The rule of 72
先日(12/8、慶應大学にて)、保険フォーラムへ行ってきました。
そこで、大垣氏(立命館大学 教授)、出口氏(ライフネット生命社長)より、「The rule of 72」の説明がありました。
以前にも聞いたことはありましたが、忘れてしまうので、記録しておきたいと思います。
「72の法則」は、「金利(%)×年数(年)=72」という数式で表わされ、資産運用において、元本を2倍にする場合のおおよその年数や金利が簡単に求められる法則ということです。
これは、イタリアの数学者で「会計の父」とも呼ばれるルカ・パチョーリが、1494年に「スムマ」と呼ばれる数学書で述べたとされる。具体的には、この数式の「金利(%)」に適当な金利(年1回“複利”利回り)を入れると元本を2倍にするのに必要な年数が、一方で「年数(年)」に運用年数を入れると元本を2倍にするのに必要な金利が求められる。
例えば、100万円の資金を6%の複利で運用して2倍の200万円になるのは、「72÷6=12」より、約12年後ということです。
バブル期前の一時払養老保険(配当率込み)では、10年で十分に2倍となりましたが、いまは・・・
一般に「72の法則」は、金利において、8%付近が一番正確に適用でき(誤差が一番小さく)、概算として使えるのは、その上下プラスマイナス2%くらいまでとのこと。すなわち、6%から10%くらいまでの複利計算なら、本法則が使えるが、これを外れると誤差が大きくなる。なお、実際に概算で使うなら、72ではなく、69.3がよいとされ、英語では「rule of 69.3」や「rule of 70」と呼ばれることもあるそうです。
上記2つ目の近似、「 nの2乗に比べて、nは無視できるほど小さい」としている前提が概算となるところ。
もう一つの方法は、
底をeとして両辺 log を取ります。
微分可能な関数 f(x) の x=0 周りでテイラー展開をlog(1+x) に適用すると
よって、
ここまで見てきた時点で、「72の法則」の精度が良くはないということです。ある求め方では73になり、他の求め方では69となります。そこで、今回の法則はだいたいのアタリをつけるためのものだそうです。
ではなぜ、「72」という数字で名前がついているのでしょう?
69と73の間をとって71とかする方が自然だったり、70の方が区切りが良かったりという考え方もできそうです。正確さでいうと69の方が72よりも良いとのこと。
しかしながらこの「72」ではなくて、他の数字だったらこれほどまでに有名になることはなかったといわれます。理由は素因数分解によるようです。
69から73付近の整数の中では72が最も約数が多く、割り算がしやすい数ということになります。できるだけ多くの人が素早く、抵抗なく計算できる数ということで、72という数が採用されたようです。
勉強は継続しないといけませんね。ありがとうございました。
m(_ _)m
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