荻原浩氏60歳のときの直木賞受賞作「海の見える理髪店」を読んで!
荻原氏の本はなんとなくほのぼのとできるので、好きで何冊が読んでいます!
今回はついに受賞された直木賞作品が文庫化されたので(エヘッ!((´∀`*)))読みました~!
全6話からなる短編集となります。
- 海が見える理髪店
- いつか来た道
- 遠くから来た手紙
- 空は今日もスカイ
- 時のない時計
- 成人式
「海が見える理髪店」は、人を殺(あや)めたこともある80歳を過ぎた海が見える理髪店の店主のところに、離婚して会えていなかった息子がお客として訪れる物語。
「いつか来た道」は、厳しく育てられて恨みまで持っていた母親のもとに16年振りに訪れたら、認知症になり角が取れて自分を自慢の娘と思い込んでいたことで、恨む気持ちも融けていく物語。
「遠くから来た手紙」は、夫婦喧嘩で実家に帰った祥子が、戦争で亡くなった祖父と可愛がってくれたけど6年前に他界した祖母に励まされる物語
「空は今日もスカイ」は、父親が亡くなって母親と叔父の家にお世話になるが、居候として肩身の狭い思いをしている“茜”と父親からDVを受けている“陽太”が一緒に家出をする物語
「時のない時計」は、亡くなった父親の形見として受け取った故障して止まっている腕時計を18,000円かけて修理した失業中の息子の物語
「成人式」は、15歳の時に交通事故で亡くなった娘が迎えるはずだった成人式にその両親が出席する物語
どれも過去に傷を負った家族が、過去に決別して新たな未来の一歩を踏み出そうとする物語となっています!
とくに「成人式」では、とても二十歳には見えない両親が成人式会場で門前払いをされた後に、亡き娘 “鈴音”の友人 郁美ちゃんの活躍によって成人式に出られたところは涙を誘いました~!
ありがとうございました!
m(_ _)m
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