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2018年6月16日 (土)

「おひとりさまvsひとりの哲学」 山折哲雄 上野千鶴子共著を読んで

山折哲雄氏1931年生まれ。以前、山折氏の「親鸞をよむ」を読んだことがあり、哲学者っぽい方だな、と思っていましたが、宗教学者、評論家とありました。最近の著書に「ひとり達人のススメ」、「ひとりの哲学」があり、上野氏とも親交がある方でした。

仏教徒であり、既婚者であり、ご子息もおられます。

 

上野千鶴子氏1948年生まれ。社会学者であり、フェミニスト(男女同権論者。女性解放論者。女権拡張論者)ですね。上野氏の「おひとりさまの老後」を読んだことがありました。その後も「男おひとりさま道」、「おひとりさまの最期」を書かれており、「おひとりさま」三部作の著者になります。

そして、独身でもあります。

 

そんなお二人による対談でした。

・女は“おひとりさま”で逝けるのか?

・男は“ひとり”で死ねるのか?死にゆくひとはさみしいか?

・そのさみしさはどんなさみしさなのか?

・それを癒すものは、あるのか?

ひとは最終的には一人で死ぬことにはなりますが、ひとに迷惑(手間)をかけずに、さみしさ(Loneliness

なく、孤独(おひとりさま:Solitude)の中で死ぬことができるのか!?

 

この対談を聞く中では、男がダメで、女はできる感じがしましたヨ!!!

男は「ひとりの哲学」で言えば、読んで学ぶまでで、行動が伴っていないとか・・・あっ痛!!

自分自身もひとに迷惑をかけたくはないですが、死ぬときは温もりの中がイイな、と思ってしまいますヨ!

 

本の中でも、「ブルータス、お前もか」ということで、昭和の知性と言われた“加藤周一氏”も最晩年にキリスト教信者となられています。孤独(おひとりさま)は嫌だと、神を信じたことになります。

もちろん奥様も居られて「あの人が、死の直前に入信するなんて」と言われたそうです。

 

日本男児に孤独(おひとりさま)に耐えられる者はなく、ブッダとガンジーだけかもしれない、とも書かれていました。

 

ガンジーもヒンズー教徒ではありますが、インドの思想、「学生期」、「家住期」、「林住期」、そして初めて一個の独立した真の人間になると言われる「遊行期」があり、ガンジーは、この「遊行期」において、家族を捨てて“遊行者”となったため、と言われています。

 

ガンジーは祖国インドの独立運動を起こし、ノーベル平和賞にも5度ノミネートされています。

※受賞はされていませんが、本人が断ったという話もあるようです

 

そんな、ガンジーですが、プライベートは凄かったようですね・・・

 

上野:“女”が絶えたことないんでしょ?

山折:ほらほら、“女”って言い方は誤解があるから、“ファン”だよ、“ファン”、“女”じゃないんだよ。

上野:“女”ですよ、“女”!。姪と同衾(一緒の布団で寝ること)してたんでしょ?

山折:姪とね。あの同衾も、その最後の一線は守っていた、とガンジーは言っているし。

上野:どっちだって大した違いはないような。

山折:4人の子供がいて、2番目の子供は叛逆者になっているから、その息子はイスラム教徒に改宗して、最後は悲惨な死を遂げるんですよ。それをやっぱり父のガンジーは看なかった、ケアしなかった。そこは、心理的にはものすごい暴力をふるったわけですよ。奥さんに対しても、夫婦の関係を自ら一方的に絶ったからね。これも暴力的と言っていい。

上野:そうですね。考えようによっては自己中そのものですよね。

山折:だけども、インドには人間を徹底的に差別する『カースト制度』があり、その枠組みから自由になれない。“遊行期”に入ってカーストの枠から外に出ることによって、はじめて「個」の人間になれる。そう考えるとガンジーは、家族を捨てて“遊行者”になったことになる。

上野:そうですね、無一物になったんですよね。

 

ブッダも妻子を捨てている・・・

 

ガンジーの成し遂げたことを見れば、自分に対して厳しい方だったと思いますが、ひと(とくに家族)に対しても甘やかさない厳しさがあったのかもしれませんね・・・?

 

どうも、日本男児は、口では「孤独」を勧めながらも、いざと言う時(死期が迫ったときなど)、誰かがそばにいて欲しいという想いが強いのかもしれませんネ!

 

そうかもしれません・・・

 

ありがとうございました!!

m(_ _)m

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