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2012年10月 8日 (月)

「レッドゾーン」(真山 仁著)を読んで その2

この物語の中で、鷲津の敵対的位置におかれている「CIC」について、レッドゾーンで初めて知りました。

 

本の中では、

*****

CIC相手にTOBをまともにやり合えば、勝ち目はありません」(鷲津)

「国家ファンドだからですか?」(アカマ自動車 保阪)

CICだからです」(鷲津)

 

CICの怖さは、経済的合理性を無視した投資を行う点にあります。投資家の目的はハイリターンではありますが、そこには自ずとルールがあります。たとえば買収額は時価総額に将来の期待値を加味した上での限界値が常に存在します。要するに欲しいからと言って、湯水のように資金が使えるわけではありません。」(FA石岡)

「ところが、CICにはそんなルールがありません。極論を言えば、CICの使命は、中国が保有するドルを無駄遣いすることです。なぜなら、下手に大きな利益を上げれば、外貨準備高を増やしてしまうからです。そんなことが続けば、世界中から人民元切り上げの圧力が高まります。それを避けるためには、利益を出してはいけないんです。どうせ捨てるカネなら有効に使え。そういう恐ろしいミッションをCICは課せられているんです。」(FA石岡)

*****

 

このままではよろしくないと思い、「CIC」について、少し調べてみました。

 

調べた中では、年金基金を中心とした「投資ファンド」とは、ファンドは異なるものの、目的(利益を上げること)は同じように思えました~!?

理解不足なのでしょうか???

 

↓↓↓↓↓↓↓

25兆円を運用する中国国家ファンド

「中国投資有限責任公司」(CICChina Investment Corporation

 

 2兆ドル(約165兆円)を超える世界最大の外貨準備を保有する中国。そのうち、3000億ドル(約25兆円)を超える規模を運用する中国の国家ファンドCIC(中国投資有限責任公司)。

 

※中国政府は、外貨を中国元に戻したら国内でハイパーインフレが起きてしまうから、ドルのままで運用する方法を模索していた。そして07年に外貨準備高の20%程度を海外投資に向けると発表した。その時点では、150兆円×0.230兆円(実際に運用原資とされたのは当初2000億ドルだった)。これが世界を驚かせ、怯えさせた中国国家ファンド「中国投資有限責任公司(CIC)」の成り立ちである。その規模は、100兆円と推定されているオイルマネー全体よりは小さいが、サウジアラビア一国が運用する資金に匹敵する。

 

 そのCICを率いるのが、高西慶社長。「中国国家ファンドの動きは、秘密のベールに包まれている」とよく表現される。しかし、そんな神秘性とはほど遠いあけすけさで、高社長は何でも話す。数十兆円を世界中に戦略的に投資する責任者として多忙だが、充実する人生をそのオーラに感じさせる高社長。パワーを全身にみなぎらせている。常に笑顔いっぱいだ。

 

世界最大級の中国国家ファンドCICの高社長、世界最強のプライベートエクイティ(PE)ファンドと言われるカーライル・グループの共同創業者であるデイビッド・ルーベンシュタイン氏、世界最大の投資運用会社ブラックストーンのトニー・ジェームズCOO(最高執行責任者)ら、カーライルやブラックストーンへの最大の出資者が、CICになる。

 

 ルーベンシュタイン氏は世界のPEへの資金供給源は、年金基金から新興国の政府系ファンドへ主役が移っていることを披露。将来その政府系ファンドがアメリカPEファンドから人材やノウハウを奪い、PE市場を牛耳るのではないか、という危機感を覚えていることをパネルディスカッションで明かした。

 

 常に自信に満ち溢れている高社長だが、国家ファンドとしての意思決定の難しさと内部のカルチャーギャップに苦悩している様子だ。

 

彼らの資金調達源は、

国内で安く産出される天然資源の輸出代金を原資とする「資源型国家ファンド」と、

外国為替収支の余剰資金を原資とする「外貨準備型国家ファンド」の、大きく2つに分けられる。

 

「資源型」は超長期的な投資を行ない、

「外貨準備型」は中期的な投資を行なう傾向が強いのだ。

 

 国家ファンドと言っても、その実態は「洗練された投資」を目指す少数プロフェッショナルの集団である。投資金融機関である以上、その資産と負債のALM(Asset Liability Management)を、きちんと管理する必要がある。そのため両者は、原資の特性を生かした運用を行なっている。

 

たとえば、資源の輸出による「永久的な無原価資金」(自己資本)として原資を運用できる資源型は、リスク許容度が高いため、長期投資が可能になる。それに対して、外貨事情によっては資金の取り崩しを迫られかねない外貨準備型は、原資が「長期運転資金」に似た性格のため、流動性を意識した投資にならざるを得ないというわけだ。

 

CICについては、後者の「外貨準備型」の代表格と言えるだろう。

 

CICは、バイ・アウト・ファンドのようなPEファンドとは異なり、あらゆる投資資産の資産クラスに対するアセットアロケーションに基づいて中国内外に展開する「洗練されたグローバル総合機関投資家」に変貌しつつあるのだ。

 

世界には自社の企業価値を高めるパートナーとして、彼らを積極的に受け入れる企業関係者も、少なくないのだ。

 

彼らが日本をはじめとする保守的な国家に「開国」を促し、疲弊した経済構造を転換する一大勢力となる可能性は、小さくないだろう。

 

実際、CICの役割は、1)「超過」外貨準備の運用と 2)国有金融機関への出資・管理の2つであると設定されている。

投資戦略は、1)資本市場のポートフォリオ投資、2)海外のエネルギー・原材料などの戦略投資、3)中国企業の海外M&A戦略への支援などであるべきと政府関係部門や各界から要求されている。しかし、CICの投資収益率は、資本金となっている特別国債への5%前後の金利支払い、年平均5%前後の人民元上昇による為替差損及び内部管理費を合わせた10%前後のコストを上回らないと、経営赤字になってしまうので、利益最大化の商業目的に徹すべきであると反論する意見も多い。実際、CICの投資政策がいまだに明確になっておらず、「商業目的」ではなく「政府の戦略」の実施ではないかと海外から警戒されているゆえんである。

 

↑↑↑↑↑↑↑↑

 

以上となります。

 

ムダにできるお金ではないように感じております~

そこで、勉強は継続していきたいと思います!

 

ではでは。m(_ _)m

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