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2019年4月29日 (月)

直木賞作品、海さん推薦「空中ブランコ」(奥田英朗著)を読んで

奥田氏は1959年生まれ、2004年に本書で直木賞を受賞。

著者45歳頃の作品になる。

 

主人公は、伊良部総合病院の経営者の息子で医学博士、そこで精神科医として勤務する伊良部一郎である。何不自由無く育ったため?か、自由奔放で永遠の少年(ピーターパン症候群ではないだろうか!?)、ポルシェに乗っているのはかっこ良く聞こえるが、(医療機器業者の)接待好きで、キャバクラ好きで、注射好きの風船みたいにおデブの医師である。

それでも自由奔放であるがゆえに、いつも本音のため、患者との距離が近くなることが功を奏し、それぞれの患者たちの悩みを解決に導いていく短編集になる。

 

・空中ブランコ:飛ぶことのできなくなったフライヤー山下公平が患者になる

・ハリネズミ:やくざの若頭なのに突端恐怖症となった猪野誠司が患者になる。ブランケット症候群のやくざも出てくる

・義父のヅラ:破壊衝動(義父のヅラを取っちゃいたい)に駆られる同級生の医師池山達郎が患者になる

・ホットコーナー:イップスでノーコンになったプロ野球選手(三塁手)の坂東真一が患者になる

・女流作家:心因性嘔吐症になった作家星山愛子が患者になる

すべてに、自分と比較してしまう相手がいたり、過去の大きな挫折や後悔が精神科に罹る原因となるようである。

伊良部医師はとんでもハップンな人だが、逆にそこに訪れてくる患者が日々よくなっていき、人としても成長を遂げていくのが面白いのだと思いました!

 

本の登場人物に感情移入するよりも、眺めて読む感じがちょうど良くて、きっとテレビドラマ等の視覚で伝えるのに向くのだろうナ、と感じましたヨ!

そう思ったらすでにテレビドラマにもなっていたんデスネ~!

 

最後に「女流作家」より『人間の宝物は言葉だ。一瞬にして人を立ち直らせてくれるのが、言葉だ。その言葉を扱う仕事に就いたことを、自分は誇りに思おう。神様に感謝しよう。』

これは、奥田氏の本音かもしれませんネ!

 

ありがとうございました~! m(_ _)m

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