「ひとりの老後は大丈夫?」を読んで
これは、一人暮らしの達人でもある、吉沢久子さん、岸本葉子さん、による表題をテーマとした対談集となります。
岸本葉子さんは、今は無き元会社の先輩でしたネ~。
きっと岸本さんは覚えてはいないと思いますが・・・(ざんねん!)
自分が新入社員として入社をしたときに、人事部採用教育室におられました。
新入社員研修で、研修を主催する側で来られていましたので、何度か話をさせていただきましたが、このときは、この会社に入ってよかった~! こんな綺麗なひとがいるんダ~、と思ったものでした・・・
(* ̄ー ̄*)
吉沢久子さんは、今も96歳でお元気にお仕事をされている方ですネ。
私の健康の素
吉沢さんの場合、「食べることを大切に!」
岸本さんの場合、「睡眠をたっぷり取ること!」
岸本さん
「みなさん、老後の不安とか、病気の不安とかがいっしょくたになって、ひとりは寂しい、怖いと思っているのかもしれません。そこはきちんと分けて、それぞれに対処していけば、漠とした不安は消えていくだろうと思います。それでも残る寂しさがあるとすれば、それは人間の根源的な不安であって、解決できないもの、寂しさをもっているのが人間なんだと割り切ることだと思います。」
「不安に苦しむよりも、そのときにできることをする」
吉沢さん
「世の中どうなるか分からないから、不安に惑わされない」
岸本さん
「70歳の方の賃貸マンション探しをお手伝いしたことがあります。結果的には、その年齢でも、高めの保証料を払って借りられることになったんですけど、その物件に至るまでけっこう何軒も断られました。ご本人は1千万円くらいの年収がある女性だったし、社会的に安定した職業にあるごきょうだいが保証人になると申し出てもいたのに、それでも言を左右にして断ってきました。仲介業者に訊いても理由がよくわからない。それで、これは年齢を問題視しているんだなと思いました。みなさんに、高齢者のひとり暮らしでも賃貸住宅に住めますよ、と言いたいところですが、なかなか難しいものがあります。一生涯の収支で言うと、買う方がいいかどうかは分かりらないけれど、やはり、マンションなり自分名義の住まいを確保しておいた方が安心ではないかと思います。」
吉沢さん
「今の時点で、今できることをして心を安定させるよりほかないですネ。」
岸本さん
「今、気が済むようにするしかありません。それについて考えられる手は打ったぞ、と。そこで気が済めば、ほかのことができます。仕事に一生懸命取り組むとか、積極的に趣味を持つとか。」
吉沢さん
「備えだけのために今の生活を犠牲にするのは嫌ですネ。」
岸本さん
「備えあっても憂いありです。」
吉沢さん
「ひとりで生きている責任がありますから。まったく老後やお金のことを考えないわけにはいきませんが、固執ばかりしていても、生活は楽しくないですよね。」
「なるべく自分のことは自分でできる能力を保つように、今日できていることは明日もできるようにしたいですネ。そうしているうちにコロリと死ねばいいし。だから、私はあまり考えすぎないようにしています。倒れるまでは自分で生活するっていう気持ちで。」
「小さな幸せに感動する心と、世の中を見る目を持って、老後を明るく生きる。」
「自分の価値観をしっかりもたないと、世の中に翻弄されてしまいます。心が健康でなければ、毎日額にシワを寄せてくらさなくてはなりません。庭に飛んでくる小鳥の様子を見ているだけで楽しいし、花が咲いていればうれしい。そういうことに感動できる心さえあれば、なんとか生きていけるものです。小さな幸せが見える人になれば、人を妬むこともなく、心はいつも平穏でいられます。その上で、世の中全体のことも見ていけば、人間の幸福がどこにあるかも見えてくる気がします。
岸本さん
「わたしの父は、何の備えもしていなかった人ですが、先々の自分を考える上で唯一参考になると思うのは、ヘルパーさんや看護師さんに「ありがとう」が言えることです。やはり、最後は感謝の気持ちが人の心を動かすんですネ。父を見て、私も「ありがとう」で、一人の暮らしを乗り切ろうと思いました。
よかったです!
ありがとうございました~!
m(_ _)m
« 平成26年、公的年金について | トップページ | 2014年 ボランティアデー、アンド・・・ »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 瀬戸内寂聴さん(1922年5月15日~2021年11月9日、享年99歳)が51歳で得度される前年に出版、40歳から50歳までに書きためられたエッセイ「ひとりでも生きられる」を読んで(2025.03.16)
- 瀬戸内寂聴さん、70歳のときのエッセイ「孤独を生ききる」を読んで(2025.02.01)
- 瀬尾まいこ氏の著書は「あと少し、もう少し」、「図書館の神様」に続く、約6年ぶりの3冊目、2019年の本屋大賞にも選ばれた「そして、バトンは渡された」を、試験後の癒しとして読んでみました~!(2024.12.21)
- 岩波文庫「読書のすすめ」第14集、岩波文庫編集部編。非売品。最近、読書量が減っているので、薄いけど面白そうでしたので、古本屋さんで200円でしたので、買って読んでみました!うん、面白かった!!(笑)(2024.12.01)
- 新型コロナ禍の2020年6月から2021年6月末まで、朝日新聞土曜別刷り「be」に掲載された、小池真理子著「月夜の森の梟」が文庫化されたので、一気に読んでみた~!(2024.02.16)
コメント