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2018年4月30日 (月)

「あと少し、もう少し」 瀬尾まいこ著 を読んで

二回り以上年下の後輩から薦められて読みましたヨ!

お互いに好きな本を交換したわけですが、その内の1冊目となります!

 

その後輩の感想は、

「これは、もしかしたら若い人向けかもって思うくらいに、わかりやすくて、読みやすくて感動した。さらさらっと読めるから、時間が空いたときとか、ちょっとヒマな時間用。これに出てくる桝井って人がめっちゃいいやつで私はこの人と付き合いたい、てか付き合ってる。」

 

後輩も十分に若いんだけど~! って言いたくなりますが、物語は市野中学校の男子生徒6名が、県大会出場を目指して直向きに“駅伝”に取り組む、中学三年生を中心にしているから、そう言われたのかもしれません。

 

ただ、解説で三浦しおん氏も次のように書かれていますが、登場人物は中学生中心ですが、どの世代にも“共感”が得られる物語だと思いましたヨ!

 

私たちは、だれもが一人だ。けれどその厳然とした事実と同様に、私たちはやはり、一人ではないのだ。一人きりでは到底走り切れないつらい道のりを、駅伝は襷(たすき)を繋げて走り抜く。仲間や周囲の励ましの声を受け、孤独と連帯の狭間で苦闘しながら。

私たちは決して、決して、一人ではない。あなたがだれかを思うとき、だれかがあなたを思っている。必ず。

そう信じて前進する姿は、なんと激しく崇高なのだろう。

もし、そのがむしゃらな姿を嗤うひとがいるとしたら、そのひとは「生きる」ということを知らないのだ。

走る少年たちを、かれらを見守るすべてのひとを、うつくしい山河が取り囲み、育んでいる。

 

登場人物は、

1区:設楽亀吉、内気だけども、桝井と一緒に三年間、部活を一生懸命続けてきた努力家

第2区:不良の大田、中学に入ってからは授業をさぼり、煙草も吸っていたが、実は闘志と感じやすい心を抱えたナイスガイ

第3区:仲田真二郎、お調子者だけど明るくて、誰からも好かれている、みんなから“ジロー”と呼ばれて親しまれている

4区:渡部孝一、クールで理屈っぽく見せていたけど、実は両親が離婚していて、それぞれに好きな人がいたために、引き取られることなく、祖母に育てられてきた。実はとても優しくて、他者の機微に敏感である

5区:唯一の中学2年のレビュラー俊介。部長の桝井に憧れている

6区:桝井日向(ますい ひなた)、小学生の時に野球チームの中での苦い経験を経て、中学生になり、つねに優しく朗らかで、慌てたり、怒ったりしない態度で“部長”をがんばり、選手としても練習に一生懸命

ここに、陸上部顧問を務める美術の上原先生が加わる。運動音痴ではあるけども、ものすごく観察力に優れた導き手となっている。

そんな多様な登場人物が集まって、一つのことに直向きに取り組む。

 

物語の中で、桝井がつぶやく。

小学生の時はいろんなことがそのまま楽しかった。けれど、大きくなるにつれて、少しずつ楽しさの持つ意味が変わってきた。今だって仲間と笑って遊んでいれば楽しい。でも、もっと深い楽しさがあることも知っている。無駄に思えることを積み上げて、ぶつかり合って、苦労して。そうやって、しんどい思いをすればしただけ、あとで得られる楽しさの度合いは大きい。

 

このつぶやきは、大人になって「仕事」にも通じると思いました。「仕事」も仲間と一つになって取り組み、達成感、充実感が得られるとき、深い楽しさを味わえることができるから。

 

中高年になっても楽しめる物語でしたヨ!

Mさん、ありがとうございました~!!!

m(_ _)m

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