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2012年11月

2012年11月24日 (土)

「ふつうの医者たち」 (南木佳士著) を読んで

「阿弥陀堂だより」、「ダイヤモンドダスト」、「からだのままに」につづき、南木氏の4冊目の本となります。

 

これは、南木氏と同業となります医者の方々との対談集になります。

 

1997年の夏、お互いに都合のよい土曜日の午後に行われたとありました。

 

最初に、南木氏自身のことを紹介されています。以下はその内容となります。

 

平成元年(1989年)に芥川賞を受賞。

芥川賞の騒ぎは1年ばかり首をすくめている間に頭の上を通りすぎて行ってくれた。何とかなりそうに思えた。ふつうの医者でありながら芥川賞作家でもある至難の役を上手く演じきれそうだと、たかをくくりだした頃、平成2年(1990年)927日の朝、私は発病した。

 

いつものように8時に病棟に行き、重症患者さんの容態について夜勤の看護婦さんから報告を受け、病室に顔を出して外来に向かうべく廊下を歩いていたら急に胸苦しくなり、額に冷や汗がにじみ、ふらついて立っていられなくなった。すぐにナースセンター前にある読影室の当直用のベッドに横になった。しかし、動悸はおさまらず、呼吸は速くなり、視野が狭くなってきた。

このままでは死ぬか狂うかだとの強烈な不安感に襲われていた。自分がなにかとんでもない異界に落ち込んでしまったような、存在していることそのものへの不安とでも言えばいいのか、とにかく、発狂への恐怖は計り知れないものだった。

(中略)

ついに、芥川賞騒動のなかでも一日も休まなかった外来診療の休診を病棟から連絡してもらった。

家で一日中布団の中に入っていたのだが、焦燥感にあおられてまったく眠れず、寝返りばかりうっていた。

(中略)

夜もほとんど眠れなかった。そして、次第に、こんな苦しい日々が続くならいっそ死んだほうがましではないかと思いはじめた。

それまで私は自殺者を何人も見てきたが、彼らは単に意志が弱く、死の誘惑に負けた敗者なのだと勝手に内部処理をしていた。だが、うつ病の自殺念虜はそんな単純なものではなく、頭に浮かぶすべての思考が凸レンズで集められた光のように死に向かって焦点を結んでしまうのである。しかも、そんな自分から逃れようとすれば、己の存在を消してしまうしかないとの二重の罠にはまるのだ。

発病から3カ月、ここに至って私は精神科を受診し、うつ病と診断された。同時に、上司に頼んで末期肺癌患者さんを診る病棟勤務をはずしてもらった。

(中略)

周囲の理解に助けられて私は軽い勤務に回してもらったが、症状は抗うつ剤を飲んでも一進一退をくり返していた。

(中略)

発病から7年経ったいまも、私は末期肺癌患者さんを診る職場に復帰できていない。一人で電車にも乗れない。とことんだめな医者になってしまった。

それでも細々と己の癒しのために小説を書き、それによって癒される人たちの声に支えられて、明日死ぬかもしれないと毎日思いながらなんとか今日まで生きてきた。どうしようもない自分をありのままにさらけ出し、以前の元気な姿に戻ろうとあせらなくなった頃からいくらか症状も軽くなってきた。

(中略)

最近になってくだらない小説を読むと腹が立ったり、嫌いなやつを嫌い通せるくらいの元気は出てきたので、私は人と話がしたくなった。

そこで、前からじっくり話したいと思っていた人たちとの対談を思いついた。その相手になってもらうのは様々な分野で活躍している「ふつうの医者たち」である。

 

≪それから、5年後の2003年、「文庫版あとがき」より≫

 

5年前、いまにも死にそうなことばかり書いたり話したりしていましたが、恥ずかしげもなく生き残っています。しかも、この対談をやっていたころには考えることすら恐ろしかった「八ヶ岳登山」や「水泳」などにものめり込んでいます。(中略)

医者という業の深い仕事を続けてゆく自身を失いかけた病人のわたしが、ねえ、みなさんはどうしてこの仕事を続けてきた、あるいは続けていこうと思っているのですか、と素直に問いかけてみたかった、そういう対談集だったのだと5年後にようやく分かりました。

このときでなければできなかった本であることだけは確かです。

 

♪南木氏の作風の原点を知るために、南木氏自身のことを書き留めておきたいと思いました。

 

最後に、「ふつうの医者たち」とは、生きた人間相手であるがゆえに、さまざまな矛盾に満ちた「医学」、「医療」の分野で奇をてらわず(地に足をつけて、地道に、まじめに)、独善に陥らず、誠実に自分の仕事を為している医師たちのことを呼ばせていただいている、とのことでした。

 

そんな「ふつうの医者たち」の多いことに感謝!

 

m(_ _)m

 

2012年11月23日 (金)

被用者年金制度の一元化について

 

今年4月の閣議決定のあとに、整理をしていましたが、その後、

2012810日、社会保障・税一体改革関連8法案が成立し、その中で「被用者年金一元化法案」も成立しています。

 

そこで、再整理しました。青字が更新箇所となります。

+++++

過去、平成18年、ア試験に出題がされています。

これは、平成18年当時に閣議決定がされたためと思いますが、その後、平成217月の衆議院解散に伴い廃案となっています。

今年(2012年)、あらためて、閣議決定まで話がされています。そこで、自分として理解をしておきたいと思います。

下記は、今年の被用者年金一元化法案閣議決定の記事となります。

 

(2012.4.13 より)----------

政府は413、会社員が加入する厚生年金と公務員らの共済年金を平成2710月に統合するための被用者年金一元化法案を閣議決定した。厚生年金より低い共済年金の保険料率は毎年段階的に引き上げ、公務員共済は309月、私立学校教職員の私学共済は394月に厚生年金と同じ18.3%(労使折半)に統一する。

旧恩給部分として共済に投入している税金の「追加費用」は原則27%削減する。 公務員共済の積立金の約半分を共済側が持ち続け、新しい上乗せ年金の補填(ほてん)などに充てる-ことも盛り込んだ。

「職域加算」(平均月約2万円を上乗せ給付する共済独自の制度)廃止後の公務員らへの新たな上乗せ年金制度については、24年中に検討を行い別途法律で定めるとし、対応を先送りにした。

政府は有識者会議を設けて具体策を検討する。 閣議決定した法案は、自公政権が19年にまとめた法案(21年に廃案)をおおむね踏襲した。政府・与党は自公両党の賛成を得て法案を成立させたい考えだが、両党は野党時代に同法案に反対してきた民主党の対応を批判しており、協力を得られるかは不透明だ。

-----------------------------------

 

次に、平成18年の過去問を記載します。

【過去問H18 3 Aより】

平成18428日に「被用者年金制度の一元化等に関する基本方針について」が閣議決定され、被用者年金制度の一元化が行われることになっている。

(1)上記の閣議決定に述べられている被用者年金制度の一元化の目的および対象制度について簡記せよ。

(2)被用者年金制度の一元化について所見を述べよ(上記閣議決定の内容に限定しなくてもよいが、「保険料」、「給付」、「積立金」、「職域部分」のあり方については必ず考察の対象とすること)

 

H21. 財政検証結果レポート P359より

これまでの被用者年金の統合は、財政的に危なくなった制度(JRJT、農林年金など)を支援するためとイメージできます。

これからの統合は、どちらかと言えば財政的には良好なところ(但し、公務員となるので、一般企業よりも「公務員削減」が叫ばれている中では、高齢化が加速的となるかもしれませんが・・・)を吸収する方向にあるのだと思います。

 

この解答は、いまにも通じるところが多いと思いました。参考としながら、考えてみました。不十分なところ多いと思いますが、その点は是非ご指摘、ご教示いただけると嬉しいです。

 

(1)

○目的

今後の被用者年金制度の成熟化や少子・高齢化の一層の進展等に備え、年金財政の範囲を拡大して制度の安定性を高めるとともに、民間被用者、公務員を通じ、将来に向けて、同一の報酬であれば同一の保険料を負担し、同一の公的年金給付を受けるという「公平性」を確保することにより、公的年金全体に対する国民の信頼を高めること。

H13の記載には「安定性」があったが、いま残っている共済は、産業構造、就業構造の影響を受け難いようなので、「公平性」のみの記載となっている。H3 1(5)も同様。

○対象制度

厚生年金保険、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済の各制度

※以下、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合は「公務員共済」と、私立学校教職員共済は「私学共済」と言う。

 

(2) 所見について

<論点は以下の通り>

①制度体系

②給付体系

③保険料

④積立金

Cf. H13 3-Aより、当時、農林漁業団体職員共済組合との統合において「移換する積立金額の考え方」を問うている。ただし、今回にはそぐわないようです。それは、農林年金の特殊性(厚生年金と比べて保険料率が低かったこと、今後、被保険者が急減することが見込まれること)があるためです。また、H16の年金制度改正前であることから、物価スライドのことが言及されていますが、今はマクロ経済スライドがあり、そのままでは扱えないとも思います。

⑤職域部分

⑥追加費用

⑦財源

 

 

①制度体系

・一元化の財政方式の考え方として <H4 3A

1.全被用者年金制度を統合し、財政運営を一本化する方法

国民に対して最もわかりやすい方法だが、各制度の関係者の合意が得られるかという問題がある。また、業務処理に相当な費用と時間を要することや、積立金の移管額の算定方法や移管方法などの問題も解決しなければならない。

2.各制度を統合、整理するも、複数の制度(民間被用者と公務員)とする方法

上記1.と同様の問題を含み、公務員制度を別建てにすることに対する国民の合意が得られるかという問題も残る。

3.各制度は分立したまま恒常的に費用負担の調整を行う方法

関係者の合意、業務処理の負担などは、上記1. 2.の案よりは受け入れやすいと考えられるが、各制度の長期的な財政運営の不安定要因は依然解決されないと言える。

制度の安定性は得られる一方で、民間被用者、公務員を通じ、将来に向けて、同一の報酬であれば同一の保険料を負担し、同一の公的年金給付を受けるということを「公平性」と言うならば、その「公平性」は、実現できないことになります。

 

上記は、平成4年の解答となりますが、現在においては、「上記1」になっていると思います。

 

そこで、H21財政検証結果レポートより、3公社統合後の各共済からの支援に基づき、考えてみます。

359P

昭和50年代には、安定した制度運営を行っていくことが困難と思われる制度がでてきたことから、公的年金制度の一元化が課題とされるようになった。昭和591984)年度には国家公務員共済組合と三公社共済組合との間での財政調整措置が導入され、昭和611986)年度には全国民一律の基礎年金制度が導入された。また、平成21990)年度には全被用者年金制度による「制度間調整措置」が導入された。

このような経過を経て、平成81996)年3月に政府は公的年金制度の長期的安定と公平を図るため、「公的年金制度の再編成の推進について」を閣議決定した。その中で、再編成の第一段階として、既に民営化・株式会社化しており成熟化が進行している、日本鉄道共済組合、日本たばこ産業共済組合及び日本電信電話共済組合については、平成91997)年度に厚生年金に統合することとされた。その際、統合前の期間に係る給付費については、費用負担の平準化を図りつつ、被用者年金制度全体で支え合う措置を講じることとされた。この閣議決定を受け、三公社共済組合は平成91997)年4月に厚生年金に統合され、その給付費用の一部に充当するため被用者年金制度全体による支援措置が設けられた。

現在、旧日本鉄道共済組合及び日本たばこ産業共済組合において、世代間扶養部分(物価スライド・再評価に対応する部分)について、各制度から支援されている。

 

Cf. H19 1(4)

次に、現在の被用者年金各制度の財政指標を概観してみると

※上段が平成19年度、下段は平成233月末になります

                                                 
 

項目

 
 

厚生年金保険

 
 

国家公務員共済組合

 
 

地方公務員共済組合

 
 

私立学校教職員共済

 
 

被保険者数

 

(千人)

 
 

34,248

 

3,441万人

 
 

1,044

 

105万人

 
 

2,908

 

288万人

 
 

478

 

48万人

 
 

年金扶養率

 
 

2.47

 

2.39

 
 

1.53

 

1.53

 
 

1.6

 

1.53

 
 

4.32

 

4.19

 
 

積立比率

 

(年)

 

簿価ベース

 

[時価ベース]

 
 

4.3

 

[4.1]

 

4.1

 

[4.1]

 
 

6.3

 

[6.0]

 

6.2

 

[6.1]

 
 

10.0

 

[9.2]

 

10

 

[9.7]

 
 

9.9

 

[9.1]

 

9.0

 

[9.0]

 
 

保険料率

 
 

14.642

 

16.412

 

2

 
 

14.767

 

15.862

 

1番高い

 
 

14.092

 

15.862

 

3

 
 

11.522

 

13.292

 

4

 

 

※「年金扶養率」とは、適用者数を老齢(退職)年金の受給権者数で除した値

※「積立比率」とは、前年度末に保有する積立金が、実質的な支出のうち、保険料拠出によって賄う部分(国庫・公経済負担(事業主等による負担)を除いた部分)の何年分に相当しているかを表す指標

※ちなみに黄色箇所はちょっと危険?、青色箇所はちょっと安心?としてみています。

 

すると、被保険者数では、厚生年金保険が断トツです。

私立学校教職員共済が、この4制度の中では、財政的に一番良好のようですが、被保険者数は厚生年金保険の約1%程度です。

 

平成24810日の成立「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」より

 

(1) 厚生年金に公務員及び私学教職員も加入することとし、2階部分の年金は厚生年金に統一する。

(2) 共済年金と厚生年金の制度的な差異については、基本的に厚生年金に揃えて解消する。

(3) 共済年金の12階部分の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率(上限18.3%)に統一する。

(4) 厚生年金事業の実施に当たっては、効率的な事務処理を行う観点から、共済組合や私学事業団を活用する。また、制度全体の給付と負担の状況を国の会計にとりまとめて計上する。

(5) 共済年金にある公的年金としての3階部分(職域部分)は廃止する。公的年金としての3階部分(職域部分)廃止後の新たな年金については、別に法律で定める。

(6) 追加費用削減のため、恩給期間に係る給付について本人負担の差に着目して27%引き下げる。但し、一定の配慮措置を講じる。

≪施行日≫

(1)~(5):平成27年(2015年)10

(6)公務員の恩給期間に係る追加費用削減:公布(822日)から1年を超えない範囲内で政令で定める日

 

「システムまでも一元化しようとすれば、そのシステム開発費用は数兆円規模になるように思います。厚生年金で保有する件数は、国民年金を含めれば、約70,000千件です。これらを日々維持管理する費用は、一般の民間生保ではなかなか想像できませんよね。これらのお金は全て年金保険料等で賄われることになるでしょう。」

 

上記法令(4)で、「厚生年金事業の実施にあたっては、効率的な事務処理を行う観点から、共済組合や私学事業団を活用する。」とあります。

 

年金制度は一元化されますが、既存の各システムを利用することと推察できます。

 

それでも改修費用は膨大と思いますが、恐縮ですが、厚生年金のシステムよりも、公務員共済、私学共済のシステムは、まだ良好のように思います。改修はこちらの方が大変になると思いますが、がんばるしかないですかね。

 

②給付体系

・一元化の対象給付 <H4 3A

一元化を実現する場合は、すべての被用者に共通な部分とすべきであり、厚生年金保険相当の水準とするのが妥当であるように思います。

・在職老齢年金や遺族年金の転給等、各共済年金と厚生年金保険の制度上の差異は厚生年金保険に合わせていくこととなっているが、受給権の保護の観点から問題はないか。

(論点) <H18 3A

⇒一元化を実現する場合は、「公平性」の視点から、例外措置は極力避けるべきと思います。例外措置は、「公平性」を欠く措置になることが多いと思えています。

・定額、所得比例、定額+所得比例どのようなものが考えられ、それぞれのメリット・デメリットはどうか。

⇒保険料と合わせて考える必要があるように思います。保険料を原則、所得比例としている以上は、費用負担の公平性から見た場合、ある程度の所得比例となる給付が求められると思います。

 <H18 3A

 

③保険料

 

・一元化を実現する場合、その財政運営は現在の厚生年金保険で実施している「保険料水準固定方式」、「有限均衡方式(財政均衡期間の最終年度の積立水準は支出の1年分)」で、よいか。

 

「保険料水準固定方式」は、平成16年改正により、最終的な保険料(率)の水準を法律で定め、その負担の範囲内で給付を行うことを基本とする制度となった。これは、急速に進展する少子高齢化に対応するために負担の上昇が避けられない中、若年層を中心として、負担がどこまでも上昇してしまうのではないかとの不安が大きいことから、将来にわたっての保険料水準を法律に明記することによって固定したものである。

H21 財政検証P15

この考え方を前提としているのであれば、賛成である。

一方で、同じく平成16年改正により導入された「マクロ経済スライド」。これは、「保険料水準固定方式」で、最終的な保険料水準及びそこに到達するまでの各年度の保険料水準を固定して法定化し、社会全体の年金制度を支える力の変化と平均余命の伸びに伴う給付費の増加と言うマクロでみた給付と負担の変動に応じて給付水準を自動的に調整する仕組みとして、「マクロ経済スライド」が導入された。

H21 財政検証P105

しかし、この「マクロ経済スライド」がH16年導入以降、一度も実行がされていない。

これは、平成16年改正における給付水準調整は、賃金や物価が上昇し、それに応じて年金額が増額改定されるときに、その改定率を抑制することにより行うこととされたためです。

従って、賃金水準や物価水準が低下した場合には、賃金や物価に応じた年金の減額改定は行うが、マクロ経済スライドによる給付水準調整は行わないこととされている。

また、賃金水準や物価水準が上昇した場合でも、機械的にスライド調整率を減ずると年金の改定率がマイナスとなる場合には、年金の名目額を引き下げることはしないこととされている。

これが、現在の保険料収入、国庫負担、積立金からの妥当な給付額なのであれば、よいと思うのですが、おそらく毎年予定以上の支払が生じているのであれば、少なくとも「マクロ経済スライド」を機能するようにする必要があると思います。

 

④積立金

 

・各共済年金の積立金のうち、厚生年金保険の積立金の水準に見合った額を12階部分の共通財源に供することになっているが、その額の算出に当たってはその過程等を十分に開示し、理解をえられるものとする必要があるのではないか。また、その他(例えば、職域部分への持込を増やすなど)の考え方はないか。 <H18 3A

・今回の成立法案では、

現在の共済年金の積立金については、12階部分と3階部分の区別がないため、被用者年金一元化に際しては、共済年金の積立金のうち、12階部分の給付のみである厚生年金の積立金の水準に見合った額を一元化後の厚生年金の積立金(=共通財源)として仕分ける必要がある。

具体的には、共済年金の積立金のうち、一元化前の厚生年金における積立比率(保険料で賄われる12階部分の年間の支出に対して、何年分を保有しているかという積立金の水準)に相当する額を、共通財源として仕分ける。

ここで、この方法を踏まえて、ニッセイ基礎研究所では、被用者年金一元化の財政検証を実施されている。それによると、一元化しなかった場合、2105年度の積立度合(前年度末の積立金額が当年度の支出の何年分に当たるかを示す値)をみると、厚生年金は財政健全化のルールどおりに1.0であり、公務員共済や私学共済では1.0を上回っている。しかし、今回の法案を反映した試算では、被用者年金全体でみて費用が財源を上回り、2009年度末の現在価値で2兆円の財源不足が発生する結果を得られている。

一元化後の被用者年金全体の財政バランスの悪化は公務員共済や私学共済の財政悪化が原因であり、発生もとの財政単位が責任を持って対処すべき、という考え方に立てば、積立金の仕分けの見直しが必要になるかもしれない。

 

⑤職域部分 <H18 3A

・給付水準をどの程度とすべきか。わが国における公務員の位置づけ、処遇の考え方を十分踏まえた上で検討し、その過程については十分な開示を行う必要があるのではないか。

・保険料負担として国、公務員の負担割合は折半とするか。

・財政方式は現在のような賦課方式か、それとも積立方式とするか。積立方式とした場合に発生するPSLを誰がどのように負担するか。

H18年当時、積立金については、12階部分の共通財源に供する積立金を仕分けた後に各共済年金の財源として残る積立金を、現行の職域部分(3階部分)の廃止前の期間に係る給付費(既裁定年金及び未裁定の過去期間分に充てる、としている。

現行の公的年金としての職域部分(3階部分)は、廃止としている。そこで、新たに制度としての仕組みを設けることとしている。公務員共済については民間の企業年金・退職金等を踏まえた制度を設計し、私学共済については、別途新たな年金を設ける予定であった。

積立方式を前提にしていることになると思います。

⇒今回は、公的年金としての3階部分(職域部分)廃止後の新たな年金については、その在り方について、平成24年中に検討を行い、その結果に基づいて、別の法律に定めるところにより、必要な措置を講ずるという趣旨を規定。また、施行日において受給権を有しない共済年金加入者がそれまで保険料を払い込んだ職域部分の取扱いについては、別に法律で定める趣旨を規定している。

 

Pass!です。

 

⑦財源 <H18 3A

・社会保険方式がよいか、税方式がよいか、その他、最低保証部分とそれ以外で分けるか。また、それぞれの方式のメリット・デメリットはどうか。この点は、現在の厚生年金保険の論点と同じように思います。結論としては、社会保険方式がよいように思っています。

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-62b2.html

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/19-57b6.html

 

長くなりました。失礼致しました。m(_ _)m

2012年11月18日 (日)

「からだのままに」 (南木佳士著) を読んで

 

 

「阿弥陀堂だより」、「ダイヤモンドダスト」につづき、南木氏の3冊目の本となります。

 

いきなり「あとがき」(2006年冬に書かれています)より

 

医者になり、信州の田舎町に住み始めたのは25歳の春でした。他者の生と死に深くかかわらざるを得ない業の深い仕事に手をそめ、週末になると心身の疲労から扁桃腺を腫らして熱を出してばかりいた研修医は、その後、肺炎、パニック障害、うつ病、肺の手術を経て、55歳になり、まだ何とか生き延びている。

55年の頼りない足跡は、これまでの人生がまさに“からだ”が生き延びるためのものであったことを明確に教えてくれる。

それでも、岐路に立ったときくらいは主体的に判断したのではなかったか、とみずから問うてみても、問いそのものが空しく身内に響くだけだ。

夏の週末の夕方、家の軒下に坐り込んで広い夕空を眺めている時間が一番好きだが、ふと目を地面に向けると、ダンゴ虫が芝生の切れ端を乗り越えようとしている。触角で障害物の厚みを測りながら、うまく回り込んで薄いところを見つけ、なにげなく越えてゆく。55年の歩みとは結局こういうことだったのではないかとしみじみ納得してしまう。

この小さな本に収録したエッセイはここ3年間(52歳~55歳)に発表したもの。

毎日、家と勤務先の病院を自転車で往復し、休日にはプールに行くか山を歩くしかない初老男の周辺のことを書くほかないのだ。

 

♪そのなにげない日々のエッセイより、からだに書き留めておければと思います。

 

100回芥川賞を受賞し、プロの作家として締め切りを決められた小説を書きながら、それまでどおりの医業をこなす暮らしに疲れ、それ以上に、死者を看取り続ける毎日に疲弊しきっていた。そして、38歳の秋にパニック障害を発病し、うつ病に移行していまに至っている。

焦燥感に駆られ、希死念慮(死にたいと思うこと)を追い払うのにすべてのエネルギーを使い果たし、かといって昼寝もできず、という状態が数年続いた。食べ物の味がしなくなっていて、空腹も覚えず、ただ生き延びるため、死なないためだけに、まさに砂のような味の味噌汁や飯を書きこんでいた日々。

 

いくらか体調が戻ってからも「時の薬」が必要であった。

 

やがて、“中島義道”や“大森荘蔵”の本に出合い、若い頃に読んで分かったつもりになっていた岩波文庫の古典を読み直し、何も分かっていなかったことに驚き、妙なすがすがしさすら覚え、よく考えてみたら、自分の“からだ”の動かし方さえよく分かっていなかったのではないかと思い至り、山を歩くようになった。

 

前半生で“からだ”をないがしろにし、頭だけで物事を解決できると思い上がってきたことに対する天罰なのだな、と素直に受け止め、なるべく(いまは)“からだ”を動かすべく努めるようになった。

 

ひどく心身を病んだりして変容を続けた「わたし」の骨格があらわになってきた気がする。

いまは「人がただ在ること」の奇妙な図太さに惹かれる。虚構を書いて生き延びられた現実を、“からだ”に感じるまま素直に表出している。

 

先日、三浦雄一郎さんのお話を聴きました。

今年の10月に80歳になられています。そして、またエベレスト登頂に挑戦をされるそうです。

三浦さんは、54歳のときに、世界七大陸最高峰全峰からの滑降をすべて成功させてから目標を失い、その後、不摂生をして“からだ”を壊されたそうですが、65歳からエベレスト登頂を目指す目標を見いだすことで、“からだ”をまた動かしはじめて、70歳、そして75歳と2度のエベレスト登頂を成功されています。

 

「あとがき」にある、児玉清さんのコメントです。

「こころのままに、ではなく、からだのままに、なんですね。」

本著の勘所をおさえているコメントとなります。

 

「心身一如」とも言いますが、からだが先に来て、こころが癒されることもあっていいと思いました。

 

m(_ _)m

2012年11月17日 (土)

「ポータビリティ」について その2

以前に「ポータビリティ」について、書いておりますが、もう少し深めておきたいと思います。

以前のはコチラ↓

http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-9c3f.html

そして、続きとして。

 

ポータビリティ」の方法は具体的には以下の2つに区分される。

 

脱退一時金相当額の移換

 移換元で一時金の受給資格を取得した脱退者について、将来の年金受給を目的に、脱退者の申し出により移換元の脱退一時金(移換先の規約に基づいた給付額が上限)を移換し、移換先の年金制度に基づき給付を行うもので、移換元の給付内容を引き継ぐ必要はない。(ただし、移換元の加入期間を移換先の加入期間の一部とすることは可) 通常は企業年金連合会や確定拠出年金に移換して、当該年金制度より年金受給することとなるが、移換先の規約に定めがある場合は、厚生年金基金・確定給付企業年金への移換も可能である。なお、移換対象者は「中途脱退者」(資格喪失時点で年金の受給資格を持たず、加入員期間20年未満の者)に限られる。

 

権利義務の移転

合併・企業再編等により他の制度に移転する場合の不利益を抑止するため、継承先制度において移転元制度の給付内容を引き継ぐものであり、基本的に事業所単位で移転を行う(個人単位でも可)

移転元の義務を引き継ぐため加入期間は原則として全て通算することとなる。また移転先の制度に給付水準を合わせた結果、給付減額となる場合には減額手続きが必要となる。権利義務の移転を行う場合、対象者から同意を得る必要があり、同意を得られれば年金受給権者についても行うことができる。

移換額は継続基準・非継続基準に基づいた合理的な方法で年金資産を按分した額とすることが一般的であるが、その算出方法は双方の制度間で取り決める必要がある。

 

17101日から施行>
企業年金等の通算措置(ポータビリティの拡充)の細部について、「企業年金等の通算措置に係る事務取扱準則」

厚生年金基金又は確定給付企業年金の資格喪失者の選択肢、(ア)~(エ)

 

(ア) 資格を喪失した日から1年以内に再就職した場合であって、再就職先の事業所が基金又は確定給付企業年金を実施しており、かつ当該制度の規約に脱退一時金相当額の移換を受ける旨の定めがある場合又は当該事業所が確定拠出年金を実施している場合

当該事業所が実施する企業年金制度又は企業年金連合会への脱退一時金相当額の移換及び脱退一時金の受給

 

(イ) 資格を喪失した日から1年以内に再就職した場合であって、再就職先の事業所が基金又は確定給付企業年金を実施しており、かつ当該制度の規約に脱退一時金相当額の移換を受ける旨の定めが無い場合

  企業年金連合会への脱退一時金相当額の移換及び脱退一時金の受給

 

(ウ) 資格を喪失した日から1年以内に再就職した場合であって、再就職先の事業所が企業年金制度を実施していない場合、資格を喪失した日から1年以内再就職しなかった場合又は国民年金の第1号被保険者になった場合

  次の場合に応じ、それぞれ次の選択肢

ü 個人型確定拠出年金の加入者になった場合

企業年金連合会又は国民年金基金連合会への脱退一時金相当額の移換及び脱退一時金の受給

ü 個人型確定拠出年金に加入しない場合(個人型確定拠出年金の運用指図者である場合を含む)

企業年金連合会への脱退一時金相当額の移換及び脱退一時金の受給

 

(エ) 資格を喪失した日から1年以内に基金の老齢年金給付の受給権を取得することとなるものである場合にあっては、その旨及び受給権を取得する日までの間に他の企業年金制度、企業年金連合会若しくは国民年金基金連合会への脱退一時金相当額の移換又は脱退一時金の受給が行われなかった場合は、当該基金から老齢年金給付又は一時金たる給付を支給することとなる旨

 

 

厚生年金基金から確定給付企業年金へ事業所単位で権利義務を移転する場合について

権利義務の移転・承継にあたり、「同意」および「代議員会の議決」に関して必要とされる手続き

 移転元制度:

 ・脱退事業所の事業主の全員の同意

 ・脱退事業所に使用される加入員の2分の1以上の同意(事業所ごとに2分の1以上の同意が必要)

 ・脱退事業所以外の設立事業所に係る代議員の4分の3以上の同意

 ・加入員であった者又はその遺族の給付の支給に係る権利義務を移転する場合は、当該者全員の同意

 ・代議員の4分の3以上の多数による議決

 移転先制度:

 ・規約型DB:実施各事業所に使用される被用者年金制度の被保険者等の過半数で組織する労働組合または過半数を代表する者の同意

 ・基金型DB:代議員の定数の4分の3以上の多数による議決

 ※規約型DBとは、労使が合意した年金規約に基づき企業と受託機関が契約を締結し、外部積立により年金制度を運営するもので、適格年金制度に近いものと言える

 ※基金型DBとは、母体企業とは別の法人格を持った企業年金基金を設立し、企業年金基金が年金規約に基づき年金制度を運営するもので、(代行部分のない)厚生年金基金に近いものと言える。

 

②代行部分の移換先とその移換額の計算方法

・代行部分の移換先:企業年金連合会

・移換額:

 移転元の厚生年金基金の最低責任準備金×権利義務移転該当者に係る過去期間代行給付現価の額÷当該厚生年金基金の過去期間代行給付現価の総額

※過去期間代行給付現価とは、代行部分の給付原資に見合う「将来法」による責任準備金

 

 

③移転元の厚生年金基金の財政に関し留意すべき事項

 ・移換額の計算方法は当事者間の同意によることとなっているが、移転元基金の非継続基準等の積立水準が悪化しないよう決定する必要があること。さらに、決定した移換額にあっても、当該事業所の減少により、他の事業所の掛金が増加することとなるときは、当該増加する額に相当する額として当該減少事業所から掛金として一括して徴収する必要があること

 ・基金規模が縮小するため、不足金発生時の掛金上昇リスクが増加すること

 ・加入員であった者を残していく場合には成熟度が上昇すること

 ・加入員であった者を残す場合、将来の死亡率改善リスクが残ること

 

④移転先の確定給付企業年金の財政に関し留意すべき事項

 ・移換額の計算方法は当事者間の同意によることとなっているが、移転先制度の非継続基準等の積立水準が悪化しないよう決定する必要があること。

 ・移転してきた受給者の独自給付部分の水準および独自給付該当者の発生状況によっては、不足金発生の要因となることが考えられるため、当該部分に一定の評価を行う等の配慮が必要であること

 ・加入員であった者の権利義務を承継する場合、将来の死亡率改善リスクを引き継ぐことになること

 

♪「権利義務の移転」では、なかなか大変な手続きだと思いました。今後、数少ないのかもしれませんが財政上問題の少ない厚生年金基金からDCDBへの推進をするには、緩和措置が必要なんですよね。


m(_ _)m

2012年11月11日 (日)

「ダイヤモンドダスト」 (南木佳士著) を読んで その2

この本は短編集となっています。所収されているのは、次の通りです。

 

・冬への順応 「文学界」 19835月号

・長い影 「文学界」 19838月号

・ワカサギを釣る 「譚」 19869

・ダイヤモンドダスト 「文学界」19889

 

書き留めておきたいことを記しておきます。

 

「冬への順応」の中での「」とは、日々起こる「患者の死」、それに順応しなければ、医者は勤まらないのではないか、でも、そこに順応できない自分がいる、その心のうごき(葛藤)の物語のように思いました。

 

「長い影」、カンボジア難民医療に携われたときのこと。

薬はあったが、検査機材がほとんどなかった。専門の医者がそろわなかった。日本の、高度に近代化された総合病院から派遣されたぼくたちにとっては、足りないものだらけの野戦病院だった。人や物が足りたいために病人が死ぬ。今の日本では起こりにくいことが、あの暑い国の国境地帯ではありふれた出来事だった。並みの感受性を持つ者ならだれでもこれでいいのか、と思った。泣いたり、怒ったり、胃潰瘍になったり、病的に食って肥満したりした。・・・後略

 

「ダイヤモンドダスト」より。

なにげない笑顔のあった一日のなかで、「この家にこんな幸福そうな絵柄が出現したのは久しぶりだったから、彼は扱い方を想い出せなかった」、と・・・。

 

そして、「あとがき」より。

・・・(前略)内面となると、いまだにつま先を立てたがる自分がある。

小説を書き終えるたびに、そんな自分が顔をだしていないかと、心して検証してみる。結局、書く、と言う行為は、内面の浮きあがろうとする足を大地につけさせるための作業だったのかもしれない。

 

これからも書き続けたいと思いますが、やはり「いつかは自分の番だ」という視点での“死”というのを、もう少し書いてみたいと思っています。

そういう視点で書き進めて、もう少し固まれば、意外に“死”が暗いものでは無いんじゃないか、というところに到達できるような気がしてならないんです。最近、日本人は死ぬとどこへ行くのだろうというので、宗教関係の本を読んだことがありますが、割と暗くなくて、むしろ明るいものが書けるんじゃないか。しかも、作品の中に死んでいく姿とかそういうものがなくて、どこかに“死”を予感させながら明るいというようなものが書けないかな・・・・まあ夢みたいな話で、無理かもしれないなという気がしますけれどね。

 

地方とか田舎では、踵を地面に下ろして生活ができるという気がするんですね。私は中学・高校ぐらいしか東京にいなかったのですが、東京はやや踵を浮かして爪先を立てないとやっていけない所で、疲れてしまうのではないかという気が、いつもありました。だから、踵を下ろしている人達をかきたいなと。

 

「やさしさ」が伝わる言葉だと思いました。

 

それでも、この約1年後に著者は心の病をされています。

 

沈思黙考・・・

 


各国の公的年金制度 (日本を除く)

以前もブログに記載をしておりましたが、アジアが気になり、少し追加しました。

緑字となります。 ではでは・・・

 

☆☆☆☆☆

 

気になる国について、トピック形式に整理してみました。

どうも断片的な記載となっています。恐縮です。

 

気になっていた国は、『北欧福祉国家』と言われている、スウェーデン、デンマーク、フィンランドとなりますが、カナダも工夫をされているように感じました。

また、シンガポールだけが、賦課方式ではなく、事前積立方式ができている国でした。

 

ア試験では、「各国の年金制度」、平成17年に小問題(青字)で、あまり出題はされないようですね。

あと、平成18年の小問題で、世界各国“共通”として、制度改革の手法として「具体的な施策」を選択する問題もありました。

※また、この問題の下表の④では、「公的年金」において、積立方式を拡大するプランは無いのだな~と思いました。

                   
 

制度改革の手法

 
 

具体的な施策

 
 

①給付支出額の減少

 
 

支給開始年齢の引上げ

 
 

②年金制度体系の変更

 
 

みなし掛金建て制度(NDC)の導入

 
 

③新たな財源の確保

 
 

年金目的消費税の導入

 
 

④積立方式の拡大

 
 

企業年金の充実

 

 

 

 

                                           
 

国名

 
 

概要

 
 

スウェーデン

 
 

ü 北欧福祉国家(スウェーデン、デンマーク、フィンランド)の一国

 

ü 所得比例の年金(賦課方式部分)と確定拠出の個人勘定(積立方式部分)との組み合わせの年金制度がある。

 

ü 所得比例年金はさらに賦課方式部分(Inkomstpension(訳は所得比例年金とある))と積立方式部分(Premium Pension)から構成される。

 

ü 賦課方式部分には、NDCNon-financial   Defined Contribution)といわれる方式が採用されており、受給額は「仮想的な年金原資÷退職時の年金除数」で算出され、支払った保険料に見合った給付がなされるように設計されている。年金が最初に支給される際の男女平均の平均寿命と年1.6%の利率を考慮したものとなっている。(H18 出題のNDCについて)

 

ü 少額の年金受給者には、全額国庫負担による補足的な最低保証年金が支給される。(保証年金:Guaranteed   Pension

 

ü 現在、約4年程度の積立金を持っており、2070年まで残る見通し。

 

ü 少子高齢化はほぼ収束してきており、緩やかに進んでいる国のため、よく日本が模範国としますが、まねるだけでは上手くいかないようです。

 

ü 個人の所得は税務署へ行けば、誰でも調べることが可能。(ただし、自営業者を除く)

 

ü 必要加入期間の設定はとくに無し。

 

※日本では、現在の25年の短縮を検討中。

 

ü 国民皆年金であり、未納は脱税の罪になる。

 

ü スウェーデンは1999年に年金制度の大改革をおこない、1階部分・税財源による定額給付、2階部分・所得比例年金となっていた公的年金を、所得比例年金のみ1階建てとし、一定年金以下の人には最低保証年金を用意した。負担と給付の関係を明確とするため、「個人勘定」(支払った保険料の総額を個人単位の口座で管理する)とし、支払った金額に経済成長率にリンクした「見なし利回り」をつけ、個人の年金資産として蓄積されていくこととした。年金全体の資産と負債のバランスが崩れると、見なし利回りが自動的に下げられ、債務の成長が鈍化する自動調整機能の仕組みも導入された。  (駒村氏記述より)

 
 

アメリカ

 
 

ü 公的年金(社会保障年金)は1階建てで、所得によって年金給付率か異なっており、低所得者には年金給付率が厚くなっている。(一階建て)

 

ü 保険料率は12.4%(被用者は労使折半、自営業者全額自己負担)。給付費の国庫負担は無い。

 

ü 現在3.5年分の積立金を持っているが、2042年に無くなると危険性を開示している。

 

ü 必要加入期間は10

 

ü 国民皆年金であり、未納は脱税の罪となる。

 
 

カナダ

 
 

ü カナダ年金制度(CPP)は社会保険方式(国庫負担無し)による所得比例であり、一定以上の所得のある被用者と自営業者が対象となっている。保険料率は9.9%(雇用者は労使折半、自営業者は全額自己負担)であり、将来の給付費支払には十分と考えられている。

 

ü 一方、CPPとは別に老齢保障制度(OAS)がある。税拠出となっており、この国庫負担分は相続財産から国が徴収を行う「クローバック」と呼ばれる制度となっている。

 

基礎年金部分を全額税方式としている国は、カナダのほか、オーストラリアとニュージランドの計三カ国のみ。

 

ü 財政方式は、1998年に賦課方式から部分積立方式に移行している。

 
 

フィンランド

 
 

ü 北欧福祉国家(スウェーデン、デンマーク、フィンランド)の一国

 

ü 所得比例年金と国民年金で構成されている。国民年金は所得比例年金が不十分なものに対して給付される形であり、最低保証年金の役割を果たしている。

 

ü 保険料率について。所得比例年金は、労使合わせて約21%、うち被用者負担分は約5%。国民年金は政府負担割合40%、残りは雇用主の保険料となり、被用者本人または自営業者の負担は無い。

 

ü Funding   ratio=年金資産/年金債務)を開示(約40%程度であり、将来にわたってほぼ一定と予測されており、年金財政は安定していると考えられている)しているので、部分積立方式となる。

 
 

ドイツ

 
 

ü 職域毎に分立している。

 

ü 財政方式は賦課方式であり、0.96カ月分の給付費に相当する準備金を保有している。

 

ü 失業率が上昇すると、すぐに不足が生じることとなり、政府から借金をすることになる。

 

ü 必要加入期間は5年。

 
 

シンガポール

 
 

ü 世界で唯一つ、積立方式の年金が機能している(強制貯蓄方式)

 

ü 給与の3040%というかなりの金額を保険料として強制的に貯蓄させてきた。医療も介護も年金同様に強制貯蓄方式を採っている。

 

ü 一方で、「親子扶養法」を導入、子供の強制貯蓄口座から親の生活支援を行えるようにしている。シンガポールでは社会的な世代間の助け合いはないが、家族内の世代間助け合い方式、つまり実質的な家庭内賦課方式になっていたりはする。

 
 

イギリス

 
 

ü 被用者・自営業者を通じた「基礎年金」と被用者のみの「国家第二年金」の二階建てであり、職域年金・個人年金の加入者は国家第二年金からの“適用除外”が認められている。

 

ü 被用者の保険料率は本人約12%、事業主約13%。基礎年金は定額になる。

 
 

フランス

 
 

ü 職域毎に分立している。

 

ü 財政方式は賦課方式であるが、1999年に年金積立基金(FRR)が創設されている。

 

ü 40年後には大多数の制度において収支は大きくマイナスになると予測されている。

 
 

韓国

 
 

ü 国民年金制度は1988年に導入、諸外国と比べてかなり若い制度である。(国民年金の他には公務員年金、軍人年金等の公的年金がある。

 

ü 国民年金の場合、加入者の全て所得の9%(事業所加入者は労使折半)を年金保険料とされている。

 
 

中国

 
 

ü 基本養老保険(日本の国民年金・厚生年金保険に相当)

 

ü 基本養老保険については、政府、企業、個人の三者が負担し、社会プール(賦課方式)と個人口座(積立方式)の組合せから成る。

 

ü 基本養老保険の現役加入者を「都市部就業者」で除した割合を現役加入率とすると、2007年末時点でも52%に留まっている。

 

♪都市部就業者という見方があるということは、一部エリートのみの年金ということになるのでしょうかね。

 

 

参考資料) H21財政検証結果レポートより P321

 

アジア各国で共通している点は、公務員を対象とした制度と民間企業の被雇用者等を対象とした制度が並存して整備されていることである。民間被雇用者を対象とした制度についてみると、タイ、フィリピン、ベトナムでは、現役時代の所得に応じた一定額の給付を行う確定給付型の制度を採っており、マレーシア、インドネシアでは積立金と運用収益をもとに給付額が決まってくる確定拠出型の制度を採っている。

また、インドのように確定給付型と確定拠出型との併用が行われている場合もある。

さらに、タイ、インドでは、低所得の高齢者に対する給付制度も実施されている。これらの制度は、マレーシア及びフィリピンでは、1950年代と比較的早い時期から導入されているが、その他の国では、現行の制度の導入は90年代以降と比較的最近である。

なお、マレーシアの制度は、強制貯蓄制度(Provident Fund)となっており、高い国内貯蓄率(08年時点でGDP比42.2%)に貢献していると言われている。

 

m(_ _)m

2012年11月10日 (土)

「ダイヤモンドダスト」 (南木佳士著) を読んで

先日の「阿弥陀堂だより」につづき、南木氏の2冊目の本となります。

「ダイヤモンドダスト」は、1988年の「文学界」9月号に載り、第100回芥川賞を受賞された作品となります。

 

「阿弥陀堂だより」よりも、なんとなくですが、「やさしさ」だけではない、硬さ?が感じられました。

「ダイヤモンドダスト」は、まだ若かったときの作品だからでしょうかね。

 

そこで、同じようなことを想う方がいるのではないかと思い、ググらせていただきました。

近しいかたのコメントとして、

 

*****

・末期癌患者の臨床医。死に対して無力。生の根元はとてつもなく脆い。「パニック障害、うつ病」という病を得て、価値観が一転した。ただ生きて在ることへの畏敬が、南木佳士の文学の核心にある。

←鬱々とした思いが小説を書かせた。論文を書いて、業績を積み上げても、心の慰藉は得られない。書くことだけが、それをもたらした。

・「低い視線」が極めて印象深い。

←「病んだ者の視線は例外なく低くなる。人間として持つべき最も大事なものは頭の切れの鋭さでも、ましてや学歴とか富とかではなく、ただひたすらやさしくあることなのだというようなあたりまえのことが、低くなった視野に見えてくる。」(『医者という仕事』p.24

*****

 

南木佳士氏は、1951年生まれ、芥川賞を受賞をされて、その後1年くらい後の、38歳の秋にパニック障害、そしてうつ病となられています。

「阿弥陀堂だより」は1995年となりますので、その後の作品となりますね。

 

*****

南木佳士は信州の「自然」に癒やされている。死とは、信州の深い森に帰ること、人生の往路の虚飾を落として、ただの人として森に帰ればよい、という「思想」がある(『ダイヤモンドダスト』『阿弥陀堂だより』『臆病な医者』)

←しかし復路にもう一つの生の輝きがあるのではないか。復路に固有の何かが。人生の秋、冬が難しい。春、夏の勢いはないのだから。

*****

 

ところで、「ダイヤモンドダスト」とは何でしょう。

大気中の水蒸気が昇華してできた、ごく小さな氷晶(氷の結晶)が降ること。

よく晴れた朝など、気温が氷点下10℃以下の状態のときに発生する。視程は1km以上である。日光で輝いて見えることから、ダイヤモンドダストと呼ばれる。

Diamond dust is a ground-level cloud composed of tiny ice crystals.ダイヤモンドダストは、小さな氷の結晶からなる地上レベルの雲?。

 

人生の復路であり、その後半になると思います「真冬」、そのよく晴れた朝に見られるという「ダイヤモンドダスト」に会うために・・・

 

がんばりましょう!

 

ダイヤモンドダストです!

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m(_ _)m

2012年11月 5日 (月)

あさひ、逝く

2012112日(金)、実家の愛犬「あさひ」逝く、享年17歳。

よく生きてくれました。ありがとうございました。

 

3日(土)、近くのお寺で火葬をしてくれるとのことで、その日のうちに火葬していただきました。

 

最後の1年くらいは、周りが分からなくなるようになり、そして、足腰も弱くなってきました。

 

「あさひ」は、実家で2代目の犬となります。

初代は、自分も一緒にすごしたのですが、2代目は、自分を含めた息子どもが家を出てから飼いはじめた犬となります。それでも、とてもなついてくれて、かわいかったですね。

 

今後は、老夫婦の支えでもあった「あさひ」がいなくなり・・・心配が増えました?・・・

 

3日(土)の夜からは、自分が発熱・・・今日5日は会社を休んでしまいました。(゚ー゚;

会社で流行っているためにうつされたのだろう、と思っています。気をつけましょう。

 

「あさひ、ありがとうございました」m(_ _)m

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