「第三分野標準生命表2018」作成方法について
第1章 営業保険料の当該部分(P11-12)を最新化してみた。
※参考として、H18 3(2)もあり
※青字下線付は現行テキストとの相違点でした。
「第三分野標準生命表2018」の作成過程は、「生保標準生命表2018(死亡保険用)」のそれと類似しているが、特に死亡率安全性の観点から、基礎データの取扱や数学的危険論による補整は相違したものとなっている。
≪基礎データ≫
第三分野の加入者のリスク特性としては、下表に整理のとおり、健康に不安のある者が相対的に多い集団と思われ、基礎データとしては死亡保険用死亡率に比較的近いと考えられる。
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保険引受上のリスクの方向性 |
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死亡側(死亡率が悪化する方向) |
生存側(死亡率が改善する方向) |
加入・継続ニーズによる保険群団の差異 |
健康状態の悪化を保障 |
死亡保険用 |
第三分野用 |
健康状態の維持を保障 |
― |
年金開始後用 |
死亡保険においては選択効果の除去を目的に裁断をおこなったが、第三分野用に関しては裁断を行った場合、責任準備金の健全性を損なうことになるため、裁断は行われていない。
➡そもそも、第21回生命表(2010年)を基礎データとしたため、裁断対象にはならない
≪数学的危険論による補整≫
「単年度のブレへの対応」、「母数(会社規模)の差による違いの吸収」、「基礎データを国民表とすることへの対応」、「将来の死亡率変動への対応」などを勘案し、死亡率の安全性の点から、数学的危険論による補整が行われている。
具体的には、男女ごとに総人口100万人の正規分布の年齢構成を前提とし、将来の死亡率が変動予測を超える確率を約2.28%(2σ水準)におさえるように補整した。補整幅に年齢間で極端な差異が生じるのを避けるため、補整前死亡率の70%を下限、補整前死亡率の85%を上限とした。
この手法自体は、死亡保険の場合と同様であるが、安全をみる方向は反対である。
加えて、
・「生保標準生命表2018(死亡保険用)」と同じく「死亡率改善の反映」を行っている
・基礎データとした「第21回生命表(2010年)」では、すでに「平滑化」、「高年齢の死亡率」へGompertz-Makehamの法則により作成されているため、ここでは行っていない
・「第21回生命表(2010年)」を利用することから、「若年齢部分の補整」も不要となっている
・「第三分野標準生命表2018」は高度障害を含まない死亡率である。「第三分野標準生命表2007」は高度障害を含む死亡率である
以上となります。
m(_ _)m
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