フェミニスト(全ての性が平等な権利を持つべきだという理由から女性の権利を主張する行為(フェミニズム)を支持する人)上野千鶴子氏、8年前、2013年に「おひとりさまの老後」を読ませていただき、今回、近著「在宅ひとり死のススメ」を読んでみた!
「老後のおひとりさまが一番幸せ」とデータが物語る。
→独居高齢者の生活満足度のほうが同居高齢者より高い
→同居の場合の秘訣7箇条
①それぞれ互いに納得している
②しっかり分業できている
③別々の価値観でもかまわない
④目の前の不満は些細なことと割り切る
⑤ふたりのときから、ひとりのときを想定する
⑥時間的、空間的に距離をあける
⑦自らの世界に入り込む
つまり「相互不可侵条約」を結んで互いに鑑賞し合わないことが共存の秘訣
健康寿命とは、平均寿命からフレイル(虚弱)期間(要介護認定を受けたら要介護か要支援を認定される程度)と定義されている。
フレイル期間の平均は、男性が8.84年、女性が12.35年、女性が男性より4年も長い。
看取りコストは「病院」>「施設」>「在宅」
この点でも「在宅ひとり死」がイイことになる。
孤独死ではありません!
「在宅ひとり死©ChizukoUeno」を広めたい!
機嫌よく下り坂を降りていってもらい、そのうち食べられなくなったり、寝たきりになったりしたら、認知症があろうがなかろうが、ケアは同じです。実際、そうやって独居の認知症の高齢者を、在宅のまま見送ったという事例も多くなっています。
“在宅ひとり死”ができるようになったのは、介護保険のおかげです!
介護保険がスタートしてから20年、現場の経験値は確実に蓄積されました。「在宅ひとり死」は現場の専門職の支えがあればできる、という手応えをお伝えしたくてこの本を書きました。
この制度を決して後退させてはならない、と強く思っています。
親と子の関係は非対称!
親が子を思うほどには、子は親を思わないものです。その差は、子どもを預ける保育園はたとえ近くにあっても質のよいところを探し回るのに、親を入れる施設は順番が回ってくれば早い方に入れる、保育園の時のようにケアの質にこだわる家族が多くないことからもわかります。
「安楽死」は積極的自殺幇助、「尊厳死」は終末期の医療抑制。
前者は医療が介入して死期を早めるもの、後者は終末期に医療の介入を抑制するものですが、安楽死と尊厳死の間には、滑りやすい坂があります。
しかも尊厳死(death with dignity)は、ヨーロッパ圏では安楽死にも使われる用語です。
また、「日本尊厳死協会」の前身は「日本安楽死協会」だった。
「安楽死論争」著名人60名へのアンケート
上野氏は、「③安楽死、尊厳死に反対」の立場(4名の少数派)を取られているが、「①安楽死に賛成(橋田寿賀子さん、浅利慶太さん、堺屋太一さん、澤地久枝さんなど33名)」「②安楽死には反対だが尊厳死には賛成(内館牧子さん、保坂正康さん、堀江謙一さんなど20名」も多くいるのが現実。※無回答3名
自分的には、②かもしれな。。。
上野さんは吠える・・・
「人間、役に立たなきゃ、生きてちゃ、いかんか!!」
「生き死にに正解はない。家族と職員が共になって最期の最期まで迷い抜けばよい」
生れてきたことに自己決定はありませんでした。死ぬことに自己決定があるというのは、傲慢だ、と思うのです。もし、わたしがボケたら?・・・食べられるあいだは生かしておいてほしい、と願います。
あれっ?上野さん!!これは「尊厳死」に近いのでは!?!?!?
老いは誰にも避けられません。死亡率は100%です。認知症になるのは5人に1人だそうです。
尊敬する大先輩、樋口恵子さんが『老~い、どん!あなたにも「ヨタヘロ期」がやってくる』のなかで、ご自身の「ヨタヘロ期」について、書いておられます。み~んな当事者になって、「介護される知恵」を分かち合う時代がすぐそこまで来ています。
自分だけが要介護にならないようにピンピンコロリ体操に励み、認知症にならないように認知症ドリルに通り組むよりも、要介護になっても安心できる社会、安心して認知症になれる社会、そして障害を持っても殺されない社会をつくるために、まだまだやらなければならないことはいっぱいあります。
あなたもご一緒に闘ってくださればうれしいです。
「在宅ひとり死©ChizukoUeno」
ありがとうございました。m(_ _)m
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