“昭和の知性”と言われた加藤周一氏(1919年~2008年)が1962年、43歳のときに書かれた「読書術」、更にその30年後の1992年、73歳のときに書かれた“あとがき”を読んで!
映画やテレビも「本」には勝てぬ
「本」は寝て読むもの。各自がいちばん楽な姿勢で読めばよい
読書の能率が上がる場所。それは“電車”の中。
う~ん、最近はリモートワークが多いから、読書量が減っているのかな。リモートワークだと、読書するよりも、仕事をしてしまう。リモートワークはパソコンのレスポンスが遅く効率が落ちるため、必然的に仕事をしている時間も長くなる。やっぱりちょっと不健康に感じるな~!!
同世代の好きな作家の本を読み続けること
加藤周一氏の場合は石川淳(1899~1987年)、中野重治(1902~1979年)の本を読み続けた。そうすると、同じ時代をそういう作家といっしょに歩いてきたという感じがします。向こうも変わるが、こっちも変わる。それにもかかわらず、一種の精神的なつながりは維持されてゆく。そういう楽しみと、人間が生きてゆくという事を理解するためにも、一人の作家と永く付き合うのは、よい方法だろうと思われます。
新聞は重要な読書である
聖書は不易、新聞は流行を代表する。そして、聖書は「真理」を、新聞は「事実」を代表すると言えるかもしれません。ただし、新聞には記憶がない。そこで、
過去のつながりを考えて、新聞を読むことが大事になる
そして、30年後に書かれた“あとがき”から・・・
『読書の愉しみ』
これはひとりでできる愉しみです。
読書は、設備も要らず、どこかへ出かけるにも及ばず、相手と相談もせず、気の向くままにいつでもどこでもできます。誰でも、望めば昼となく夜となく好きな本を読むことができるでしょう。こんな便利な娯楽はめったにありません。
本が高くなったといっても、どこかのファミリーレストランで二、三度食事をする値段で、大抵の本は買えます。それでも買えないほど高い本は、公共図書館に行き、そこから借りればタダで済むでしょう。こんなに安くて便利な愉しみを知らぬ人がいるとすれば、その気の毒な人に同情しなければなりません。
それでは読書そのものに、どういう種類の愉しみが伴うでしょうか。それは人により、本によって違うでしょう。もし共通の愉しみがあるとすれば、それは知的好奇心のほとんど無制限な満足ということになるかもしれません。どういう対象についても本は沢山あり、芋づる式に、一冊また一冊といくらでも多くのことを知ることができます。読書の愉しみは無限です。人生は短く、面白そうな本は多し。一生に一万冊読むのも難しいでしょう。それは、例えば東京都立中央図書館の蔵書150万冊以上の1%にも足りないということです。面面白そうな本を読みつくすことは誰にもできないのです。
本を沢山読むという事は、日本語を沢山読むということであり、日本語による表現の多様性、その美しさと魅力を知るという事でもあるでしょう。
ありがとうございました!!
m(_ _)m
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