「マグマ」 真山 仁著 を読んで その2
本書の解説は“池上彰氏”が書かれていました。
主なところを抜粋してみます。
*****
「人の心を突き動かすマグマを描く」
日本は火山大国。全国各地で温泉が湧き出しています。多くの温泉は、地下水が地下のマグマに熱せられて生まれます。ということは、全国各地の地下に、マグマ溜まりが存在することを意味します。このマグマの熱を発電に生かしたら、二酸化炭素も放射性廃棄物も排出しないクリーンなエネルギーが、それこそ無尽蔵に生まれてくるのではありませんか。
それなのに、なぜ日本では、十分に発展してこなかったのか。
採掘コストがかかる。政府が熱心でなかった、利用できる地熱の多くは国立公園の中に存在する・・・。
しかし、根本的な問題は、他にもあります。それを、物語の中では、地熱発電に人生を賭けた地熱発電研究所所長の御室耕治郎は、こう説明します。
「我々は禁断の神の火を手に入れてしまったために、後戻り出来なくなっているんだよ」
「石油や石炭では考えられないような爆発的なエネルギーを僅かな原料で生むことができる奇跡。原発なら一基の発電機で、100万キロワットもの電力が生まれる。それを何基も据えれば、効率も良くなる。こんなぼろい発電方法を手に入れた人間が、それを捨てられるのかということだよ。」
「しかし、これからは神の火を支配しょうなんて不遜なことを止めて、大地の恵みを正しく使うために努力したい。」
そんな思いは、果たして実現可能なのでしょうか。
日本政府は、地球温暖化防止のために、温室効果ガスを減らしていく必要がある。
どうすれば、それが実現可能なのか。私たちは、足元を見つめるところから始める必要があるのです。
日本の地下には、マグマが存在します。そして、クリーンなエネルギーを追い求める男たちの心の中にも、情熱を掻き立てるマグマがあるのです。
*****
ここで、「地熱発電」の特徴として
・純国産エネルギーの有効利用ができること
・燃料が不要であること
・半永久的に安定して利用できる再生可能エネルギーであること
・クリーンエネルギーであり、CO2排出抑制効果が高いこと
・天候・昼夜を問わずに安定した発電が可能なこと
しかし
・大容量の発電所ができにくいこと
・初期コストがかかる
・自然の景観に恵まれた場所が多いため周辺環境との調和をはかること
などに留意する必要があります。
このマイナスの特徴を具体的にどのようにクリアにしていくのか!?
また続く・・・
m(_ _)m
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