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2017年1月21日 (土)

「人間の関係」(五木寛之著)を読んで

2007年、五木寛之氏、7677歳の頃の著書となります。

印象に残ったところをご紹介!

☆☆☆

鬱な気分に悩む若い世代には「歓びノート」を、

そして、中年の時期には「悲しみノート」を。

さらにある年齢に達したときに訪れる厄介な鬱には、「あんがとノート」をつくることがお薦めとのこと。

 

「歓びノート」では、例えば、

「きょう一日、無事に過ごせて、うれしかった」と“うれしかった”で締めくくる。

「悲しみノート」では、例えば、

「少しのタイミングで電車に乗れずに、かなしかった」と“かなしかった”で締めくくる。

「あんがとノート」では、例えば、

「一日、無事に過ごせて、ありがたい」と“ありがたい”で締めくくる。

 

抱えている鬱から抜けだすために、有効とのことでした。

☆☆☆

親鸞とイエスの家族観では、

親鸞は「自分は父や母の供養のために念仏したことなど一度もない」と言い、

イエスはルカの章で「もしだれかが私を訪れてきても、父、母、妻、子ども、兄弟、姉妹を、さらに自分の命であろうとも、これを憎まないなら、私の弟子ではありえない」と言った。これは、

血のつながりがすべてではない。それを超えることも大事なのだ。絆を切り捨てることも大事なのだ。人間はすべて他人であり、その他人が共に生きることに意味がある。

人は悩みつつ生きるしかないのです。

親鸞やイエスの発言こそ、むしろ人間のかかえた業の深さをあらためて感じさせるもののような気がするのです。

☆☆☆

革命家というのは、世のため、人のために革命に身をささげても、最後には民衆から裏切られ、追放され、処刑される。これが正しい革命家のあり方だと、思ってきました。

これは、自分の行為は決して報われない、そう思いながらも一生懸命尽くし、見返りを求めない。すべて裏切られても仕方ないし、ひょっとしてほんの少しでも相手がそれに対して好意を示してくれたなら、飛びあがって喜べばいい。

☆☆☆

世間で言う娼婦と遊客のような最悪の関係のなかにも、ひとかけらの人生の真実がある。

どんな泥の中にも信頼すべき人間関係は残る。

人間はいいかげんで、愚かしい存在だが、それでも信じられるところもあるよ、ということです。95%信じられなくても、5%ぐらいは信じていいのではないか。

暗闇の中に、遠く、ちいさな灯影が見える。明りがかすかに揺れている。それをみつけたとき、私たちはどれほど励まされ、勇気づけられることでしょうか。この5%を信じて、今日まで生きてきました。それ以上の信頼を求めるなんて、贅沢すぎるじゃないか、と言う声が、いつも頭の奥に聞こえるような気がしてならないのです。

☆☆☆

そして、

今の時代に、少しでも頼りになるものを探すとすれば、それは「人間の関係」である。

 

ありがとうございました~!

 

m(_ _)m


9784591099957

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