「神様からひと言」 荻原 浩 著 を読んで
面白かったですヨ!
大手広告代理店を上司と喧嘩をして辞めて、「珠川食品」に再就職した佐倉涼平。
入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する涼平。実は、プライベートでも半年前に5年間同棲していた彼女「リンコ」に逃げられていた。
「神様からのひと言」とは、次の二つの意味があるようです。
1.「珠川食品」の社訓“お客様の声は、神様のひと言”として出てきます。 それと、
2.彼女「リンコ」に戻ってきてもらえるように、再会できたときの最初の言葉をアドバイスしてもらった、公園に行くと会うことができるジョン(実際はハウスレスのひと)のひと言を“神様のひと言”と言われています。
とても洒落ていますよネ!
そのひと言は「また、よろしくぅ」で、ハッピーエンドでした ヽ(´▽`)/
読んでいて、なるほどネ、と思えたところを書き留めておきます。
「部長だ課長だ役員だなんて言ったって、しょせん鍋の中で昆布とちくわが、どっちが偉いかなんて言い合ってるようなもんだ。考えてみ、このおでん屋じゃ“牛スジ”が一番高くて偉そうだけど、他の食い物屋へ行けば使っちゃもらえない。こんにゃくはここじゃ安ものだけど、味噌田楽の店に行けば堂々のエリートだよ!」
「ちくわぶは言って見れば専門職。天職を見つけたやつだな。よそには行けないけれど、おでんの中では存在感を示すことができる。似ていても、ちくわはよそにも転職が可能だ。そう考えてみれば、簡単だろ。お前がこのじゃがいもだとする。おでんの中なら、ただの平社員だ。でも肉じゃがの皿の中なら共同経営者だよ。じゃがバタなら押しも押されぬ社長!、社員はバターと塩だけだけれどな」
「会社の序列なんて、たいした順番じゃないんだよ。一歩外に出たら、ころりと変わっちまうかもしれない。でも、子どもの時から一生懸命に競争して、ようやく手に入れた順番だからね、そこからこぼれ落ちたくないんだな」
「みんな、何が怖いんだろな・・・人のことは言えない。俺もだよ・・・俺は何が怖いんだろう」
そして・・・
涼平は、有益でも合理的でもないことがしたくなったのだ。時代のトレンドも、消費者のニーズも、他者を蹴落とす戦略もない場所へ行くことに決めた!
2002年10月に書かれた物語でした!
ありがとうございました。m(_ _)m
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