安岡正篤(やすおかまさひろ)氏について
「左遷の哲学」の著者 伊藤肇氏が自ら“師”といわれている安岡正篤氏について、ちょっと知りたくなり調べてみました。
以前、伊藤肇氏については、下記の本で興味を持ちました。そこで、その師と仰がれています安岡氏とはどんな人物なのか?
伊藤氏は、「サラリーマンの一生」の城山氏との対談の中で、次のように語られています。
「僕の人生の師と言ったら、安岡正篤先生です。安岡先生という方は日本一の陽明学者です。朱子学というのがありますね。それに対抗して、王陽明が陽明学という学問を立てたんです。その陽明学者じゃ日本一なんですよね。ところがほかの陽明学者と違うところがある。先生は英語とドイツ語は原典で読まれる。近代ヨーロッパ文明についても造詣が深い。いわゆる漢学者の講義っていうのは堅苦しくて面白くないわね。ところが、先生の場合は近代(ヨーロッパ文明)が分かるから、非常に僕らに分かるように講義してもらえるわけね。それから実践があるんです。歴代の総理の指南番であったり、財界に弟子がおられたりしてね。だからその点、先生に巡り合って、原理原則の師というのかな、そうした人を得たという感じなんですねえ。
↓「サラリーマンの一生」伊藤氏と城山氏の対談集はコチラ
http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-1f80.html
↓伊藤氏の「左遷の哲学」についてはコチラ
http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-d946.html
以下はネットで調査!
昭和の名宰相とされる佐藤栄作首相から、中曽根康弘首相に至るまで、昭和歴代首相の指南役を務め、さらには三菱グループ、東京電力、住友グループ、近鉄グループ等々、昭和を代表する多くの財界人に師と仰がれた安岡正篤(1898年~1983年、85歳逝去)。
・安岡正篤師は、その東洋学に裏打ちされた該博な知識と人物としての魅力によって、日本のトップ・リーダーたちに、わが国の進むべき道を、常に指し示してこられた。
・「平成」の元号の考案者、「いつか昭和が終わったら次は平成というのはどうだろう?平和が成り立つという意味だ」と言われたそうです。
ウ~ム、最近は危ない日本となってきていますネ・・・
安岡正篤師は昭和20年8月15日、昭和天皇によるいわゆる「玉音放送」で発せられた「終戦の詔勅」の草案作成にも関わられています。
しかし安岡正篤師の本当のすごさは、その人格が慕われ、没後30年たった今日にしてなお、安岡師の人徳、人柄を慕い、私淑する人が多いということです。
今日的な言葉でいえば、その「人間力」が、死してなお、多くの人たちに深い感化の力を持ち、影響を及ぼしているということです。
陽明学(ようめいがく)とは、中国の明代に、王陽明がおこした儒教の一派で、“孟子の性善説”の系譜に連なる。日本では、江戸時代に中江藤樹によって初めて講説された。
陽明学という呼び名は明治日本以降広まった。
幕末の維新運動は陽明学に影響を受けている。吉田松陰、高杉晋作、西郷隆盛、河井継之助、佐久間象山、大塩平八郎が歴史上にいる。
財界では、岩崎弥太郎(三菱財閥の創設者)、澁澤栄一、東郷平八郎がいる
ほかにも、幸徳秋水、富岡鉄斎、三島由紀夫、そして、安岡正篤
一方、安岡正篤氏は、陽明学のイメージを「帝王学」にしてしまった点で、本来は「心学」である陽明学イメージを変えた(歪めた)という意味で、功罪があるらしい。若い頃は西洋の思想・宗教・哲学・文学なども耽読し、東洋思想に辿り着き、安岡の著作を読むと陽明学にとどまらず、『東洋宰相学』『日本精神の研究』など膨大な著書は多岐にわたり「人間学」として大成されたもので、陽明学者としてのみ位置づけるのは本質を欠くとも言えるそうです。
安岡正篤氏の入門とも言える本を(ブックオフで)ゲットして、読んでみました。
感想はまた今度にしたいと思います。失礼しました。m(_ _)m
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