まだ還暦ではありませんが、あと数年.....(-_-;)、カウントダウンが始まっています~!そんな中で「還暦からの底力 ~歴史・人・旅に学ぶ生き方~」 著者 出口治明氏 を読んでみた!!
最初にマレーシアのマハティール前首相が紹介されていた。
1925年7月10日生まれ、現在95歳。最初にマレーシアの首相に就任したのは1981年、56歳の時。それから、2003年、78歳まで22年間勤めあげた!
それだけでなく、それから15年後の2018年、野党から93歳で首相に返り咲き、2020年3月まで一国の首相を勤められた!
スゴイですネ~!
出口さんも、2018年にマハティール氏にお会いしたことがあり、食べる量もスピードも速く、立ち居振る舞いも矍鑠(かくしゃく)としていた、とのこと。
スゴイですネ~!(*_*)
高齢者が生かされている歴史的、生物学的意味
生物学者 本川達雄氏は自書「生物学的文明論」の中で次のように提言している。
「老後においても、私は生殖活動に意味を見つけようと思います。とはいえ、なまなましい生殖活動ができなくなるのが老いというものです。そこで、直接的な生殖活動ができなくても、次世代のために働くことーこれを広い意味での生殖活動と考え、これに老後の意味を見つけたいのです。
具体的に言いましょう。われわれ老人は子育てを支援し、若者が子供をつくりたくなる環境を整備する。身体も脳も日々よく使い、自立した生活をして老化を遅らせ、必要になったら互いに介護につとめ、医療費・介護費を少なくし、そうすることにより、できるだけ次世代の足を引っ張らないようにする。
政府が「人生100年時代構想」を掲げているように、日本は人生100年が決して夢ではない時代に入りました。現在の75歳の体力は昔の65歳に優に匹敵します。
60歳は人生の折り返し地点に過ぎない。
4世紀の僧、法顕は60歳を過ぎてから足掛け15年をかけて中国からタクラマカン砂漠を渡り、7000メートル級の山々が連なるカラコルム山脈を越え、インダス川を下り、インドに到着、インドでは仏教の聖地を巡り、そして、中国に戻る。中国に戻ったときには75歳になっていた。
人生で大切なのは好きなことをする時間
人間はいい加減で猪八戒のような存在
人間観には大きく2種類あります。「人間は勉強すればそこそこに賢くなれる」と言う人間観と、「人間は猪八戒のようなもの。つい怠けるし、異性にはすぐ心が動くし、美味しいものには目が無くていっぱい食べてしまう」という人間観です。後者が正しいと。
小田実(まこと)さんが述べた「人間みなチョボチョボや」という人間チョボチョボ主義がある。チョボチョボとは「みんなそこそこ恰好つけているけれど、一皮むいたら人間はみんな同じでアホな人ばかり」という意味で、それが人間の本性だと思います。
人の能力は個人によって異なりますが、もちろん貴賤はありません。リーダーがえらいわけでは全くなく、リーダーやフォロワーというのは組織の機能なのです。投手に向いた人もいれば野手に向いた人もいる、監督に向いた人もいれば選手に向いた人もいる。同じようにリーダーにも向き不向きがある、たったそれだけのことです。適材適所という言葉通りです。他人を嫉んでも仕方がない理由がここにあります。
人間の本質は脳にあって、魂の存在はないと考えています。自然科学では人間は星のかけらからきて星のかけらに戻ると説明しています。
20世紀になって哲学が昔ほど流行らなくなったのは、自然科学が進み過ぎたからでしょう。20世紀になって絵画が流行らなくなったのが、写真が急速に発達したからなのと同じように。
熟年離婚は、基本的にはイイことだと思っています。昔はすきだったけれど今は嫌いになってしまった人と一緒に生活し続けるのは、お互いにとって大きな負担になるからです。嫌いな人と一緒にいても、ちっとも楽しくありません。
一番の親孝行は「親に楽をさせない」こと
子孫に美田を遺さず
女性の地位を向上させるために必要な施策は、性分業のベースとなっている「配偶者控除」と「第三号被保険者」の廃止、それから「クオータ制」の実施です。
クオータ制とは、たとえば議会における政治家や企業の経営者に男女の比率に偏りが省じないように、一定の割合を義務付ける制度です。ヨーロッパでは国政選挙で男女同数の候補者を立てないと政党交付金を減額する、役員に一定割合以上の女性がいないと上場を取り消す、などといった制度があり、ほとんどの国で実行されています。
これは男性に対する逆差別ではありません。
男女差別が厳然として存在する社会で実施する過渡期の仕組みです。
学者クロード・レビィ=ストロースは「人間の意識は社会構造がつくる」と指摘しています。
男女差別があるから、現在の女性の中には「管理職になっても辛い思いをするだけ」「専業主婦のほうが楽でいい」という考えがありますが、男女差別が無い社会構造ができれば、そのような考え方は無くなると言います。
確かに男女平等ですからネ~!
『日経Woman』のウーマン・オブ・ザ・イヤー2017 食ビジネス革新賞を受賞した小林せかいさんスピーチより
環境が、あなたの行動にブレーキをかけるのではありません。あなたの行動にブレーキをかけるのは、ただ一つ、あなたの心だけなのです。
人間と動物の違いは何かといえば、両者の違いは考えられるかどうかにつきます。
山本義隆さんという在野の科学史家で、『磁力と重力の発見』(みすず書房)などすばらしい本を何冊も執筆している人がいます。元・東大全学共闘会議代表であり、予備校の物理の名物講師として長年教鞭もとっていた方です。
山本さんはあるインタビューで「人は何のために勉強するのか?」という質問に対し、「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するに物事を自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強するのです」と答えています。
パスカルが『パンセ』で人間は考える葦であると述べたように。
つまり人が「考える葦」になるために、自分の頭で考え自分の言葉で自分の意見をいえるような人間を育てることが、教育の根源的な目的ということです。
そして「考える葦」としての人間の成長には完成も終わりもありませんから、この目的のためには子供の時期だけに限らず、大人になっても一生勉強し続ける必要があるのです。
そして、教養は「おいしい人生」を楽しむためにある。(教養)=(知識)×(考える力)となる。
阿部正弘は明治維新の父
阿部はアヘン戦争の状況など、世界の動きをつぶさに学んだあとで、やはり開国しなければいけないと決断します。国を開いて商売をして、お金を儲けて軍隊をつくらないと、日本も清の二の舞になってしまう。そこで阿部は、開国・富国・強兵とう日本国家の新しいグランドデザインを描いたのです。
その後の安政の改革で阿部は勝海舟や大久保忠寛、高島秋帆(しゅうはん)などのお開明派を登用し、陸軍の前身である講武所、海軍の前身の長崎海軍伝習所、東京大学の源流の一つとなる番所調所などを矢継ぎ早につくりました。
理性に全てを委ねるのは傲慢である
全てが合理的な『革新』とそうではない『保守』との考え方の対立は、ありとあらゆる分野で見られるものです。
全てが整備されたきれいな街に住むのが本当に楽しいのか。人間の本性に合っていないのではないか。
家もあれば飲み屋もあり、工場やオフィスもある、ごちゃごちゃ混ざっているほうが楽しいのだ、というのが保守主義です。理屈は分からないかもしれないが、人間が心地よいと思うものはそのまま残しておけばよい。人間の理性を信じない考え方です。
別の言い方をすれば、保守主義とは「仮置き」する思想です。賢くない人間には何か正しいかなど永遠にわからないのだから、うまく回っているものごとについては正しいと仮置きして放っておくわけです。
その意味で、「憲法は戦後、外国に押し付けられたものだから改正しなければいけない」などと理性で主張したりしています。しかし、今の憲法でそれほど困っている人がいるとはあまり聞いたことがありません。そうであれば、理屈はともかく、手を付ける必要はない。わざわざ寝た子を起こさなくてもいいというのが本来の保守主義の考え方です。
保守主義の根幹は「人間はそれほど賢くない」という人間観にあります。
EUの根幹は独仏同盟です。フランスのド・ゴール大統領と西ドイツのアデナウアー首相が胸襟を開いて話し合い、調印したエリゼ条約が基になっています。
「俺たちは普仏戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦とこの100年間に3回殴り合った。死力を尽くして戦った結果、俺たち欧州勢の力は低下し、遠くのソ連とアメリカが大きな顔をするようになった。戦って誰が得をしたかと言えばソ連とアメリカだ。これからは仲よくして、もうこれ以上よその奴らに大きな顔をさせるのはやめよう」
これがエリゼ条約の趣旨です。
さらに2019年、フランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相はアーヘン条約に調印し、エリゼ条約をさらに強化しました。
独仏関係が安泰である限り、EUはびくともしないでしょう。なぜならEUがバラバラになると、得をするのはEU以外の国であることを独仏首脳はよく分かっているからです。
別に私腹を少しぐらい肥やしてもいいと思います(もっとも、敬愛する大久保利通は、私財を公費に投じて死後に借金を残しましたが)。私腹を肥やす以上の儲けを社会に還元し、みんなが儲かる仕組みを構築できるのであれば。
感情は素直にだしてよい、ただし・・・
なにか判断をするときは、ひと呼吸置いた方がいい。頭がカッカしているときはろくな知恵も出てきません。
たとえば、カッとしたときはまずトイレに行き、顔をあらうことにする。そうすると席を外して顔を洗って戻ってくるまで4~5分はかかるでしょう。その間に感情がカームダウンするというわけです。
ローマ帝国の初代皇帝、アウグスティヌスは「ゆっくり急げ」ということわざを好み、この言葉を執務室の壁にかけていたという伝説が残っています。
シェイクスピアの翻訳で知られる小田島雄志さんは「人生の楽しみは、喜怒哀楽の総量である」と語っていました。
「仕事を頑張ったけれど出世できなかった」「実績十分なのに運が悪くて左遷されてしまった」と嘆いたり落ち込んでいたりしているビジネスパーソンは、勉強や考える力が足りない人です。
大企業であれば、社長になれる確率は0.1%に過ぎません。社長になれなかった残りの999人は、どこかの段階で全員左遷されることになります。それなのに「出世できなかった俺は不運だ」と嘆く必要がどこにあるでしょうか。現実をみる力が乏しく、なぜか「俺だけは出世する」と自己中心的に思っているだけです。
自分ではどうにもならないことをくよくよ考え続けるよりも、教養は「おいしい人生」を楽しむためにある。(教養)=(知識)×(考える力)なのだから、「知識」と「考える力」を高めていきましょう!!
ありがとうございました~!
m(_ _)m
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教養は「おいしい人生」を楽しむため、知識と考える力を高めることは十分理解できます。
頑張りたいと思いますが古希を数年過ぎるとこんな悩みと障害が発生して来ました。
思いつくまで羅列すると(順不同)
・一つずつ物事を忘れていく
・せっかちになる
・話が長くなる
・人の話を聞かない
・歩くスピードがおそくなる
・小さな文字が読みぬくい
・怒りっぽくなる
・よろける
・トイレが近くなる
・漢字がすぐに書けない
・人の名前が直ぐに出てこない
・病院通いが多くなる
・朝早く起きる
・眠りが浅い
・つまずく
・脂っこいものを避ける
・耳が遠くなる
・食べ物をこぼす
・昔のつまらない事を覚えている
・根気が無くなる
・あきらめが早い
他に数えきれないほど有ります。
還暦にあと数年の貴殿は、まだ十分教養を身に付ける時間があります。
頑張ってください。
夜中の時間です。
後ろ向きでつまらないコメントで失礼。
投稿: | 2020年8月17日 (月) 04時12分
コメント、ありがとうございます!
今の自分に当てはまることも多々あります~(;^_^A
自分もどうするとよいのか難しいと思っていますが、読書と勉強は継続していきたいと思っています。
「小さな文字が読みぬくい」には、ハズキルーペが良いかもしれません。
試験のときなど、解くスピードが求められる時に、自分も利用しています!!
落ち着いたら、是非飲みに行きましょう!!!
投稿: adler | 2020年8月22日 (土) 18時35分
羅列した悩みと障害は:
還暦を過ぎて徐々に体験発生するものと
古希を過ぎて急に事象が増えてきます。
今から対策を⁉
落ち着いたら一献したいものです。
投稿: | 2020年8月23日 (日) 04時19分
ありがとうございます!
ドタバタとしておりました~(;^_^A・・・
ようやく2週間ぶりのお休みです。
父親、弟のことを考えると、どうすると良いのか・・・少なくとも毎日の生活習慣を少しでも心身によいことに心がけてすごす、実践することが大事なのかなと思います。
三密避けて一献したいですネ!
よろしくお願いいたします!
投稿: adler | 2020年9月12日 (土) 12時10分