「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 七月隆文著 を読んで
こちらが紹介いただいた2冊目となります!
先に後輩の感想は、
「最初は「んっ?」ってなるんだけど意味を理解して、もう一度読むと、もう本当に、本当に泣けるから!!絶対読んで!!この人の作品4月5日に新作「ぼくときみの半径にだけ届く魔法」っていうのが出るんだけど、公式サイトで試し読みしたら、面白そうだった!」
「20歳の男女の切ない純愛物語!」
“純粋”でとてもよかったのだけど、本ではちょっと泣けませんでしたヨ!そこで、ネット上に映画があったので、それを鑑賞!ラストで泣けました~!!中高年のおじさんには、無理かな~、と思いましたが、じっくりと最後まで“読む”“観る”しないとですナ!!
物語は二人の“パラレルワールト”がベースになります。
南山高寿(みなみやまたかとし)の住む世界と、その恋人となる福寿愛美(ふくじゅ えみ)が住む世界は、“時間”が逆方向に進んでいる。
南山高寿が0歳から40歳まで生きている時間軸に対して、恋人となる福寿愛美は逆方向に40歳から0歳になっている。
そして、福寿愛美の住む世界からのみ南山高寿の住む世界にしか行けなくて、行けるのも5年に1度、その滞在期間は40日間ということでした。
ここでは、高寿の時間が進む方向でブログを続けてみますネ!
物語の“伏線”として、高寿5歳、愛美35歳のときに高寿は愛美に命を助けられる。 高寿10歳、愛美30歳のときに愛美は高寿にたこやきをご馳走しながら、二人のデートの写真を箱にいれ、中を見せずに託します。
そして、高寿25歳、愛美15歳のときに高寿は、愛美にお互いが20歳の時の40日間のことについて、話をする。高寿30歳、愛美10歳のときに高寿は愛美の命を助ける。
それぞれ自分の年齢になるまでの過去は知っていても、自分の年齢“後”のことは知らないので、相手が年上である時間軸にいるとき、自分の知らないことについてインプットがある。とくにポイントは、高寿25歳、愛美15歳のとき、そしてお互いが20歳のときも「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」ことになるため、愛美には高寿とのそれまでのデートの記憶が無いことになる。そこで、高寿にとって愛美と会える20歳最後の日(愛美にとっては最初の日)に、それまでの40日間(愛美にとってはこれからの40日間)について詳細に伝えることになる。
そこで、クライマックスは、「プロローグ(序章、20歳最初の出会いであり、最後の別れ)」であり、「エピローグ(終章、20歳最後の別れであり、最初の出会い)」となるために、後輩が言うように二度読みが、感動をさらに高めることにもなる。
プロローグでは、20歳の高寿が初めて愛美と出会って「一目ぼれしました!」と話しかけて、二人の会話の最後では「また、会える?」と言うわけですが、これは20歳の愛美にとって、高寿と会える最後の日ということで、涙を誘う。
エピローグでは、逆に高寿が20歳の愛美に会える最後の日になる。でも、愛美にとっては、これから高寿との40日間が始まる日になる。
愛美「・・・ここがピークなんだね。わたし、これから少しずつあなたの過去に戻っていって、あなたと恋人じゃなくなっていくんだね。・・・・すれ違っていくんだね」
高寿「ぼくたちはすれ違っていない。端と端を結んで輪になって、ひとつにつながってるんだ。二人でひとつの命なんだ」
そして、フラッシュバックで、20歳の高寿が初めて愛美と出会う少し前の時間に戻り、プロローグにつながる。
映画では、高寿役を福士蒼汰氏、愛美役を小松菜奈氏が演じていて、原作通りの内容で泣かせてくれました!
ありがとうございました!
追伸、
高寿30歳、愛美10歳のとき、愛美35歳、高寿5歳のとき、が、それぞれの人生において、最後に二人が会うタイミングとなるのですが、30歳からの高寿、35歳からの愛美の方が、まだ長い人生であり、“人生のピーク”は、そこにあるのかもしれない。ふと中高年は思うのでした・・・・
Mさん、ありがとう~!! そして、がんばってください!!!
自分の薦めた本の感想はコチラです!
「アルジャーノンに花束を」
http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-46e1.html
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映画「あん」の主題歌
https://www.youtube.com/watch?v=P1o306LneLs
「永遠のゼロ」
http://life-insurance2.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-912d.html
m(_ _)m
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