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2017年2月11日 (土)

「容疑者Xの献身」 東野圭吾著 を読んで

東野圭吾氏の「秘密」がよかったので読んでみました!

「容疑者Xの献身」は2006年の直木賞受賞作でもあります。

 

こちらもよかったですネ!

泣けます!

読み終えた後にネットで映画も観て、原作とは少し違っていましたが、こちらも泣けました!!

 

物理学者 湯川学と数学者 石神哲哉との頭脳対決。どちらも「天才」。

 

事件を解く二人の会話はコチラ。

 

最初に湯川が言う。

「あの時、君は言った。ホームレスの連中を見て、彼らは時計のように正確に生きている、と、覚えているかい」

「覚えている。人間は時計から解放されるとかえってそうなる―――これはお前の台詞だ」

 

「僕や君が時計から解放されることは不可能だ。お互い、社会と言う時計の歯車に成り下がっている。歯車が無くなれば時計は狂いだす。どんなに自分一人で勝手に回っていたいと思っても、周りがそれを許さない。そのことで同時に安定というものも得ているわけだが、不自由だと言うのも事実だ。ホームレスの中には、元の生活に戻りたくないと思っている人間も結構いるらしい」

「そんな無駄話をしていると、二、三分なんてすぐ経つぞ」石神は時計を見た。「ほら、もう一分経った」

「この世に無駄な歯車なんかないし、その使い道を決められるのは歯車自身だけだ、ということを言いたかったんだ」湯川は石神の顔をじっと見つめてきた。

 

主役は物理学者の湯川ですが、数学者の石神は、他人の歯車を壊すと言う、決してしてはいけない罪を犯してしまいましたが、理系特有の?奥手でとてもピュアなところがあって、よかったです!

 

あとは「本」読んでください!

 

さて、物語では、湯川が帝都大学理学部物理学科出身、石神は同大学数学科出身であり、著者の東野圭吾氏も大阪府立大学の電気工学科卒でした。自分も一応理学部卒ですが、理系に関する記載を記しておきたいと思います!

 

「理系はモノに拘りが無い!(ヒトが多い)」

湯川はインスタントコーヒーばかりを飲んでいましたが、茶渋で汚れたコップを使っており、それで友人の刑事にもふるまっています。

一応、湯川は服装に気を使っている設定ですが、大学時代の格好が「髪は肩まで伸ばし、シャツの胸元をはだけ、首には金色のネックレスをつけていた」とあり、ダサいですよネ~。石神はネクラ的な設定ですし、部屋が汚い。

それでも映画では湯川役が福山雅治氏で、石神役が堤真一氏でしたので、とてもカッコ良すぎで、ちょっと物語と違うところでしたネ!

 

「エルデッシュ信者」

ポール・エルデシュ(1913326 - 1996920日)はハンガリーのブダペスト出身の数学者。生涯に約1500篇の論文(多くは共著)を発表した。これ以上に多数の論文を発表した数学者はレオンハルト・オイラーのみである。プリンストン大学、ノートルダム大学などで教職に就いた。

「博物館に行ってもついていくのは彼の体だけだった」等、数学への情熱を具体的に示すような言葉が多くあり、彼がいかに純粋な研究者であったかが窺われる。いつ寝ているか分からないほど数学に没頭していたらしく、一日19時間数学の問題を考えていたと言われている。

よい定理には美しく自然で簡明な証明が必ずある、という信念を持っていた。「四色問題」についても、おそらく正しいだろうと認めつつ、その証明は美しくないと語っていた。

 

そして、「四色問題」とは

「地図で、隣り合う国を異なる色で塗り分けるには最低何色必要か(ここに、どの国も飛地をもたずつながっているものとし、また海も一つの国とみなすものとする。もちろん相隣る国には異なる色を使うが、2国の境が有限個の点である場合は同じ色を塗ってもよいとする。)という数学の証明問題。1840年にメビウス、1850年にガスリー兄弟が提出。ケーリーが79年に再提出。四色あればよいらしいことは経験的にわかっていたが、1976年ハーケンとアッペルにより大型コンピューターを用いて証明された。

 

そして、湯川は学生に対して言う。

「あの試験の本質は、物性論ではなく素粒子論にある。だからそちらからもアプローチして欲しかった。物性論の試験だからといって、ほかの理論は無用だと決めつけるな。それではいい学者になれない。思い込みはいつだって敵だ。見えるものも見えなくしてしまうからな」と。

ここで、

「物性物理学」とは、固体や液体など、凝縮系の性質を研究対象にしています。多数の原子や分子が 集まってできているこのような多体系には、個々の構成要素がもつ性質とは異なった新しい 現象が現れます。

「素粒子物理学」とは、物質の最も基本的な構成要素(素粒子)とその運動法則を研究対象とする物理学の一分野である。

 

なるほど~、昔、アインシュタインの本を読んだことがありました。相対性理論は素粒子物理学になりますネ!

 

数学のミレニアム問題も出てきました!

全部で7題あるそうですが、下記とのこと。物語では、①、②が出てきました。

 

が、しかし、でも、その問題の意味すら分かりません・・・一応応用数学科を出たのにナ・・・

 P≠NP予想

 リーマン予想

 ポアンカレ予想(ロシアの数学者であるグリゴリー・ペレルマンにより解決済)

 ナビエストークス方程式

 バーチ・スウィンナートンダイアー予想(BSD予想)

 ホッジ予想

 ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題

 

ありがとうございました!

 

m(_ _)m

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