「冬物語」 (南木佳士著) を読んで
先週の「医学生」につづき、南木氏のついに?6冊目!
「冬物語」は、「医学生」を書かれたあと(1993年頃)の1995年~1996年末までに書かれた短編小説を集めた本となります。
「川岸にて」 1995年6月
「空の青」 1995年12月
「赤い車」 1996年1月
「晩秋」 1996年2月
「タオルと銃弾」 1996年3月
「冬物語」 1996年4月
「ウサギ」 1996年6月
「急須」 1996年7月
「スイッチバック」 1996年8月
「木肌に触れて」 1996年9月
「となり町で」 1996年11月
「芝生」 1996年12月
南木氏の興味深い?一面を知ることができました。
・昭和57年3月(ご病気をされる前)に酒酔い運転で免許取り消しになられていること
私自身も、学生時代にオートバイを無免許で運転するということをして、くるまの免許を免停にしたことがありましたが、そのあと、悔しいので、バイクの免許をとるということがありました。 ( ̄◆ ̄;)
・学生時代に乗っていたくるまを廃車にするとき、山へ捨てられていること
私自身は、くるまをあまり運転はしませんが、好きではあるので、手放すときに、“捨てる”発想は無かったので驚きでした~。
「スイッチバック」は、「ダイヤモンドダスト」の続きのように思います。「ダイヤモンドダスト」後、父親が逝去されるまでの話となります。
「木肌にふれて」、研修医時代の物語になります。
・・・(中略)検査をし、診断を下したところで患者に逃げられる医者になってしまった。それはもはや医者ではなく、単なる検査屋である。これまでに教えられた事を正しく実行しているはずなのに、患者は去ってしまう。なぜなのか。あまりの若造に命を託す気になれないのか。日々嘘ばかりついている目の濁りを敏感に察知されてしまうのか。・・・(後略)
自分自身も学生時代に、塾講師をしたことがありますが、中学1年から教えてきて、中学3年の受験時期になって辞めていった生徒がいました。やっぱり、あまりの若造に「高校受験」を託す気になれなかったのかもしれませんね。ほろ苦い経験です。
「あとがき」より
この1年余り、短編小説を書き続けて発見したことは、
あまりにもはかなく淡い己の姿だけだったような気がしてならない。
「解説」より
「やさしさ」というものが、小説の中心に浮かび上がってくることもあるのだと、南木佳士の作品に出会って初めて思った。・・・
「あとがき」、「解説」は言い得て妙なのかな。読んでよかったです。
ありがとうございました。m(_ _)m
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南木佳士さんの作品、色々ご紹介ありがとうございます(^_^)
特に冬物語は、ご自身の若い頃の姿が投影されているようで興味深いです。意外に豪快な一面がおありなんですね。
いつか手にとってみたいと思います。
投稿: 山陽のキキ | 2012年12月14日 (金) 08時29分
コメント、ありがとうございます!
o(_ _)oペコッ
最初に南木氏の本、ご紹介をいただき、ありがとうございました!
自分に合っていたのかな?、あるいは、ブックオフで上手く(廉価に?)まとめ買いをしてしまったから?、
読み続けております・・(^-^;
投稿: adler | 2012年12月15日 (土) 17時00分