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2020年5月 3日 (日)

連休中、ア試験に向けて「変額年金保険」を勉強、デリバティブのところがいつも理解しにくく感じるのですが、生命保険としても、日本経済においても、変額(年金)保険って必要なのだろうか!?

 

「変額年金保険」とは、個人年金保険の変額保険版であり、保険料を一定期間(1040年)納め、契約期間中ならば、いつ死亡した場合でも死亡保険金が支払われる。1030年の定められた期間の間運用を行い、年金支払開始年齢に達すると年金として分割して支払われる。200210月に銀行窓販が解禁されたため、販売額が急増した。

 

主な取扱保険会社:日本生命、アクサ生命、アリコ(メットライフ生命が継承し新規取り扱い中止)、クレディ・アグリコル生命保険、ソニーライフ・ウイズ生命保険、第一フロンティア生命(第一生命のグループ会社)、三井住友海上プライマリー生命保険MS&ADインシャランスグループホールディングス(三井住友あいおい同和損保)グループ)、明治安田生命保険(新規取り扱い中止)、住友生命(新規取り扱い中止)

 

変額保険(有期型)

定額保険の「養老保険」に該当するタイプの商品で、1030年の定められた期間の間運用を行い、満期時になると運用残高が一括で支払われる。

 

主な取扱保険会社:日本生命、アクサ生命、ソニー生命保険、マニュライフ生命保険、東京海上日動あんしん生命

 

変額保険(終身型)

定額保険の「終身保険」に該当するタイプの商品で、契約後に保険料を終身ないしは一定期間(1040年)納め、契約期間中ならばいつ死亡した場合でも死亡保険金が支払われる。終身保険のため、生存中に資金を取り崩す場合は解約・減額することになる。

 

主な取扱保険会社:ソニー生命保険、プルデンシャル生命保険、マニュライフ生命保険、三井住友海上プライマリー生命保険

 

 

リーマンショック直後の2009年6月24日の“朝日新聞”より

 

■変額年金の契約高が多い保険会社(093月末現在)

 

件数

保有契約高

今後の販売方針 ※書は2020年現在

1.ハートフォード

47万

33,105億

×(5月末)

※日本撤退し保有契約はオリックス生命へ

2.住友生命

56

23,494

△(9月末)

※現在は販売していない

3.東京海上日動

フィナンシャル

43

23,290

※東京海上日動あんしん生命で販売中

4.三井住友海上メットライフ

27

20,170

△(3月末)

※三井住友海上プライマリーで販売中

5.アイエヌジー

39

18,464

×(7月末)

※現在のNN生命でも販売していない

6.マニュライフ

23

11,422

7.アリコジャパン

8

7,872

※日本撤退し保有契約はメットライフ生命へ、変額は販売していない

8.三井生命

17

7,663

×(3月末)

※現在の大樹生命でも販売していない

9.T&Dフィナンシャル

11

6,749

※現在は販売していない

10.第一フロンティア

7

4,526

 

今より、10年前に10社ほどで販売していた変額年金保険

その後、ハートフォード、住友、アイエヌジー、アリコジャパン、三井、T&Dフィナンシャルの6社が変額年金保険の販売を停止した。

理由は、2008年のリーマンショックもあるだろうが、093月期決算では住友生命が1,638億円、三井生命が529億円を最低保証の費用に計上。他の保険商品で稼いだ利益を充当している状態。

そして、ハートフォードでは3,385億円分、アイエヌジーは5,087億円分、マニュライフ3,744億円分の再保険(主に同じグループ内の再保険会社とのこと)をかけていた状態であった。

 

逆に、この10年間では、日本生命、アクサ、ソニー、プルデンシャル、クレディ・アグリコル生命保険、ソニーライフ・ウイズ生命保険の6社が販売を開始した。

結果、10年前と変わらず、10社ほどで販売をしていることになる。

 

日本では1999年に販売が始まり、2002年には銀行窓販が認められたことが契機になって市場は大きく拡大したが、2008年のリーマンショックで転換期を迎えて、ちょぼちょぼの状態で2020年を迎えていると思えている。

そもそも、イニシャルコスト、ランニングコストが高く、そして大数の法則が成り立たない「変額年金保険」に事業会社としては魅力を感じるのだろうか?

旧変額保険もそうでしたが、経済(株価)が安定してくると販売したくなり、経済(株価)が不安定になると販売停止する・・・・とてもじゃないがイニシャルコストすら回収できていないのではと勘ぐってしまう。

また、販売停止したからと言って保有契約がある限り“特別勘定”を維持していくことになる。今もほとんどの生命保険会社では毎月特別勘定の運用報告レポートを出しているが、これは赤字の垂れ流し状態なのでは、と思ってしまう。

 

一度、この20年間販売を継続している、東京海上日動あんしん生命、三井住友海上プライマリー生命、マニュライフ生命、第一フロンティア生命には「どうなのよ!変額(年金)保険って!?」と聴いてみたいものです!ちらっと商品スペックを覗いてみました。

第一フロンティア生命は“一時払の外貨建て変額年金保険”で、保険料は外貨ベースで100%保証(為替リスクは契約者)の商品

マニュライフと東京海上日動あんしん生命の変額保険は死亡保障のみ100%保証だが、満期保険金等貯蓄部分は保証されない商品

三井住友海上プライマリー生命も元本保証はしていない。

 

そうですよネ~!契約者にとって、そんなに美味しい話は無いと思います。

ブラック・ショールズ・モデルだって、ヨーロピアンオプションにしか対応できないわけだしネ・・・

でも、そうなると、このスペックで20年間も売れ続けているのは凄いですネ・・・

イニシャルコストが回収しきれてないのかな!?

やっぱり理由を聴いてみたいですネ・・・

 

それでも、

アメリカでは“強欲”ではなく格差社会も緩和する努力をして“堅実”に経済を伸ばしていこうとするならば、日本ではバラマキ経済で子孫に負債を押し付けるのではなく、プライマリーバランスの黒字化を具体的に目指し、それが株価に反映されるならば、インフレに強い生命保険商品になるのかもしれないと思いました。

 

ありがとうございました。

(_ _”m)

 

 

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コメント

アクチュアリーさん、教えてください。

「仮定の話」
・政府が財政状況の悪化で信用低下、
・中央銀行が大量のお金を印刷、
・政府が適切な対応策を取らなくて、
「ハイパーインフレ」になって物の値段が急上昇し、金融資産が消滅し、モノ不足になった時代になったら変額保険はどのようになるか教えてください。

Web会議にはマイク付きヘッドセットは必需品ですね。
新型コロナウィルスの影響でまた自粛規制も延長されましたリモートワーク頑張ってください。

お疲れ様です!コメントありがとうございます!

マイク付きヘッドセット、一つは会社から支給されているのですが、会社との行き来で毎回持ち歩くのが面倒なので、自宅用を自分で購入しました!
少しずつですが、リモートワーク環境向上してます!

あと、”堅実な経済”による適切なインフレであれば、景気も良いからであり、企業業績も上がり、株価も上がり、かつ一定の持続性もあると思うので、変額(年金)保険もあってイイように思います。
しかし、”ハイパーインフレが起こるような経済”は景気が良いからではなく、大量のお金の印刷による貨幣価値下落によるものなので、企業業績がよいことにつながらないと思います。
このような政治&経済下では、変額(年金)保険は不要と思っています~!
とくに銀行窓販等で高齢者の方へも販売しているわけで、元本保証がなく、かつ下落リスクの高くなった環境下では危ない商品と思えるためです!

ありがとうございました!

m(_ _"m)

コメントありがとうございます。

金融政策として日銀が国債等を大量に買取り通貨量を増やし、政策金利を切り下げ、そして5頭のクジラが株価を吊り上げていると言われています。
尚且つ新型コロナウィルスの影響で健全な経済活動が阻害されちいます。
また、政府は無駄遣いをして赤字国債を発行している現状を考えるとハイパーインフレに近づく可能性を心配しないといけませんね。

こんな記事がありました。
現実的に起こり得るとは思いませんが!!

日本銀行が2013年に異次元金融緩和を開始して7年が経つが、これまでのところ、資産買入によるマネーサプライの大量供給を通じた、2%の物価目標は達成できていない。しかし、コロナ禍で各国が抱え込んだ巨額の公的債務の削減方法があるとすれば、4つ目のインフレ政策以外に考えられない。そして当局がその気になれば、貨幣価値を希薄化させてインフレを起こす方法などいくらでもある。その1つが「債務の貨幣化(debt monetization)」政策だ。
この政策の肝は、日銀が購入する国債を半永久的に償還させない措置をとることで、国債の負債性をなくし、政府に通貨発行益(シニョレッジ)と同様の利益を付与する点にある。シニョレッジとは貨幣が誕生した時代から存在する領主の特権的利益で、印刷機さえあればいくらでも通貨を発行して支払いができるという、打ち出の小槌のようなものだ。ただし副作用も強い。徳川5代将軍・綱吉の時代に行われた元禄の改鋳や、戦時中に旧日本軍が発行した軍票が強烈なインフレをもたらした史実を思い浮かべれば、その通貨価値の破壊力は容易に想像できよう。

ありがとうございます!

「シニョレッジ」という言葉、
知りませんでした・・・(-_-;)

現金通貨の額面から、その製造コストを控除して計算される利益、とのこと
金本位制度の時代であれば、利益は出ませんが、現代の管理通貨制度であれば、利益が出ることとなります。
そこで、通貨供給量は管理がされてきました。

しかし、
日銀は国債を買い入れるためであれば、いくらでも紙幣を刷ることができるため、今はジャンジャン刷っています。
これは、「シニョレッジ」の拡大と同じ意味になるように思いました。

もう少し勉強したいと思います。

m(_ _"m)

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