「星間商事株式会社 社史編纂室」 (三浦しをん著) を読んで
三浦しをん氏の「木暮荘物語」がとてもよかったので、手に取ってみました!
面白本でしたネ!よかったです!
『内容紹介(裏表紙より)』
川田幸代29歳は社史編纂室勤務。
姿の見えない幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、ダイナマイトボディの後輩みっこチャン、「ヤリチン先輩」の矢田がそのメンバー、ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌制作、販売)に没頭するはずだった。しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。決断の時が迫る。
主人公 川田幸代の趣味は同人誌とありますが、実は“腐女子”の同人誌を制作、販売すること。
“腐女子”とは、男性同士の恋愛(BL:ボーイズラブともいう)を扱った小説や漫画などを好む女性のこと。「婦女子」(ふじょし)をもじった呼称。
実は著者の三浦しをん氏も“腐女子”であって、語らせるとスゴイとのことでした!
三浦しをん氏(本名同じ、1976年(昭和51年)9月23日生まれ)は、日本の小説家・随筆家、とありました。今年40歳、独身。
この物語を読んでみて、勝手判断で申し訳ありませんが、三浦氏は、結婚に理想を求めず、自分の好きなことを好きなようにする「自由人」な印象を受けましたネ。良いな~と思いましたヨ!
なぜか!?物語には次のことが書かれていました
幸代はべつに出世したいとは思っていない。割り振られた仕事を着実にこなし、見合うだけの給料をもらい、夜と週末は必ず体が空く。そういう生活をしたかった。その旨をおずおずと伝えると、「ぴったりの部署がある」と言われた。
社史編纂室に飛ばされた。昨年のことだ。
幸代の友人(主婦)の言葉
「男で、『俺が忙しく働いているせいで、子どもにさびしい思いを』なんていう人、まあめったにいないはずよ。それぐらい、男のひとにとってこどもって他人ごとなのよね、と子育て真っ最中の身としては感じられるわけ」
「本物の悪人なんて、めったにお目にかかれるもんじゃないわ。あとは、自分のプライドとメンツばかりを気にする男かどうかを見極めるのが大事なのよ。」
「変わらない毎日が一番じゃない。平和な証拠」
幸代の上司の言葉
「生きているあいだ妻地獄。生まれ変わっても妻地獄、か」
幸代の先輩矢田の言葉
「とりあえずで、つきあいたくない。それでもし、とうとう恋愛感情を抱けなかったら?それなのに、休みの日にどっか出かけたり、クリスマスにプレゼント買ったり、定期的にセックスしたりしなきゃならないとしたら?お互いに不幸だし、面倒くさいだろ」
「面倒くさい」は、恋愛と言うイベントを木端微塵にする魔法の剣だ。幸代にも、矢田の気持ちはよくわかる。しかし、「それを言っちゃあおしまいよ」だ。
20~30代の男性(もちろん女性もですが)社会人の場合、ある程度は出世を目指すのは当然のように思いますが、三浦さんから見ると、ちょっとネガティブに考えられているように感じました。
もしかしたら、三浦さんの父親も大学教授で著名な方とのこと。とても仕事人間だったのかもしれません。それが反面教師になっているのかナ~と。
とてもよかったです!面白かったです!
ありがとうございました!
m(_ _)m
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