一方で、公的資金の投入額約78,000億円は、税金により負担されており、旧経営陣の責任は重いと思います。

AIJ2000億円と比べてもすごい金額です。

さらに、「ハゲタカ」の中には、次の記載がありました。

*****

・・・プライベート・エクイティ(PE)と呼ばれる投資ファンドの研究をしていて、今後日本の経済再生には、PEを活用した企業再生ビジネスが、日本でも脚光を浴びると感じたからだ。

これからの日本の再生の鍵は銀行ではなく、投資のプロと再生のプロが一体となった企業再生にかかっている。

日本の銀行の悪口になるけれど、日本の銀行の投資というものは何の目的もない。不動産があれば、いくらでも金を貸す。逆に不良債権が増え始めると、今度は一気に金を返済しろっという。そこには、融資や投資というものが持つ本質はゼロだ。でも企業再生ファンドの場合、金を投資するためには該当する企業を徹底的に調べて、投資に見合うリターンが得られるかどうかを判断してから投資をするそうだ。

(中略)

日本では投資ファンドと言われているプライベート・エクイティは、3年から5年で投資した額の年利10%程度をリターンしていく。つまり、最初から復活する可能性のあるところにしか金を落とさない。古今東西、金を出しただけで企業が再生出来た例など一つも無い。・・・

*****

注目したい「リップルウッド」について、岩瀬さんの上司であられた言葉を見つけましたが、”大事な言葉”、”大切な言葉”と思いました。

少し記載をさせていただき、覚えておきたいと思います。

「勝負事で一番大切なことは“観察力”だ」

一見なんということもない短い記事の内容を、違う業界に当てはめてみたり、違う場面に当てはめてみたり、違う人物に当てはめてみたり、より一般的な教訓におきかえてみたりと。

漫然とニュース記事を追っているだけの人と、感受性を研ぎ澄ませて、何気ない記事から多くのメッセージを読み取っている人では、ビジネスパーソンとしての底力の点でどれだけ大きな差がつくことだろうか。

ほかにも・・・

             never, never, never give up。もうだめだと思ったところから、勝負ははじまる。

             早咲きした人で、晩年まで成功し続けた人は少ない。人生のピークは、むしろあとの方に持っていけた方がいい。

             大切な人には、手書きでお礼状を書く。

             大事なミーティングの前には、自分が話したいポイントを手帳にメモって整理しておく。

             実務家であり、同時に学者たれ。論文なり本を書いておくと、あとあと役立つ。

             相手が目上の人であっても、自分が正しいと信じることは恐れずに主張する。

             大きな流れを読んで、我慢して、人と逆張せよ。

             失意泰然 得意淡然 

物事がうまくいかなくても、あせらず、どっしり構える。うまくいっているときは、おごらず、つつましくする。

(岩瀬さんの過去のブログより)

http://totodaisuke.weblogs.jp/blog/2008/10/post-3c8a.html

先日、何気なく入ったブックオフで、僅か数分の後に「金融資本主義を超えて」(岩瀬大輔著)が目の前に現れたのでした。これは運命?と思い早速購入。

今度感想を書きたいと思います。

ありがとうございました。

m(_ _)m

2012年7月22日 (日)

つぶやき!?

ちょっと気取って音楽を聴きながら勉強を・・・(”気取って”勉強している場合ではない!?)

GReeeeN、「キセキ」、「遥か」もグッとくる曲でしたが、思わず元気に、そして笑顔になれる曲がありました。ご存知とは思いますが、お気に入りとしてブログにつけておきたいと思います。

GReeeeN ワイはワイワイでイイワイ~おまえワィ~ 

http://www.youtube.com/watch?v=pBBav8uZy3g&feature=related

「地球号」もグッド!

http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=n-uQDIpUXT8&NR=1

また、これは、NED-WLTさんが以前紹介をされていた、スカッとする動画です。とくに、1:352:15の部分です!

<http://www.youtube.com/watch?v=Afpc_EcohcY&feature=youtu.be>

それにしても、本腰いれた勉強もしないとナ~・・・・でも、図書館へ行ってみたりと、少しまとまった時間はつくれる様になってきています。今を大事に!


今年は夏休み(まとまった連続休暇)も取得するぞ~!(ホントか~!)

ではでは。m(_ _)m

2012年7月14日 (土)

国民年金と厚生年金、「永久均衡方式」と「有限均衡方式」とどちらがいいの?

前回の「事前積立方式」と「賦課方式」では、どちらがいいの?では、

「賦課方式」に近く、段階保険料方式による一部積立となるハイブリッド方式でした。

では、一部積立をどの程度とすると良いのでしょうか?

太田氏の言われている「ハイブリッド方式」は、その本の中で、すでに現在の「有限均衡方式」程度と、述べられていますが、果たしてホントにその程度でよいのか?ということになります。

*******

年金財政計算の目的は、長期的な給付と負担の均衡を検証することです。

この均衡の確保については、現時点から、将来にわたるすべての期間について均衡を図る必要があるかどうかという点で、「永久均衡方式」と「有限均衡方式」との2つの考え方があります。

<永久均衡方式>[P1]

「永久均衡方式」とは、現時点で将来にわたるすべての期間について給付と負担の均衡の確保を図ろうとするもので、現在のように将来の高齢化率が高い見通しとなっている状況のもとでは、運用収入を活用するために、積立金を将来にわたって一定の水準に維持しておくことが必要となります。(平成16年の財政再計算における計算では、100年後に給付費の67倍分の積立金が必要となります。)

平成16年の年金制度改正時において、厚生年金保険の最終保険料率は平成16年改正前の13.58%から22.8%へ引き上げが必要、国民年金の保険料では、13,300円から20,700円に引き上げが必要なレベルとなります。

現在は、厚生年金保険は平成29年(2017年)まで引き上げられ、最終保険料率は平成29年(2017年)までに18.3%とする。国民年金は平成29年(2017年)まで引き上げられ、最終的には16,900円とする。

ここまで高くなってくると、あんまり変わらないとも思えるナ~・・・・・

                                                                               

<有限均衡方式>[P2]

有限均衡方式とは、常に人の一生程度の期間(100年程度)について給付と負担の均衡を図ることを考え、時間の経過とともにその均衡を考える期間を先に移動させて、結果として永久に均衡を図ろうとするものです。この場合には、「財政均衡期間」の最終年度において、「支払準備金程度」となるように、積立金の水準を維持しておけばよいことになります。

この2つの考え方の違いは、世代間扶養を基本とする公的年金制度の財政を考える際に、現時点でどの世代までを見通して財政運営を行おうとするかの違いとして現れてきます。つまり、「永久均衡方式」では、これから生まれてくる世代を含めて、一定の見通しのもとに財政運営を行おうとするのに対して、「有限均衡方式」では、すでに生まれている世代について、一定の見通しのもとに財政運営を行い、この見通しの期間を徐々に移動させていくこととなります。

平成16年の年金制度改正では、「有限均衡方式」が導入。それまでの、「永久均衡方式」からの転換となっています。

主な理由としては、[k3]

それまでの「永久均衡方式」では、公的年金制度は、将来にわたり永続する制度であるとの考えのもと、将来にわたるすべての期間を視野に入れる必要があるが、遠い将来においては、予想できないような事態が起こることを否定できないこと、また、我が国の人口構成の下では、巨額の積立金を保有する必要があることとなるが、大きな積立金を持ちつつ、「マクロ経済スライド」という財政調整(給付の抑制)を行うことについて、国民の理解が得られるかといった問題がある、と言われている。

積立金の活用/積立金水準の抑制[P4]

これまでは、財政計算に際して、「永久均衡方式」によって、将来にわたるすべての期間について、給付と負担の均衡を図ることが考えられてきました。その結果、将来の高齢化率が高い見通しとなっている場合には、運用収入を活用するため、積立金水準は将来にわたって一定の水準を維持することが必要とならざるを得ません。

これに対して、「有限均衡方式」の場合、現時点での財政計算において、給付と負担の均衡を図るべき期間として、すでに生まれている世代が概ね年金受給を終えるまでの期間、つまり100年程度(平成16年財政計算では95年)の期間を設定し、この期間について給付と負担の均衡を図ることになります。

その結果、積立金水準の目標は、財政均衡期間の最終年度において、「支払準備金程度」の保有となるように設定すればよいことになります。

今後の財政計算では、遠い将来においては、現時点では予測することができないような大きな変化が生じることも否定できないことを考慮し、将来に向けて積立金水準を抑制していくことを基本に考えて、最終年度における積立金水準を給付費の1年分程度とする「有限均衡方式」により行われることになっています。

そこで、2040年度頃をピークに積立金が減少し続けている。[P5]

これは、「積立金を活用して、後世代の給付に充てると共に、負担を大きくしない」という財政方式を取り入れているため、財政均衡期間の後半では、積立金を取り崩していくから。

今後の財政検証で、どのような状態になれば制度の見直しが行われることになっているか、また、その見直しの内容はどのようなものか[k6]

・ある時点の財政検証で、その次の財政検証までに所得代替率が50%を下回ると見込まれる場合に、制度の見直しが行われる。

・見直しの内容としては、給付水準調整(マクロ経済スライド)の終了や、その他の措置を講ずるとともに、「給付及び負担の在り方」について検討を行い、所要の措置を講じることとなっている。(改正法附則第2条)

・具体的には、次のような見直しが考えられる。「所得代替率の下限」、「年金支給開始年齢」、「保険料水準」。

永久均衡方式と有限均衡方式のどちらが望ましいのか[k7]

有限均衡方式について

・将来の加入者数について、将来人口推計がおおむね100年間のため、ほぼ推計できる

・均衡期間中に加入していても、均衡期間後に支給される給付については、財源の担保はされていない。つまり、均衡期間の末期の加入者に関しては、保険料収入は経常されているが、給付は計上されていない。

・現在の見通しのような収支の状況が均衡期間終了後も続くとした場合、財政検証のたびに、「マクロ経済スライド」の適用される均衡期間の延長などが行われ、長期的には永久均衡方式下の状況に近づいていくこととなる。これは、必要となる「抜本策」の導入を先延ばしともいえる。

・有限均衡方式が繰り返されていくと、制度全体の姿は、給付と負担の最終的な姿は永久均衡方式に近づいていくと考えられる。その際には、各回の均衡期間中の保険料の引き上げと給付の削減が少ない分、積立金の積立レベルが低いまま推移し、結局の負担は多くなることがあり得る。

・政治的な安定性を求めるとすると有限均衡方式が適切である。

永久均衡方式について

・将来の加入者数について、100年以降の期間について大きな仮定を置く必要があり、不確実性が増す。

・将来の収入と支出が均衡・完結している。

・現在の保険料水準から考えて、段階保険料方式とならざるを得ないが、その上限までの負担可能性、引き上げの担保が不明である。

・大きな積立金を持たざるを得ない。そのため、経済変動の影響を受けやすくなる。

まとめ[k8]

政治という場で、議論・意思決定がされる公的年金では、将来の制度について極力あらかじめ決めておくことが望ましい。前回(H16)の財政再計算から保険料(率)水準を固定しているが、政治的な安定性や、巨額の積立金を運用するというリスク、国民の理解を得る困難性、さらには、制度改正当時の政治情勢から考えると、「有限均衡方式」の導入は適当であったと考えられる。

ただし、財政検証毎に作成される将来の見通しが、将来行われる財政検証毎にどう変化していくかについての説明を加える必要がある。

なお、企業年金では、事前積立の下、早期の積立てが推奨されており、また、過去勤務債務の償却は一定期間で行うように定められている。これは、強制適用であり、国家が存続し続ける限り制度が続くとする公的年金と、栄枯盛衰がある産業や企業に依存している企業年金との性格の違いと理解すべきであろう。

「有限均衡方式」なんだろうな、と思いつつ、平成26年の財政検証時において、上記赤字のことが起こらないとよいのですが・・・

平成21年財政検証結果レポートの「今回の財政検証における経済前提の設定の基本的考え方」に次の記載がありました。

長期的な経済前提については、過去の実績を基礎としつつ・・・・(略)。この長期的な経済状況については、平成202008)年度後半以降の日本経済及び世界経済の金融危機に起因する混乱を脱した後(2008915日のリーマン(AIG)ショックのことだと思います)、再び安定的な成長軌道に復帰することを想定した上で、その段階での平均的な姿を見通したものとなっている。ということで、一応、リーマンショックは考慮されているように書かれていますが、用いられている過去の実績は、平成192007)年度末までであり、どうしても後から付け加えたガード文言のように、申し訳ありませんが思えてしまいます。

リーマンショック前であれば、以前「金利の動向で思うこと」で書いたりもしましたが、ゴールデンクロスが2006年から2007年にかけて起きており、2008年リーマンショック発生まで、上昇機運がありました。 ↓「金利の動向で思うこと」

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-d752.html

何度も申し訳ありませんが、その流れのままの「経済前提」に思えてしまいました。

実際は、リーマンショック以降、2009年から2010年にかけてデッドクロスが起きており、今日まで金利は下降傾向となっており、上述の赤字部分が、「平成26年財政検証結果レポート」で起こる可能性は十分にあるのではないでしょうか?

また、その場合には、まず「マクロ経済スライド」の終了とありますが、実際には、これまで一度もスライド調整が行われておりませんから、始まってもいない状況となります。そこで、保険料を上げるのか?年金額を下げるのか?年金開始年齢を上げるのか? これらをベースにした対応策を検討していくことになるのですね。

最後に、Greeen 「希望の光」で締めましょう!

http://www.youtube.com/watch?v=2rLraPLoBpI&feature=endscreen&NR=1

失礼いたしました。

m(_ _)m


[P1]年金制度改正の解説(H16P18

[P2]年金制度改正の解説(H16P19

[k3]H21 年金23Aより

[P4]年金制度改正の解説(H16P19

[P5]H21 年金23Aより

[k6]H21 年金23Aより

[k7]H21 年金23Aより

[k8]H21 年金23Aより

「厚生年金制度の財政状況をどのように評価するか」について

「事前積立方式」による財政評価と「賦課方式」による財政評価の相違点を明らかにしたうえで所見を述べよ・・・・・なるほど。 

論点例

・厚生年金制度で用いられている財政方式について

・事前積立方式によって財政評価を行うことの是非、必要性

・過去期間分の給付を将来の保険料で賄うことについて、どのように考えるか

・将来の保険料収入の確実性(世代間扶助のコンセンサス、負担能力など)

・後発債務発生の可能性と対応能力

 

賦課方式[P1] 

「賦課方式」とは、年金給付に必要な費用を、その都度、被保険者(加入者)からの保険料で賄っていく財政方式である。

保険料(率)は受給者と被保険者(加入者)の人数比に依存するので、将来に向けて、受給者数や被保険者(加入者)数が変化していけば、その影響をそのまま受けることとなる。従って、わが国のように少子高齢化が進行すれば、人口構成の変化に伴い、保険料(率)は上昇することとなる。

一方、賃金や物価の上昇に対応して年金額を改定した場合には、保険料収入も賃金の上昇に従って大きくなるという意味で、保険料(率)はあまり影響を受けないこととなる。また、積立金を保有していないことから、金利変動があったとしても保険料(率)は影響を受けない。

「賦課方式」の場合、制度発足当初は、一般的に、受給者数の被保険者(加入者)数に対する比率が小さいことから低い保険料(率)ですむものの、時間の経過とともに年金給付費は増加し、保険料(率)もそれにあわせて引き上げていくこととなる。さらに、実際には、制度発足当初において高い年齢で制度に加入した者については少額の保険料負担で一定水準の年金給付を支給することが多いことから、生涯を通じた平均的な給付額と保険料負担額の比率については、世代によって差が生じることとなる。

 

積立方式[P2] 

「積立方式」とは、将来の年金給付に必要な原資をあらかじめ保険料で積み立てていく財政方式である。「積立方式」の場合、将来、受給者・被保険者(加入者)の年齢構成や利回り等が見通しどおりに推移する限り、人口の高齢化が進んでも保険料(率)を変更する必要は生じない。

最終的には、年金給付を保険料と積立金からの運用収入により賄う仕組みであり、保険料(率)は実質利回り(利回りと年金改定率の差)に依存する。このことから、将来に向けて、予想していた以上に賃金や物価が上昇し、それに伴い年金額が改定された場合でも、その上昇に見合った利回りの上昇があれば、保険料(率)はあまり影響を受けないこととなる。

もっとも、利回りの上昇が賃金や物価の上昇に及ばない場合には、その差から積立不足が生じ、この不足分については、例えば、それ以降の被保険者(加入者)が保険料により負担することとなる。

年金給付費は、一般的に、制度発足後、時間の経過とともに増加するが、積立方式の場合、制度発足当初から将来の給付に見合った水準の保険料(率)としていることから、当初の保険料(率)は「賦課方式」の場合よりも高いが、見通しどおりに推移すれば保険料(率)を引き上げていく必要はなく、最終的には、積立金から運用収入の分だけ保険料(率)は「賦課方式」の場合よりも低くなることとなる。

また、生涯を通じた平均的な給付額と保険料負担額の比率が、世代により大きく異なることは無い。

 

                             
 

 

 
 

賦課方式

 
 

積立方式

 
 

考え方

 
 

年金給付に必要な費用をその時々の現役加入者からの保険料で賄う方式

 
 

将来の年金給付に必要な原資を保険料であらかじめ積み立てていく方式

 
 

保険料

 
 

保険料は基本的に年金受給者と現役加入者の比率により決まるため、人口構成の変動の影響を受けやすい(金利変動の影響は受け難い)

 
 

保険料は基本的に積立金の運用益により決まるため、金利変動の影響を受けやすい(人口構成の変動の影響は受け難い)

 
 

経済変動への対応

 
 

想定を超えたインフレ、賃金上昇があった場合には、その時点での現役加入者の保険料の負担により実質的に価値のある年金を支給

 
 

想定を超えたインフレ、賃金上昇があった場合には、現役加入者に保険料の追加負担を求めない限り、実質的に価値のある年金の支給は困難

 
 

加入者の保険料の使途

 
 

その時々の高齢世代の年金給付費

 
 

自らの世代の将来の年金給付費

 

注意1

賦課方式を積立方式に切り替える場合には、切替時の現役世代が自らの将来の年金積み立てに加えて、別途の形でその時の受給世代等の年金を重ねて負担しなければならなくなるという「二重の負担の問題」が生じ、これをどう対応していくかが問題となる。

注意2

先進諸国では賦課方式を採用(スウエーデンでは一部積立方式)

 

段階保険料方式について[k3] 

厚生年金及び国民年金においては、保険料水準を将来に向けて、段階的に引き上げていくこととしている。このように、保険料水準を将来に向けて段階的に引き上げていくことをあらかじめ想定して将来見通しを作成し、財政運営を行う財政方式のことを段階保険料方式という。

平成16年年金制度改正では、保険料水準を段階的に引き上げて、平成292017)年度以降、一定の水準で固定し、給付水準を自動調整するという保険料固定方式がとられたが、この財政方式についても、保険料水準の引き上げをあらかじめ想定し財政運営を行うという観点からは、段階保険料方式の一形態と考えることができる。

厚生年金、国民年金は、現在の積立金の水準からみれば「賦課方式」を基本とした方式であり、また、平成16年年金制度改正では、100年後の積立金の支出の1年分とする財政方式が取られたことから、今後も積立金水準からみると、「賦課方式」を基本とした財政方式といえる。

 

段階保険料方式と後代負担[k4] 

厚生年金、国民年金は、制度発足当初は、平準保険料方式により計算された保険料(率)が設定されていた。

厚生年金については、昭和23年(1948)年、急激なインフレのなかで、インフレによる積立金の目減りや負担能力などを考慮し、平準保険料率よりも低い暫定的な保険料率が設定され、賦課方式に近い保険料水準に引き下げられた。

また、厚生年金、国民年金は、制度発足後の制度改正、とくに、昭和48年改正で物価スライド・賃金再評価が導入されたことにより、大幅な給付改善がおこなわれたが、給付改善により新たに発生した費用は、後代負担により賄うこととされた。

ここで、過去の保険料水準が低かった理由として負担能力との関係が取り上げられるが、過去の負担能力を考える上で、当時の経済状況や生活水準を考慮することは当然であるが、その他、私的扶養との関係についても考慮する必要がある。

年金制度発足当初の現役世代は、親世代は、公的年金を受給していないか、受給していてもわずかな金額である。このような状況では、現役世代は、親世代を私的に扶養する必要があり、私的に親を扶養しながら、公的年金の保険料をまるまる納める必要が生じることとなる。

賦課方式的な考え方では、親世代が受け取る年金に相当する分しか、保険料を払う必要はないことから「負担の重複」という問題は生じないが、積立方式的な考え方では、私的に親を扶養しながら自分の老後のための保険料を拠出することとなり、私的扶養も含めて考えると負担の重複が発生することとなる。

すなわち、親世代が十分な年金を受給できない制度成熟期間中においては、私的扶養との関係から、負担能力が低下することとなることに留意して考える必要がある。

 

給付と財源の内訳(バランスシート)[k5] 

国民年金・厚生年金の給付と財源の内訳

 

厚生年金、国民年金を積立方式に切り替えたとした場合におけるいわゆる「二重の負担」について

過去期間にかかる給付(厚生年金830兆円、国民年金120兆円)

・過去期間に係る国庫負担(厚生年金190兆円、国民年金60兆円)

・現在保有する積立金(厚生年金140兆円、国民年金10兆円)

そこで二重の負担の額(厚生年金500兆円、国民年金50兆円)となる。

 

シンガポール[P6] 

世界で唯一、積立方式の公的年金制度が機能している国。

独立後の1955年頃は賦課方式を検討したが、当時は国力が弱く、採用し続けることができなかった。そこで、給与の3040%というかなりの金額を保険料として強制的に貯蓄をさせてきたのだ。医療も介護も、公的な助け合い方式が採用できなかったため、年金同様、強制貯蓄方式を採っている。

しかし、この制度がスタートした時にすでに中高年だった高齢者世代に対する生活保障は極めて脆弱である。それは年金を積み立てる期間が少なかったからだ。

そこで、華人系の多いシンガポールではもともと家族内での親子の助け合い文化があったのを利用し、「親子扶養法」を導入、子供の強制貯蓄口座から親の生活支援を行うようにしたのだ。シンガポールでは社会的な世代間の助け合いはないが、家族内の世代間助け合い方式、つまり、実質的な家庭内賦課方式になっているのだ。   ※「大貧困社会」 著者駒村康平氏より

つまり、世界中探しても、純粋な積立方式の国は無いということを言われているようですネ!

 

積立方式移行の戦略[P7] 

「年金は本当にもらえるのか」の著者 鈴木亘氏の持論となります。

1. 基礎年金分は税方式化して、目的消費税化する

2. よって、保険料や年金支払は厚生年金の所得比例分に絞られる。現在、厚生年金の所得比例分の支払は、年間約20兆円。この20兆円を、国はどこからか調達してこなければなりません。これは、年金受給者が亡くなった後に発生する相続資産の中から、相続税として徴収すること。カナダで行われている「クローバック制度」と同様とのこと。

3. 存命中のときでも、貯蓄や資産が豊富にある高所得の年金受給者からは、固定資産税の一部を、年金目的税として課税する。

・それでも税収は20兆円に達しないため、当面は年金目的の赤字国債を発行する。これは、上記23の継続により、時間をかけて解消していく。

 

数値がもう少し具体的(具体的なのは、「20兆円」という所にのみのように思います)であれば、よいかもと思いました。そうしていただけると、より現実感が出てくるように思います。

 

「積立方式」はダメである[P8] 

「いま、知らないと絶対損する年金5050答」の著者 太田啓之氏の意見となります。

第1の理由は、「二重の負担」問題です。仮にある年から賦課方式を積立方式に切り替えるとすれば、その時点の現役世代は「今生きているお年寄りの年金を支えるための保険料」と「将来自分自身を養うために積み立てる保険料」の両方を同時に支払わなければなりません。この「二重の負担」額は厚生年金と国民年金合わせて550兆円にも達します。年間の国民年金と厚生年金の保険料収入は合計24兆円(09年度)ですから、およそ23年分にも相当する金額です。現役世代がこうした負担を背負うことの合意を得ることは、極めて困難でしょう。

第2の理由は、積立方式が「すでに各国で試みられ、失敗した形式である」ということです。

「現役時代にためたお金の価値を死ぬまで維持する」というのは、実は想像以上に難しいのです。保険料を支払い始めてから死ぬまでには60年、70年と言う時間が経過します。これだけ長期のスパンでみれば、リーマンショックのような経済の落ち込みによる運用失敗のリスクや、急激なインフレのリスクは非常に高まります。

日本がずっと積立方式で年金を運営してきたとしよう。その場合、現時点での積立金の額は国民年金、厚生年金合わせてざっと950兆円になる。(実際の積立金の額のおよそ7倍)

実際の積立金の運用先は、基本的に国債67%、国内株式11%、外国債8%、外国株式9%となっている。これをそのまま当てはめるとすれば、950兆円のうち、104兆円を国内株式で運用することになる。

ところで20111月末時点の国内株式の時価総額は、314兆円。国内株式の3分の1は年金積立金の資産、ということになる。

年金積立金の動向自体が、株式市場を大きく左右してしまう。例えば積立金で株を買いますと、それをやっている最中に株価の全体水準が上がってしまうだろう。逆に売ろうとすると、株価の水準が下がってしまう。ヘッジファンド(ヘッジファンドの規模は大きくても数千億円程度)のように安値の時に買って、高値の時に売り抜けて儲ける、なんて小回りのきく運用はとてもできないだろう。

国債でも同じこと。950兆円の積立金の67%で国債を買おうとなると、国債の発行残高753兆円(2010年末現在)の大半が年金積立金の資産となる。

買っている時はまだいいかもしれないが、年金の支払いに充てるために売り始めると、国債が市場でだぶついてしまって国債の利回りを大幅に引き上げないと、誰も買い手がつかなくなるだろうね。国債の資産価値は暴落するだろうし、元本や利回りの支払いのため税金を引き上げざるを得なくなり、現役世代の生活はどんどん厳しくなるだろう。

~そこで、太田氏は、現在の「ハイブリッド方式」をベースに考えられています~

「年金のハイブリッド方式」とは[P9] 

日本の公的年金は少子化、高齢化に対応するため、計算上は2070年ごろから積立金を本格的に取り崩し、2105年時点では給付1年分の積立金だけを保有することになっています。こうした「ハイブリッド方式」は最近、欧州の年金でも多く取り入れられるようになってきました。こうした限定的な積立金導入であれば、「二重の負担」問題も生じません。「世代間の仕送りである賦課方式を基本とする」という原則は変わりませんが、少子化、高齢化という先進国共通の問題に対応するため、積立方式を部分的に取り入れることで、年金財政を安定させようとしているのです。

公的年金の最大の使命は「高齢者に、生活の柱となるだけの水準の収入をいかに保証するか」ということにあるのであり、「世代間の格差是正」というのは、「その使命を果たした上で、どれだけ格差を縮められるか」と言う観点から論じるべきことである。

しかし、

「高齢者でも所得や資産が豊かな人は、同じ世代の、生活が苦しい人を支える側に回ってもらう」

65歳以上世帯の4割以上が年間所得200万円未満である一方で、年間所得が1000万円を超える世帯も2.6%います。高齢者世帯の4分の1以上の世帯が3千万円以上の貯蓄をしているのに対し、貯蓄の総額が500万円に満たない世帯も2割に達しています。

また、相続税を強化することは「裕福な家に生まれた子供は手厚い教育を受け、将来も高収入を得られる可能性が高まる」と言う格差の拡大再生産を防ぐという点でも有効です。税収の増加分を年金だけでなく、公教育の充実や奨学金の充実など「子どもが教育を受ける機会の平等を確保する」方向へと振り向けることも可能でしょう。

 

賦課方式に近いのだけれども、段階保険料方式による一部積立となるハイブリッド方式が望ましいように思っています。

また、これは、「永久均衡方式と有限均衡方式」に繋がっていくのだと思います。 

 

それにしても、なかなか自分としての所見が乏しいのは寂しい・・・(;´д`)トホホ…

がんばろ~

 


[P1]「H21 財政検証 P119

[P2]「H21 財政検証」 P120

[k3]「H21 財政検証 P125

[k4]「H21 財政検証」 P126

平成23年度年金2_3A/類題H9

[k5]「H21 財政検証」P348、H16 3A

[P6]「大貧困社会」P107

[P7]「年金は本当にもらえるのか?」P208

[P8]「年金5050答」P144

[P9]「年金5050答」P150

2012年7月11日 (水)

「ハゲタカ」 真山 仁著 を読んで その2

ちょっと間が空いてしまいましたが、唯川恵氏の「終の季節」を読んでいて想い出しました。

「終の季節」は1998年に書かれ、「ハゲタカ」は1990年代~2004年の日本経済を舞台に2004年に書かれています。

 

「ハゲタカ」が活躍した時期は、企業の倒産、合併が数多くあった時期となります。

 

それでも・・・

 

「わかりやすい企業年金」 久保知行著より

企業が厳しい状況に追い込まれれば、コスト削減にあらゆる手立てを尽くす必要があります。しかし、最も優良な工場や優秀な機械を手放すのは最後でなければならないように、企業を究極的に支える従業員へのしわ寄せは最後であるべきです。ヒトに手をつけるのなら、経営者自身、自ら進退を考えるべきです。この気概を重視して、トヨタ自動車の会長で日本経団連会長の奥田氏は、かつて「リストラする経営者は腹を切れ!」と発言されました。

 

「サウスウエスト航空の基本理念」より

いちばん大切なのは「従業員」だ。あなたが従業員に接する態度は、そのまま従業員が顧客に接する態度になる。従業員が第一、従業員を守れ、顧客がいつも正しいとは限らない!

 

「ビジョナリーカンパニー-飛躍の法則②」 ジェームズ・C・コリンズ著

5水準の飛躍を導いた指導者は、人事の決定に厳格であって冷酷ではない。業績向上の主な戦略としてレイオフやリストラを使うことは無い!

合併と買収は、飛躍をもたらす点でほとんど何の役割も果たしていなかった。凡庸な大企業が合併しても、偉大な企業になることはない!

 

ということは・・・

 

ルイスガースナー氏はIBMの立て直しにおいて、“大リストラ”を敢行されていますが、第5水準の経営者ではないということですね。

さらに、初芝五洋ホールディングスの島耕作社長もそうです。残念ながら第5水準の経営者ではないということですね。ざんねん。あっ、これは漫画でした。失礼しました。

 

「合併」の目的の一つには、規模の経済(スケールメリット)を出してユニットコストを引き下げることがあります。そこに人員の削減が入ったりするようです。

一方で、ジェームズ・C・コリンズ氏は、偉大な実績に飛躍した企業で買収をしている場合の目的は、「情熱をもって取り組めるもの」、「経済的原動力となるもの」、「自社が世界一になれる部分」の共通項が弾み車の如く効果を出している時に行っているそうです。

日本の企業合併は、どれになるのでしょうか?後者を例とした合併は聴いたことがないように思っています。いかがでしょうか。

 

銀行再編図

 

太陽神戸銀行+三井銀行=太陽神戸三井銀行・・・平成2/19904

太陽神戸三井銀行さくら銀行(社名変更)・・・平成4/19924

 

さくら銀行+住友銀行=三井住友銀行・・・平成13/20014

 

協和銀行+埼玉銀行=協和埼玉銀行・・・平成3/19914

協和埼玉あさひ銀行(変更)・・・平成4/19929

あさひ銀行+大和銀行=りそな銀行・・・平成15/20033

 

三菱銀行+東京銀行=東京三菱銀行・・・平成8/19964

三和銀行+東海銀行+東洋信託銀行=UFJ銀行・・・平成14/20021

東京三菱銀行+UFJ銀行=三菱東京UFJ銀行・・・平成18/20061

 

日本興業銀行+富士銀行+第一勧業銀行=みずほ銀行・・・平成14/20024

日本長期信用銀行新生銀行(破綻後外資が買収)・・・平成12/20006

日本債券信用銀行あおぞら銀行・・・平成13/20011

 

北海道拓殖銀行(平成9/199711月)業務破綻・都市銀行としては戦後初、かつ現在唯一の破綻銀行である。北洋銀行、三井住友信託銀行へ事業譲渡。

 

上記は都市銀行系を中心に書いています。最近は都市銀行系での合併等は無いようですが、信託銀行系ではつい最近、今年4月に三井住友信託(住友信託と三井中央信託と三井中央信託アセット)の合併が行われています。

 

生命保険再編図

 

                                                       
 

年月

 
 

生命保険の破綻と合併について

 
 

1997/4

 
 

日産生命業務停止命令(戦後初の生保破綻)→2004/11 プルデンシャル生命吸収

 
 

1999/6

 
 

東邦生命に業務停止命令→2000/3 GEエジソン生命へ包括移転

 
 

2000/5

 
 

第百生命に業務停止命令→2001/4 マニュライフ・センチュリー生命に包括移転

 
 

2000/8

 
 

大正生命に業務停止命令→あざみ生命(旧大和生命)へ包括移転

 
 

2000/10

 
 

千代田生命が更生特例法の適用を申請→2001/4 AIGスター生命で再出発

 

協栄生命が更生特例法の適用を申請→2001/4 ジブラルタ生命で再出発

 
 

2001/3

 
 

東京生命が更生特例法の適用を申請→2001/10   T&Dフィナンシャル生命で再出発

 
 

2002/10

 
 

セゾン生命とGEエジソン生命が合併→GEエジソン生命へ

 
 

2004/1

 
 

GEエジソン生命をAIGが買収→AIGエジソン生命へ

 
 

2004/1

 
 

明治生命と安田生命が合併→明治安田生命へ

 
 

2005/10

 
 

アクサニチダン生命とアクサグループライフ生命が合併→アクサ生命へ

 
 

2007/6

 
 

ウィンタートウル・スイス生命をアクサジャパンが買収→アクサフィナンシャル生命へ

 
 

2008/10

 
 

大和生命が更生特例法の適用を申請→2009/4 プルデンシャルファイナンシャル生命で再出発

 
 

2012/1

 
 

AIGエジソン生命、ジブラルタ生命、AIGスター生命が合併→ジブラルタ生命へ

 

 

生命保険でも、今年まで、合併が行われています。

 

「ハゲタカ」は投資ファンドです。

投資ファンドへは、年金基金がポートフォリオの一環として、こうしたファンドに投資をしています。

投資ファンドが高い収益を得なければ、年金基金に必要な資金が得られなくなります。

逆に、AIJ投資顧問のような所が出てくるのも困るわけですが・・・

 

すいません。収拾がつかなくなりましたが、とにかく、めげずに前を向いて頑張っていきましょう!

 

失礼しました。m(_ _)m

2012年7月 8日 (日)

「恋する男たち」 1998年(平成10年)週刊朝日より新潮社編 を読んで

マックス・ウェーバー氏の本から、ちょっとソフトな面白本へ。

これは、

「密会」 篠田節子氏、

「彼方へ」 小池真理子氏、

「終の季節」 唯川恵氏、

「マンホールより愛をこめて」 松尾由美氏、

「マジック・フルート」 湯本香樹実氏、

「谷中おぼろ町」 森まゆみ氏、

それぞれが週刊朝日(1998/H10年)に発表された男たちのラブストーリーズを文庫化されたものとなります。

 

自分の世代と似たところを書かれた、唯川恵氏の「終の季節」について、記しておきたいと思います。

 

ここで、昭和30/1955年に書かれた「48歳の抵抗」に出てくる主人公、西村次長48歳と対比してみると興味深かったでした。

 

同じ世代であっても、“43年”と言う歳月を隔てて違うんですね!

 

                                         
 

終の季節(唯川恵氏)

 
 

本の名前

 
 

48歳の抵抗(石川達三氏)

 
 

杉浦次長47

 
 

主人公

 
 

西村次長48

 
 

妻と娘(夏美)一人

 
 

家族構成

 
 

妻(さと子)と娘(理枝)

 
 

中堅商社

 
 

勤める会社

 
 

昭和火災海上

 
 

木材を扱う部署(営業)

 
 

所属部署

 
 

火災部

 
 

会社は3年続けて赤字決算を出していて、格付けもかなり落ちていた。そこで、閑職への左遷人事にあい、資料室の室長へ異動。

 

収入は3分の2程度に落ち込む。

 

その後、さらに自宅待機となり、退職することになります。

 
 

本の中での環境/立場の変化

 
 

会社は安定している状況のようで、とくに会社の経営状況に関する話はなく、逆に安定しているが故に、その安定、秩序に対するささやかな?抵抗をする物語となっています。

 

 

 

確かに、この時代以降、高度経済成長と言われる由縁があるわけですから、よかったと言われる時代と思います。でも、そのツケが次の世代に!?・・・

 
 

それなりに実績を積み上げてきた自負はあったが、会社からは、左遷を言い渡され、そして退職へと追い込まれます。

 

また、かつては、ゴルフだ、出張だと、毎週のように家を空けていたこともあり、結果、離婚。そして、失業保険でのアパート暮らしが始まります。その中で、娘と同じ歳の援助交際をしている父不在のゆかりを父親のつもりで更生させることに一生懸命になります。そして、ゆかりから、「ちゃんと考えて生きるようにする」、「もう心配しないで」、「元気でね」と言ってもらい、最後の一言「また、(携帯へ)電話していい?」と言われて、一人じゃないと救われる気持を得て物語は終わります。

 
 

物語のポイント

 
 

初老と言われる年代を前にして、恋(アバンチュール、不倫、浮気とも言うかもしれません)を求める中高年を描いています。

 

結果としては、娘理枝の駆け落ちによって、それどころではなくなり、また自戒もしていくことになります。

 

西村次長の「抵抗」は「平凡な、小心な」小市民らしく、衛生無害な臆病さで終わるのです。

 

 

どちらも、その時の時代背景を用いて、中高年の“真理”を上手に掴んでいるように思いました。

 

今は2012年、唯川恵氏が書かれた時から、早14年経っています。

さて、今はどうなのでしょうか?

 

いま、重松清氏の2002年に書かれた物語を読んでいます。そこには、

「私も父親だ。たいして優れた父親でなくとも、とにかく息子が一人前になるまでは、会社をリストラされるわけにはいかない。」と言う一文が書かれていました。

 

間違いなく言えるのは、石川達三氏が書かれた時代環境ではないことは確かなこと。今も、まだ唯川恵氏の書かれた時代に近い状況が続いているように思います。

 

体には気をつけて、無理はしないように、中高年世代、がんばっていきましょう!

 

また、社会保障制度でいえば、高齢者を含めた“全世代”が、体には気をつけて、無理はしないように、がんばっていきましょう!

 

『生きているうち 働けるうち 日の暮れぬうち』(相田みつを氏)を想い出しました。

 

ではでは。失礼いたしました。m(_ _)m

2012年7月 7日 (土)

予定利率見直しは確定的!? その3

先月は、s-iwkさんに教えていただきました。ありがとうございました。m(_ _)m

 

今月も73日に、7月の10年国債応募者利回りが 0.836% と出ました。

あと8月、9月の2ヶ月と、いよいよカウントダウンですね。

 

残り2ヶ月で、平均1.196%以上とならなければ、来年4月の予定利率改定です。先月よりも、またハードルが高くなりました。

 

H21 H22 H23

2009 2010 2011

10 1.257% 0.839% 0.995%

11 1.441% 0.968% 1.025%

12 1.246% 1.189% 1.085%

1 1.339% 1.214% 0.965%

2 1.348% 1.236% 0.963%

3 1.329% 1.310% 0.973%

4 1.397% 1.303% 1.007%

5 1.321% 1.128% 0.863%

6 1.283% 1.173% 0.856%

7 1.116% 1.169% 0.836%

8 1.060% 1.043% 1.196%

9 1.049% 1.084% 1.196% 

 

と、あと2ヶ月が平均1.196%以上となれば、

3年間の平均 1.133%となり、

この1.133%が「対象利率」となり、これを用いて以下のステップで「基準利率」を求めてみると、

0%を超え1.0%以下の部分の9 0.900%

1.0%を超え2.0%以下の部分の7.5割  0.100%

2.0%を超え6.0%以下の部分の5割   0.000%

基準利率(①+②+③)      1.000%

現在の予定利率1.5%との乖離  0.499%

 

財務省に掲載されています”日々”の国債金利情報でも、”日々”確実に下がっています・・・

  10

72  0.831%

73  0.819%

74  0.819%

75  0.810%

 

予定利率1%時代の到来でしょうか?( ̄Д ̄;;

「平成26年財政検証結果レポート」(厚生労働省年金局数理課)での“経済前提の設定”はどうなるのでしょうか?( ̄◆ ̄;)

失礼しました。m(_ _)m

2012年7月 1日 (日)

日本の年金の歴史 (改訂)

昨年、ブログにアップをさせていただきましたが、改訂してみました。

前回の記載に、厚生労働省の「H21 財政検証」から追記をしてみました。

青字箇所となります。

 

視点は、前回と同じく、簡単ではありますが、「日本の年金の歴史」を年金一元化、積立方式と賦課方式について、加えて、厚生年金、国民年金とも、設立当初は積立方式であったこと、国民年金の設立により、国民皆年金を(一時的には)確立をしたことを追記しました。

 

******

 

年金は一元化した方が良いと考えていますが、システム開発の視点で言えば、公的年金のシステムは「スパゲッティー状態」を通り越しているのではないかと想像しています。生命保険会社のシステムもレガシーでスパゲッティーなシステムとよく言われていますが、それを遥かに超越しているように感じています。少しのことをするにも大変な状態かもしれません。でも、進めていく必要はあるのですよね。

 

今(20126月)時点では、進めるうえで、システム統合に向けた開発ではなく、「制度間調整措置」のような形で実現を図るほうがよいように思えています。それが、システム開発負担の軽減、障害発生率の抑制にもなると思えているからです。

<http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-396d.html>

 

1-9H21財政検証P86-

                                                                                                                 
 

時期 

 
 

内容

 
 

補足

 
 

M8(1875)

 
 

海軍退隠令制定

 
 

軍人に対する恩給制度

 

「生命保険」はM14の明治生命が最初なので、それよりも早いんですね。

 
 

M17(1884)

 
 

官吏に対する制度制定

 
 

 

 
 

T9(1920)

 
 

現業官庁に対する退職年金制度実施

 
 

 

 
 

T12(1923)

 
 

軍人、官吏、現業官庁職員に対する退職後の所得保障を整備。

 

「恩給法」として制度が統合された。

 
 

つまり、年金制度は「職業別」からスタート。

 

恩給制度は一定期間公務に従事した軍人や官吏に対する恩恵的報酬という制度からスタートした。

 

【大貧困社会P89

 
 

S14(1939)

 
 

船員保険制度導入

 
 

 

 
 

S17(1942).1

 
 

労働者年金保険制度誕生

 

 

 
 

当初は10人以上の労働者を使用する事業所の労働者のみを適用対象(主に工場や鉱山で働く男子労働者を対象とした)

 

その仕組みは「積立方式(平準保険料)」で、給料の約10%(坑内員は20%)の保険料を徴収し、55歳から年金を給付するというものであった。【大貧困社会P90

 
 

S19(1944)

 
 

「労働者年金保険法」は、「厚生年金保険法」という現行法の名称を得た

 
 

5人以上の労働者、職員を使用する事業所に使用される(男女を問わない)労働者、職員を強制適用の対象とした

 

給付水準も改善されたが、それに伴い、保険料率も月収の11%(坑内員は15%)に引き上げられた。

 
 

S23

 
 

戦後の急速なインフレにより、給付の実質価値が大幅に低下してしまった。このため、昭和23年改正において、インフレに対応するため、当時既に支給の始まっていた障害年金について大幅な給付増額がおこなわれた。

 

一方、この改正で、保険料負担については、戦後の混乱期における被保険者と事業主の負担能力を考慮し、保険料率を一般男子・女子の保険料率が3.0%、坑内夫3.5%という「暫定料率」として引き下げられた。

 

当時は平準保険料を念頭において財政運営がなされており、当時計算された平準保険料率は、男子9.4%、女子5.5%、坑内員12.3%であったことから引き下げられた保険料率は暫定的なもとのされた。

 

このように、急速なインフレにより積立金の実質価値が大幅に低下したことと、保険料を大幅に引き下げたことにより、これ以後、厚生年金は、実質的には「賦課方式」を基本とした制度となったと考えることができる。

 

「賦課方式」への幕開け1-15

 
 

S28

 
 

厚生年金の適用は、常時5人以上の従業員を雇用するサービス業を除くすべての業種の事業所を強制適用対象とすることが定められた(建築・医療・通信などの業種にまで拡大された)

 

1-25

 

国庫負担もあり、給付費の15%に引き上げられた(坑内員の国庫負担は20%据え置き)

 
 

S60の改正では、5人未満の事業所でも法人格を有するところは厚生年金の強制適用とされ、また、サービス業であっても法人格を有する事業所も強制適用とされることとなり、今日に至る

 
 

S29.1

 
 

私学共済発足【1-26

 

私立学校教職員共済組合法の施行【1-18

 
 

公務員並みの、あるいはより高い給付水準を求める職域グループが次々と厚生年金を離脱

 
 

S30.1

 
 

市町村職員共済発足【1-26

 
 

S34.1

 
 

農林漁業団体等職員共済組合発足【1-26

 
 

S36.4

 
 

国民年金制度の施行【1-25

 

国民皆年金の確立 

 
 

制度発足当初高齢であった者には、無拠出で老齢年金(老齢福祉年金)が支給された。この制度はS3411月から施行された。

 

国民年金制度も発足当初は平準保険料式による保険料設定がなされたが、その後の運営は厚生年金と同様の経路をたどっている。(賦課方式へ)【1-35

 
 

戦後の復興期を終えた昭和30年代当時、自営業者等は公的年金制度の対象になっていなかったが、高齢化による老後生活への不安や、戦後の家族制度の変革に伴う核家族化の進行などを背景として、全国民に老後の所得保障を与える「国民皆年金」を望む声が次第に高まってきていた。昭和33年には国民健康保険制度ができて「国民皆保険」が実現しており、また当時のいわゆる神武景気のなかで財源捻出がしやすかったことから、既存の公的年金制度に加入していなかった自営業者等を適用対象とした「国民年金制度」が創設され、無拠出制については、昭和34年から、拠出制については昭和36年からそれぞれ実施に移された。

 
 

S40改正

 

 

 

 

 
 

厚生年金は、標準的な老齢年金の月額が1万円となる年金(1万円年金)が実現した。

 

国民年金は2千万人規模の被保険者を抱くまでになり、高齢化の進行に伴う老後の所得保障への国民の関心の高まりから、厚生年金の定額部分が国民年金に相当するとの考え方から、被保険者1人あたりの標準的な年金月額が5千円(夫婦で1万円)となるように給付水準が引き上げられた。

 

国民年金では制度創設当初は「平準保険料」に基づいて保険料を設定していたが、給付水準の大幅な改善による保険料負担の急激な増加を抑えるため、厚生年金と同様、段階的に保険料を引き上げる段階保険料方式を採用することとなった。以後、国民年金の保険料は、経済の発展とそれに伴う給付改善や高齢化の進展に併せ、厚生年金と同様に段階的に引き上げられていくこととなる。また、国民年金の財政方式についても賦課方式的な考え方に移行することとなった。

 

H21 財政検証より】

 
 

しかし、職域ごとに設けられた制度は、産業構造・就業構造の変化に脆弱であったと、昭和60年改正以降、『下降の歴史』がスタートします。

 
 

S61.4 

 
 

船員保険

 

 

 

基礎年金制度の施行

 
 

職務外年金部門は厚生年金に統合【1-28

 

全国民共通の定額制の基礎年金【1-28

 
 

H9

 
 

日本鉄道共済年金

 

日本たばこ共済年金

 

日本電信電話共済年金

 
 

厚生年金に統合【1-29

 
 

H14.4

 
 

農林漁業団体等職員共済組合(農林年金)

 
 

厚生年金に統合【1-29

 
 

現在、厚生年金のほかに「国家公務員共済組合」、「地方公務員共済組合」、「私学共済」が被用者年金として存続しているが、今後一元化に向けてさらに検討が行われていく予定です。

 

以上です。m(_ _)m

 

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