「総会屋錦城」 城山 三郎著 を読んで
本作は、昭和33年下期の第44回直木賞受賞作品。
その「総会屋錦城」の表題作ほか
・輸出
・メイド・イン・ジャパン
・浮上
・社長室
・事故専務
・プロペラ機・着陸を待て
という社会小説7編を収めている。
読み終えた感想として、人々の心に戦争の“傷跡”を残しながらも終戦後約10年でここまで経済が成長していることに驚かされた。
「総会屋錦城」は、株主総会という資本主義の中枢のからくりを描いたもので、会社の主流あらそいを巡って、株主総会の席上やその裏面で暗躍する総会屋の老ボス“錦城”を主人公としている。
裏金が動きまくる、そんな時代に到達していた。
「輸出」では、戦後大成長を遂げた“総合商社”の暗部を露呈している。
今国会で残業規制が厳しくなるようだが、このエコノミックアニマルと呼ばれた時代から比べると、ぬるま湯につかってよいのだろうか、という疑問を感じている。
ずっとずっ~と毎日遅いは問題と思うが、チームで仕事をして一緒に頑張る!時には徹夜もある、という経験は必要なのでは!?もう少し柔軟な制度であるべきと考えている。そうは言っても、今の政治では、仕方がないのか。
楽しい!という本ではありませんでしたが、昭和30年代前半の日本経済の“熱”を体感できる一冊でした。
ありがとうございました!
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