「がん保険のカラクリ」(岩瀬大輔著) を読んで
本著はがん保険に留まらず、幅広い観点から書かれている内容でした!
序章で、岩瀬さんも本当のタイトルは『民間医療保険のカラクリ』と言われていましたが、民間医療保険を語る上では、公的医療保険のことにも触れることとなります。
もし自分が命名するとすれば、キャッチーではなくて大変恐縮ですが、「医療保険(民間及び公的)のカラクリ」かな、と思いました。
とても勉強になりました。ありがとうございました。
岩瀬さんの以前の著書「生命保険のカラクリ」も素晴らしいと思いましたが、それから3年の経験と知識の蓄積を踏まえて、更に深みのある内容になっていると思いました。
生命保険業に携われて5年で、ここまでの知識、経験を積まれることは並大抵ではないと思います。
とくに、
・がん保険の歴史(アフラックの歴史)
・社会保障制度(とくに公的医療保険制度)の歴史
これらを数字とファクトでロジックを組み立てられて、一つの結論を導かれている。
例えば、
○高齢者は保険よりも貯金を、老後の生活に「生命保険」は必要ない。
○高齢者は「(私的)医療保障」も貯蓄で対応すればよい。(医療貯蓄口座のすすめ)
本書の中で、1点、考えてしまったところをご紹介します。
***
生命保険の仕事をやればやるほどに、扱う商材がいかに特殊であるかということを痛感する。がん保険がその典型かもしれないが、需要喚起には必ずどこかに「不安」の要素が含まれ、あるいは「残された家族への愛情」という情緒的な側面もある。金融商品として本来考えるべき手数料や投資効率といったものはおざなりにされる。商品を体験するときは保険事故に遭った時であるから、実際に体験する人は極めて少ない(死亡保険に至っては既に亡くなっている)。一生のうちに何度も買う商品ではないから、知識を身につけるきっかけも少ない。今すぐに手元に無くても直ちに困る商品では無いので、購入手続きは後回しにされがちであり、それを後押しする「対面チャネル」が大きい影響力を持つようになる。
これらの要因があいまって、「普通の」ビジネスであれば通用する常識が通用しないことが多い。この特殊性が生命保険という一つの業界を築き、長く支えてきた、そして、変革のスピードを妨げるものなのかもしれない。
「君たちがやろうとしているのは、革命を起こすようなものでしょう。革命は1年2年では起こらない。フランス革命だって10年はかかった。だから、腰を据えてやりなさい。」
開業当初に業績不振で悩んでいた頃に、ある方にアドバイスされた言葉だ。あれから5年が経過しようとしているが、『アンシャン・レジーム(旧体制)』は動きつつあるのだろうか。
***
フランス革命前の古い体制を「アンシャン・レジーム」と言うそうですが、これまでの生命保険業界を、旧体制と全否定する「アンシャン・レジーム」とまでは思っていないところがあるためです。
今後、マルチチャネル化(出口さんの言われる、「富士山」から「八ヶ岳」)はさらに推進されていくと思いますが、岩瀬さんも書かれています“消費者の生命保険に関する理解の深化のためにも”、≪Face to face によるニードセールス≫も必要だと思います。
もちろん、同時に「効率化」、「生産性の向上」は求められてくることは理解しています。
まだまだ、再読、再々読して深めていきたいところですが、本日はここまでとなります。
ありがとうございました。
m(_ _)m
参考) 過去のブログ、「日本の公的医療保険制度と民間生命保険会社の役割について」
岩瀬さんは、より数字とファクトでロジックを組み立てられていましたね。
http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-622a.html
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