« 2018(H30)年4月15日、PM試験完了! | トップページ | 「よみがえる力は、どこに」 城山 三郎著 を読んで  »

2018年4月21日 (土)

『羊と鋼の森』 宮下奈都 著 を読んで

文庫化されたことを機に、2016年本屋大賞受賞の本作品を読んでみました!

 

ピアノの調律師、外村の成長物語になります。

著者の宮下さんもピアノを45年以上弾かれているんですネ!ピアノ好きが伝わってきました。

 

ピアノは、「羊」の毛でできたハンマーが「鋼」の弦を叩く。それが音楽、ピアノを奏でることになる。

そして、「森」はピアノの調律で、正しい音、よい音を求めて、さまよう「森」、さらには、人生を生きることそのもののような深く、美しく、常に迷う危険、傷つく危険をはらんだ大きな世界としての「森」。

 

そして、“善い”、“美しい”という文字は「羊」から来ている。

古代の中国では、「羊」が物事の基準だったそうです。神への生贄だった。

”善い“とか”美しい“とか、いつもみんなが執念深く追求しているものが「羊」。最初からピアノの中にいたんだ」

 

物語の中で外村が尊敬する調律師の板鳥に目指す音はなにか、と尋ねる。

すると、板鳥は、小説家 原民喜の言葉を教える。

「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、厳しく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体。原民喜はこんな文体に憧れている。私の理想とする音をそのまま表していると感じました」

 

まさしく、この本「羊と鋼の森」もそれを目指して書かれているな~、と思いましたヨ!

 

そして、外村の先輩調律師のことばもよかったです!

「“才能”があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。一万時間を超えても見えなかった何かが、二万時間をかければ見えるかもしれない。早くに見えることよりも、高く大きく見えることの方が大事なんじゃないか。」

「書き留めるだけじゃ、駄目だ。覚えようとしなきゃ、無理だよ。歴史の年号を覚えるみたいにさ。あるときふっと流れが見えてくる」

 

ありがとうございました~!!!

m(_ _)m

41cjmob2jcl_sx341_bo1204203200_

51elx3e80l_sx342_bo1204203200_

« 2018(H30)年4月15日、PM試験完了! | トップページ | 「よみがえる力は、どこに」 城山 三郎著 を読んで  »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『羊と鋼の森』 宮下奈都 著 を読んで:

« 2018(H30)年4月15日、PM試験完了! | トップページ | 「よみがえる力は、どこに」 城山 三郎著 を読んで  »

フォト

最近の記事

2025年3月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のコメント

最近のトラックバック

ウェブページ

無料ブログはココログ

Twitter

  • twitter

このブログ内で検索