「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎著を約15年振りに再読してからの~「君たちはどう生きるか」 宮崎駿監督の映画を封切り初日に鑑賞してきました~!!
宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」の舞台はまさに太平洋戦争中のため、1941年から1945年頃と思います。主人公は真人(まひと)くん(15歳)
宮崎駿氏の自伝的な映画という触れ込みもありましたが、宮崎駿氏自身は、1941(昭和16)年生まれですので、このときは生まれたばかりか、幼稚園くらいですから、ちょっとそれは違うように思いました。
また、吉野源三郎氏の「君たちはどう生きるか」の内容を想像していましたが、それとは違っていて、映画の中で、まひと君のお母さんが、まひと君に本を贈るのですが、それが吉野源三郎氏の「君たちはどう生きるか」でした。この本の内容と映画の物語はほとんど関係がありませんでした。
似通っているところは、吉野源三郎氏の「君たちはどう生きるか」の主人公コペル君(15歳)は物語の中で、友達との約束を破り裏切ってしまうのですが、まひと君も映画の中で友だちにけがをさせられた様に装うという卑怯なことをしてしまうのでした。
コペル君は叔父さんに打ち明けて友だちに正直に誤り、まひと君は映画の中で不思議な国、ファンタジーの世界に導かれ彷徨いながら、新たな友だち、まひと君のお母さんの小さい頃のひみ、きりこさん、そして、アオサギと友だちになることで成長していきます。
この当時も、そして、今もなお“生き辛い世の中であること”、“戦争のある世の中であること”、そんな中であっても生きていくんだナと、まひと君の大叔父(祖父ということになるのか!?)がファンタジーの世界の中で語る場面がありました。
10年前の「風立ちぬ」のメッセージは、
「風立ちぬ、いざ生きめやも」とは、「風が出てきた、さあ、生きようじゃないか」という意で、
どのような時代であっても、どのようなことがあっても、いのちある限りは精一杯生きようじゃないか!
吉野源三郎氏の「君たちはどう生きるか」では、
僕たち人間が、悔恨の思いに打たれるというのは、自分はそうでなく行動することも出来たのに、と考えるからだ。それだけの能力が自分にあったのに、と考えるからだ。正しい理性の声に従って行動するだけの力が、もし僕たちに無いのだったら、何で悔恨の苦しみなんか味わうであろう。
自分の過ちを認めることはつらい。しかし過ちをつらく感じるということの中に、人間の立派さもあるんだ。
正しい道義に従って行動する能力を備えたものでなければ、自分の過ちを思って、つらい涙を流しはしないのだ。
人間である限り、過ちは誰にだってある。そして、良心がしびれてしまわない以上、過ちを犯したという意識は、僕たちに苦しい思いをなめさせずにはいない。しかし、お互いに、この苦しい思いの中から、いつも新たな自信を汲みだしてゆこうではないか、正しい道に従って歩いてゆく力があるから、こんな苦しみもなめるのだと。
僕たちは、自分で自分を決定する力を持っている。だから、誤りを犯すこともある。
僕たちは、自分で自分を決定する力を持っている。だから、誤りから立ち直ることも出来るのだ。
そして、コペル君は思うのでした。
僕は、すべての人がおたがいによい友だちであるような、そういう世の中が来なければいけないと思います。
人類は今まで進歩してきたのですから、きっと今にそういう世の中に行きつくだろうと思います。
そして僕は、それに役立つような人間になりたいと思います。
この本が書かれたのは1937年。そして、今は2023年。86年経った今でも、宮崎駿監督が同じメッセージを映画で繰り返し言いながらも、まだ世界では戦争が無くなりません・・・
それでも僕らは、少しでも世の中がよくなるように生きていく・・・
ありがとうございました!!!
m(_ _)m
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