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2014年9月 8日 (月)

「コラプティオ」  真山 仁著 を読んで 

(あらすじ)

東日本大震災、原発事故の後遺症で苦境が続く日本に、有言実行を旨とする宮藤総理が登場したことで、明るい兆しが見え始めた。内閣調査官・白石は、異能の首席秘書官・田坂と共に、宮藤が掲げた“約束”の実現に向けて奔走する。白石の同級生で大手紙の記者・神林は、先輩の名物記者・東條に叱咤されながら、政府・企業を相手のスクープ取材に身を投じていく。物語の舞台が政情不安を抱えるアフリカの小国、ウエステリアに及んだ時、誰も予想しえなかった危機が幕を開ける。

 

そして、

corruptio ラテン語で「汚職・腐敗」の意

 

その宮藤政権が、原子力発電の燃料となるウランを巡って、腐敗/専制化していく姿を記した小説です。

 

***

(真山氏インタビュー記事より)

『コラプティオ』で描かれた舞台設定は、3.11の東日本大震災後の日本である。さらに、震災復興の中から現れたカリスマ総理が原子力政策を推進するという驚きの内容だ。

「政権交代当初から注視していましたが、どう考えても政治がこのままで良くなるとは思えませんでした。そこでまず、強いリーダーシップを持った総理はどういうものかを提示したかった。『コラプティオ』は102月から始まり、11年の3月に完結した連載小説でしたが、震災と原発事故を踏まえて作品を発表すべきと考え、原稿用紙換算で約500枚分を書き直しました」

「今回の挑戦の一つは『政治って面白い』と読者に感じてもらうことにあります。そのため、政権を担っている60代の視点ではなく、あえて政治の世界で初心者扱いされている30代の2人の主人公の目線で物語を進めました。普段は政治に馴染みがない若い人に政治の醍醐味を感じてほしいと考えたためです。そのうえで、政治に関心を持つことで社会を変えられるかもしれない、と思ってもらえればうれしいです」

 

小説は「日本再生」の鍵として原発輸出を掲げている。

福一の事故の決着がどうなるのか分からないとはいえ、おそらく当分は、原発はタブーとなるだろう。世界中の原発が停まる可能性もあった。そんな中で、同作を従来通りの構想で終わらせるわけにはいかない。それどころか、作品を発表するべきではないのかもしれないとまで思った。

 

日本も世界も原発を切り離せないところまで来ているという事実から目を逸らすべきではない。そう感じた。

 

小説とは、時に現実には起きそうもない事態を想定し、読者に問題提起をするものだと考えている。そういう意味で、『コラプティオ』は、私自身が小説家としての覚悟を再確認できた忘れられない作品である。

 

***

「日本経済新聞」より

二重の意味できわめて刺激の強い近未来ポリティカルサスペンスだ。どちらも「震災後」日本の明日にかかっている。ぎらぎらと強すぎるのは作者の個性か。

 政治に強力なリーダーシップを求める声はよく耳にする。本書に登場する首相はプーチン型の独裁者だ。疲弊した国民に希望を与え、ナショナリズムを鼓舞する。この人物は、ウラン資源を求め、アフリカの政情不安定な某国(架空)と太いパイプをつなぐ。これがメーンプロット。

 ここから、本書の第2の(強烈すぎる)テーマが浮上する。それは「もっともっと原発を推進せよ」だ。狭い日本に原発を増やせ、ではない。原子炉輸出を基幹にすえた国家ビジネスで広い世界に打って出よ、というのだ。

他に再生のオプションはない? 

これは数年前の著者の作品『マグマ』で地熱発電の可能性を描いた作者ならではの「提言」だろう。

***

そこで、ある方の「マグマ」を読まれての感想では、

「マグマ」、この本が書かれたのは、20062月。

実に手際良く、地熱発電の仕組みについて解説している。著者の綿密な取材がうかがわれる。そして、地熱発電に未来を託して、環境を保護し、持続可能なエネルギーとして位置づけている。単なる小説では無く、地熱発電のことを理解する本としても、非常に役に立つ本である。

この本だけで、地熱発電について判断を下すのは適切ではないが、日本の地熱発電は政府が主導して、規制を適切に運用すれば、非常に有望なのではないかと思われる。

***

 

地熱発電を理解し、原子力発電に代わる代替エネルギーを勉強されている真山氏が、それでも原子力発電の技術を国家戦略にせよ、とする提言には重みを感じました。

 

今の安倍政権は、この本を参考とされているのでしょうか!?原子力発電の技術を海外に売ろうとしていますよネ・・・

 

日本のエネルギー自給率はたった4%。風力や地熱などの再生可能エネルギーでは、いまだ原子力発電を代替できない。また、原発の停止によってLNG火力発電の燃料費がかさみ、1日当たり100億円の国富が海外に流出しているらしい。

 

今年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」(要旨)でも、原子力発電がベースに置かれているのですネ・・・両論併記でお茶を濁している感ではありますが・・・

 

一、福島の復興・再生を全力で成し遂げる。東日本大震災前に描いたエネルギー戦略は白紙から見直す

一、原発はエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である

一、原子力規制委員会が規制基準に適合すると認めた場合、その判断を尊重し原発の再稼働を進める。国も前面に立ち、立地自治体の理解を得るよう取り組む

一、原発依存度は、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入などで可能な限り低減させる。安定供給、コスト低減などの観点から、確保していく規模を見極める

一、核燃料サイクル政策は、再処理やプルサーマルなどを推進し、中長期的な対応の柔軟性を持たせる。もんじゅは廃棄物の減容・有害度の低減などのための国際的な研究拠点と位置付け、研究計画の成果の取りまとめを目指す

一、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の立地選定で、国は科学的により適性が高いと考えられる地域を示し、立地への理解を求める

一、再生可能エネルギーは重要な低炭素の国産エネルギー源である

一、再生エネルギーは平成25年から3年程度、導入を最大限加速し、その後も積極的に推進する。これまでの基本計画を踏まえて出した水準(32年に13・5%、42年に約2割)をさらに上回る導入を目指す

一、再生エネルギーの関係閣僚会議を創設し、政府の司令塔機能を強化する

一、電源構成は、原発の再稼働、再生エネルギーの導入、地球温暖化の国際的な議論の状況を見極めて速やかに示す

一、国と電力会社は「安全神話」に陥り、悲惨な事態を防げなかった深い反省を一時たりとも放念してはならない

一、水素社会の実現に向けて取り組みを加速する

一、再生エネルギー・省エネルギー技術、原子力などのインフラの国際展開を推進する

一、電力、都市ガスの小売りを全面自由化する方針。エネルギー市場を統合し、総合エネルギー企業への発展を促す

※「水素社会」とは、従来の化石燃料は、燃焼させるとCO2を排出しますが、水素は廃棄物として水しか出さない文字通り“クリーンエネルギー”です。しかも、水素は化石燃料の3倍以上の燃焼エネルギーを持っていますので大規模電力発生源として申し分ありません。また、水素と空気との化学反応を利用した燃料電池では小規模分散型電源として自動車を動かすことができます。勿論、放射能も出しませんし、化石燃料のように、産地に偏存することも無く、枯渇の心配もありません。したがいまして、地球温暖化問題や大気汚染も無く、資源戦争も無い平和で人間らしさ世界を取り戻すための夢のような社会を創りだします。この水素社会の立役者“水素”を如何にして自然エネルギーから経済的に作りだし、かつそれを安全に取り扱うかが、大震災から立ち直ろうとする日本の「課題」です。

 

個人的には、原子力発電を無くせるように、まずは縮小する努力をすべきでは、と思っております。

後代世代に負債を残すことになると思うからです。「社会保障制度」と同じです。

 

ありがとうございました!

m(_ _)m

 

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