「きみはポラリス」 (三浦しをん著)を読んで
今年も読書をしてきたが、なかなかブログに感想を述べられなかった。
そこで、年末に向けて、ちょっと感想を書き留めておこうと思う。
“ポラリス”とは北極星のこと。「きみは北極星」と言うことになる。
誰かをとても大切に思うときに放たれる、ただひとつの特別な「光」。
カタチに囚われずその「光」を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる。
いろいろな恋のカタチを描いた恋愛短編小説集になる。
三浦しをん氏自身は恋愛に強く興味があると思う。
一方で、ここに描かれた短編小説は少しアブノーマルというか、奇妙な恋愛を対象としているが、ちょっと違和感を持った。それは、三浦氏自身はノーマルな恋愛観を持っているからだと思っている。
紹介しよう!
「永遠に完成しない二通の手紙」は、ボーイズラブ、同性愛を描いている。
「裏切らないこと」は、妻が赤ん坊の息子のおチンチンをしゃぶるところを目撃した夫の困惑描く。
「私たちがしたこと」は、殺人を犯した恋人たちの物語。
「夜にあふれるもの」は、恋愛のジャンルとして、“ガールズラブ”なのかな~。
「骨片」は、亡くなった大学の文学部に恩師の骨片を大事にして恋い慕っている女学生の物語。
恩師のことばで「文学は、確かに必要のないものかもしれない。だが、必要と言う言葉では足らないほどの豊穣をもたらしてくれるものではないですか。」があったが、ここは頷けるところ!
「ペーパークラフト」は、“不倫”がベース。
「森を歩く」は、未知の植物を求めて世界中をさすらう冒険者『プラントハンター』の“捨松”を彼氏に持った、理系出版社に勤める“うはね”との物語。
「優雅な生活」は、とても貧乏だけども、心豊かな二人の物語。
自分としては、この辺りの恋愛物語が好きかな!ノーマルだから!?
「春太の毎日」は、麻子と健吾、そして飼い犬の春太との三角関係?の物語。
「冬の一等星」は、死を覚悟して車を盗んで大阪に向かおうとする“文蔵”と盗んだ車の後部座席で居眠りをしていた八歳の女の子“映子”との大阪に向かうまでの会話形式での物語。
三浦しおん氏の著書は、自分に合うのと、なんとなく合わないのとがありますが、これはちょっと微妙でしたネ!
でも、ありがとうございました!
m(_ _)m
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