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2013年12月29日 (日)

「再生巨流」 (楡 周平著) を読んで

以前、楡 周平著の「フェイク」を読みました。

ア試験後、どうしてもブックオフに寄ってしまい、「再生巨流」が廉価に置かれていました。

“金融経済小説”には興味があるということで、ご紹介していただいていたこともあり、早速購入、読んでみました。

 

主人公の吉野公啓氏が強烈なトップダウン型で部下を殴るワンマン部長なので、個人的には嫌いなタイプで、「フェイク」に続き、自分にとっては魅力ある主人公ではないのかな~と思ったのですが、左遷となってから少しずつ変わっていく(成長していく)ところで、なんとか許せました・・・?

 

左遷により打ちのめされた吉野が、同じように挫折を味わっている男たちとともに、スバル運輸という物流大手の会社を舞台に、画期的なインベントリーコントロールによるロジスティックス(物流システム)の実現に再生を賭ける経済小説となります。

 

「経済小説」ですが、「金融経済小説」ではありませんでしたネ!

 

かなり強烈な主人公吉野の言動で、とくに印象に残ったところは、

・予め準備してきた資料を机の上に置いた。A4の紙に5枚ほど。提案の内容に比べれば、極めて少ない枚数だったが、こけおどしのように分厚い資料を用意するのは能なしのやることだ。どんな壮大なプランでも、ポイントを突き詰めて書けばこれでも多いくらいだ!

→なるほど~

B to BB to C、はよく言いますが、B to BCと言うところがありましたが、新鮮でしたネ。

・どんな会社にも常に会社を思い、未来永劫に亘って事業が成長し続けることを願っている人間はいる。その人物が首を縦に振れば「プロジェクト」は絶対実現へと向けて動き始める。

・熱意には熱意を、情には情を以って応える。

・(吉野の父親の死に際して)面会時間の終わりは八時である。八時と言えば、俺が社主の了解を取り付けた時間だ。“思い”がそこに至った時、社主への直訴が思いもよらぬ形で成功したのは、見えざる何か、いや、父の霊が自分の夢を叶えさせるべく力を貸してくれたのかもしれない。そんな気がしてならなかった。

日ごろ信仰とは無縁の吉野も、この時ばかりは心の中で手を合わせ、今は亡き父の霊に感謝の祈りを捧げながら、これだけの代償を支払ったのだ、この「プロジェクト」は何があってもものにしなければならない、と天を見上げた。

・(物語の中で、文房具用品から簡単な家電製品や飲料までカタログ販売をしているプロンプトという大手企業について)プロンプトのビジネススキームは確立されたものであるがゆえに、そう簡単に臨機応変な対応ができるとは思えません。わが社の現行のビジネスにしたところでそうじゃありませんか。競合他社が急に料金を変えた、あるいはサービスレベルを上げたからと言って、すぐに対応することができますか。組織が大きくなり、オペレーションが出来上がっている大企業ほど、素早い動きなどできるものではありません。

・そう、どんな人間でも将来に希望を見出させてやること。それが必要だったのだ。俺は今まで自分だけの夢を追い求めてきた。しかしもっと大切なことがある。何かが吉野の中で変わりつつあった。その感触を噛みしめながら、吉野は電話に手を伸ばした。

・(吉野の会社、スバル運輸の関連会社)スバル情報システムは、システム構築はもちろん、物流全般にわたるコンサルティング業務を生業としている会社です。一括受注させていただければ、当然コストは安く済みます。それにシステムを新たに構築するといっても、一から始めるわけではありません。既存のパッケージに御社独自の要件を加味してモディフィケーションすればいいだけですからね。

→ココはシステム部門に永くいると、かなり楽観的な考え方なのでは、と思いました。パッケージ導入に際して、パッケージの機能をベースにカスタマイズを最小限にすることは、よくある考え方だと思いますが、ここに関係者全員の調整をつけることの困難さ、かなりの労力を要することが想定されていないナ~、と思いました

・この手の「プロジェクト」はな、進捗状況の管理がキーになる。コミッティのメンバーは毎週月曜日にミーティングを持つことにする。その際にその週の達成目標を決めると同時に、進捗状況をチェックする。もしそこで前の週に提出した目標が達成されていない場合は、その原因を徹底的に追及する。

そしてさらに毎月1回、メンバー全体の会議を持ち、多角的な視点から全体の問題点を洗い出し、その都度軌道修正を行っていく。

・世間ではとかく“コンサルタント”というと、何やら万能の神の集団のように思いがちだ。常に学生の就職希望の上位にコンサルタント会社があるのが何よりの証拠だ。だがな、考えてもみろ。コンサルタントの言うことに従っていれば、会社の経営がうまくいくというなら、社長なんていらねえぞ!

だがな、「プロジェクト」には、第3者によるチェックによる証明が必要になる。かと言って意に沿わないものが出てきても困る。ここに、コンサルタントの使い道がでてくる。あいつらは「データ分析」にかけてはとてつもないノウハウを持っている。それでも、データ分析なんて大した頭はいらねえ。極端な言い方をすれば単純労働。力仕事だ。そんなことに関わっている暇は俺たちにはねえ。頭を働かせ、考えに考え抜きゃなきゃならねえことが山ほどあるからナ。

→う~ん、どうなんだろうな~、と思いました。自分はドラッガー好きです。ドラッガーは世界で初めての経営コンサルタントと言われていますよネ。

・人間ってもんは不思議なものでな。仕事がデカくなればなるほど、想定外の事が起こり、予算が膨らむのも当然だと考える。納期や完工時期が遅れるのも仕方が無いとも思うのさ。だがな、俺に言わせりゃそんなものは単なる甘えだ。どんなでかい「プロジェクト」でも、期日も予算も当初の予定通りに収めることができなきゃ成功とは言わねえ!

→確かに、そう思います。

・問題解決のヒントは、常に現場にある。→踊る大捜査線ダ~!

・マーケティングの用語で、【ステルスマーケティング(stealth marketing)、ステマ】が出てきました。

英語の Stealth」(隠れる、こっそりする、隠密)に由来、アメリカではアンダーカバー・マーケティング(Undercover marketing)とも呼ばれる。2011年ごろからステマと略されるようになった。

第三者的な立場を偽装して、特定の企業や製品について、宣伝と気付かれないように商品を宣伝したり、商品に関するクチコミの発信・伝播を図る行為。情報発信に関して企業の介在があるにもかかわらず、そのことを情報の受け手に隠したり偽ったりして行われる情報発信全般を指す。「口コミによる効果」につながるようですが、身元や宣伝が目的であることを隠して行われるため消費者をだます側面もあり、「サクラ」や「やらせ」との線引きが困難であると言われている。

→知りませんでした。新鮮でした。

・ここから先どんな待遇を勝ち取るかはお前の才覚と努力次第だ。これからは頭に汗をかけ。脳みそに錐を刺し込んで、血が吹き出るまで考えろ。ビジネスにこれで充分という言葉は無い。どうしたら今より一銭でも多くの利益を上がられるか。自分の夢を実現できるか。それを常に追い求めるのが仕事だ!

 

「考えろ、考えろ、マクガイバー!」ですネ。

あと、“マーケティング”と言えば、フィリップ・コトラーを少し調べたことがありましたが、そこに出てくるマーケティングのPにでてくる、Place(流通チャネル)にスコープした物語なのかナ、と思いました。

 

ありがとうございました!

m(_ _)m

 

追伸:テレビ化(WOWOW)されているとは知りませんでした!?

強烈なワンマン部長、吉野役を渡部篤郎氏が演じられていました。

ちょっとイメージ違うような・・・、物語の中での吉野は、ずんぐりした体躯にぎょろつく目、薄くなった頭髪、タバコのヤニが付いた歯、と書かれていました。

ネット上に、動画がありましたので、ちょっと覗いてみました。やっぱり原作とはちょっと違ってましたヨ。

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