「お任せ!数学屋さん」 (向井湘吾著)を読んで
なかなか面白かったです!
数学の苦手な中学2年生の遥(はるか)の前に、不思議な転校生・宙(そら)がやってきた。宙は突然、どんな悩みでも、数学の力で解決する「数学屋」なる謎の店を教室内で開店するが・・・・
第2回ポプラ社小説新人賞を受賞し、大反響を呼んだ感動の青春“数学”小説!
著者、向井湘吾氏は、1989年神奈川県生まれ、県立湘南高校時代、日本数学オリンピック予選でAランクを受賞するほど数学に秀でていながら、東京大学の文系科類に進まれたという異色の経歴の持ち主。数学をテーマに、少年少女の友情や心の成長を生き生きと描いたその作品には、理系と文系とをつなぐ翻訳者のような、向井氏ならではの視点が活かされています。
(あらすじより)
自分自身は理系の大学に進みながら、「数学」の部分については、忘れてしまったのか、初めから知らなかったのか、とても新鮮に読むことができましたヨ・・・
ここでは「物語」というよりも、でできた「数学」の部分について、復習のつもり?でやり直してみます!
「素数」とは、1とその数以外を約数に持たない正の整数。
その「素数」が無限にあることの証明。
いま、“最大の素数”があるとして、それをXとする。
Xは、Xと1以外で割り切ることができない。
X!は、1からXまで、全整数の倍数になる。1からX、どの整数でも割り切れる。
X!+1は、X以下のどの数字で割っても1余る。X以下の数では割り切れない。
もしXが最大の素数であるならば、矛盾することになる。
よって、「素数」は無限に存在する。
≪別解≫
素数が有限個しかないと仮定する。
その有限個の素数全体を p1、p2、⋯、pn とおく。
ここで、p=p1p2⋯ pn+1 という数を考えると、p はどの pi でも割り切れないので素数となる。
しかし、pはどの piよりも大きく、素数全体の集合に入っていないので矛盾する。
また、オーストリアの心理学者アルフレッド・アドラー(1870-1937)のーの言葉も出てきましたヨ!
「不安は伝染する」(P263)
もとは、「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する」。もっとも、「臆病は伝染する」は、起源をたどれば、ロバート・ルイス・スティーヴンスン『宝島』(1883年)に出てくる言葉で、「他方、議論は人を勇気づける」と続く。
They say cowardice is infectious; but then argument is, on the other hand, a great emboldener.
あと言葉だけではありましたが、『素数定理』、『リーマン予想』が出てきました。
『素数定理』とは
1から
nが十分大きいとき、π(n)≈n/logn となる
ありがとうございました~! m(_ _)m
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