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2023年12月

2023年12月31日 (日)

もう間もなく還暦ですが、外山 滋比古氏(とやま しげひこ、1923年~2020年)の『50代から始める知的生活術』「人生二毛作」の生き方を読みました~。外山氏は英文学者でありながら、知の巨人です。心にとめておきたいことを記載致します~!


人生は二毛作がいい

人生の二毛作を志すなら、隠居生活などは、たとえどんなに資産があるとしても、考慮の埒外です。

 

送別会という習慣。ことに定年退職者の送別会には、欺瞞の空気が漂っています

一見、送られる側の人間の労をねぎらっているかのようですが、出席者がみな、本心からそう思っているとは限りません。忙しいさなかに、なんでこんな宴会に出なくちゃいけないのかと感じている若手もいるでしょう。

現役優位の構図がそこにはあるのです。会社にまだ貢献できる現役組と、そうではなくなった定年組。現役組は定年組を哀れむ。優位にある送る側が、送られる側への惜別の情を演じる場。それが定年退職者送別会です。

退職時の宴会は、送る側も送られる側も、腹に灰汁のようなものが残っていて、互いに居心地の悪さを感じます。その灰汁を取り除いて(1年くらい時間を置いて)、スッキリした思いで杯を酌み交わすのが、やさしい文化、礼節であるとも思います。

 

江戸時代の儒学者、幕府の儒官もつとめた佐藤一斎が、『言志四録』という随想録でこんな言葉を残しています

若くして学べば、則ち壮にして為すことあり

壮にして学べば、則ち老いて衰えず

老いて学べば、則ち死して朽ちず

かつて、小泉純一郎元首相が、国会で引用したことが知られていますが、この

『老いて学べば、則ち死して朽ちず』の心意気がいいではありませんか。

 

「淡交」のススメ

雑談・放談が体調維持に効果がある。雑談・放談は、人生の最大の楽しみであり、人間が発見した最高の元気の素ではないでしょうか。若返りの秘薬といってもいいかもしれません。

 

「ホスト(host、主)」のススメ

人を招いておもてなしをすること。豪華な宴を設けるわけではありません。文字通りの粗餐、ささやかなものではあるのですが、会食のホストになることが、これほど心楽しいものであるとは思いませんでした。

 

「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」

とくに「義理を欠け」は、年をとったら、ときに浮世のじがらみを振り切る勇気がいります。

 

「留学しなくたって研究はできる」

「源氏物語」を英訳して世界に知らしめたアーサー・ウェイリーは日本に招聘されたとき、「自分の愛する日本は昔の書物のなかにある」と、辞退したそうです。

アメリカの文加人類学者、ルース・ベネティクトは戦時中、日本の研究をしました。もちろん、日本を訪れたりはできません。それで『菊と刀』という名著を書き、戦後の日本人を驚かせました。

 

「考えは寝かせる」

論語に、「学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや」という言葉があります。この「時にこれを習う」というのが、思考を寝かせることに通じるのです。

アイデアを時間かけて温める

眠っている時、夢を見ている時、歩いている時、アイデアが浮かぶ。すぐに書き留められるように枕元にも紙と鉛筆を置いておく。書き留められ、温められたアイデアは10年後かもしれないが形になる。

・とにかく書き出してみる。それを数日後など、時間をおいて眺めてみること。

 

「三上」と「三中」

・昔から良い考えが浮かぶのは「三上」といって、馬上、枕上、厠上の三つ。要するに馬の上、床の中、トイレの中ということだが、馬上はいまの時代でいえば通勤途中ということになる。

・「三中」の状態も思考の形成に役立つと思う。これは夢中、散歩中、入浴中である。人間はその気になればいたるところで学び、考えられるということだ。

 

「忘却曲線」でしられるドイツの心理学者、エビングハウスによれば、人は20分後に42%を忘却し、1時間後には56%を、さらに1日後には74%を忘れるそうです。そして、自律的に忘却から残った知識が、なにかっほかのものと結びついて新しくよみがえります。

 

若い時にモンテーニュの『随想録』を読みましたが、少しもおもしろくありませんでした。途中で放り出してしまいました。

50歳を超えて、身辺におもしろくないことが続発し、いくらか世をはかなんでいるときに、モンテーニュを開き、心をこめて読み、それまでにない感銘を受けました。わからないところは、自分の頭で考えて分かったことにしました。このようなベータ読み(未知の読むこと。逆にアルファ読みは既知を読むこと。例えば、前の晩にテレビで観た野球の試合について、翌日新聞で読むこと)をすること。

年老いて本を読むなら、ベータ読みです。アルファ―読みは時間つぶしにしかなりません。

 

「生き方」を学ぶ

それとなく、おもしろい生き方を教えてくれるのは、エッセイです。かつては随筆と言われたものですが、エッセイは随筆とは違い、ものの考え方が含まれていて、人生的です。

子ども、若い人にとって、エッセイは絵に描いた餅ほどの意味もありませんが、中年の人、世間というものをいくらかでも知った人にとって、エッセイは、小説よりおもしろくなります。

小説は同じ作品を二度繰り返し読むということは少ないのですが、すぐれたエッセイなら何度読んでもいやになったりしません。

内田百閒の『百鬼園随筆』、『阿房列車』は名文です。

おもしろいことは何も出てこないのに、たいへんおもしろいから不思議です。

寺田寅彦全集もおもしろく、ものを考えるということをぼんやりながら理解するようになりますた。

内田百閒も寺田寅彦も夏目漱石の門下です。漱石の作品にもつよい関心をもっています。

定年ですることがなくなったら、寅彦は百閒のようなエッセイをじっくり読めば、新しい自己があらわれるのではないかと思われます。

 

ローマの皇帝アウグスティヌスが言ったという「ゆっくり急げ」は至言です。

急げや急げ、ではいけません。ゆっくりゆっくりもいけません。

ゆっくり急ぐ、これがよろしい。

年をとった人間は、若者よりは、ゆっくり急ぐことができますが、なお、急げや急げになったり、ときには、ゆっくりボンヤリとなったりします。

うまく、ゆっくり急ぐ生き方をすれば、すばらしい二毛作になります。

 

忘れようと思ってもなかなか忘れられないことでも、書いてみると、案外、あっさり忘れることができます。書いて記録してあると思うと、安心して忘れることができるのです。

いっそ、勤めていたときの自分史を書いてみると、本当に、過去から離れることができるかもしれません。

過去を捨てるのではなく、過去と絶縁するための記録です。

前半生を忘れて、新しい後半生を始める決意において、われわれも、出家的に生きることはできるはずです。

人間にとって過去は大切ですが、それにとらわれて、前向きに生きられないのではよろしくありません。

過ぎ去ったこと、ことに、よくない過去は少しでも早く忘れてしまうことです。そのあとの頭で、新しい生き方を考え、工夫するのが賢明な人間であるとしてよいでしょう。

 

残照夢志

残照とは、「日が沈んでからも雲などに照り映えて残っている光。夕日の光。残光。」、そこで、たとえ老いても、

夢志とは、夢は漠然とした個人の願望であり、志は個々人の願望を超えて多くの人々の夢を叶えようとする気概です。夢はこころよい願望になるが、それを叶えるための厳しい未来への挑戦し続けること。

 

とにかく「新しい勉強」をしよう。超老人の志です。

 

ありがとうございました~!!

m(_ _)m

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2023年12月29日 (金)

小津安二郎監督をリスペクトされているドイツのヴィム・ヴェンダース監督が手掛けられた『PERFECT DAYS』、本年映画鑑賞19作目、これで今年の映画納めになると思います~! 今年は学生時代よりも、観れたかもしれませんネ~(笑)

 

「木漏れ日」とは、「木の枝葉の間から日差しが漏れる光景、その日差しのこと」

太陽が出ている日は見られる光景です。

山道や森林の中を歩いてみると、確認することができます。

雨上がりであれば、少し離れていても水蒸気に反射してよく見え、日の光がカーテンのように見えることもあります。

 

「木漏れ日」には一つとして同じものは無いと・・

 

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山(役所広司さん)。

淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。

そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。

 

お仕事に貴賤は無いと考えています!

一所懸命にお仕事をしている平山は、それはそれでエラいと思いましたが、それにしても三枚目の自分自身から見ると色気のある日々を過ごされているところは羨ましいくらいです(笑)

行きつけのスナックのママさん(石川さゆりさん演)、昔の奥さん!?元彼女!?(麻生祐未さん演)、そして娘!?、職場の同僚タカシの彼女、公園でお昼を食べる時に会うOLさん。皆から好感を持たれていましたヨ~!(笑)

 

毎日は繰り返しではなく、一度として同じ日はない、と。

 

それと、読書が好き、写真が好き音楽鑑賞も好きは相通じるところが感じられましたが、

住まれているアパートにはお風呂が無いことから、銭湯に通われているのですが、わずか10分で上がるのには、銭湯通ではないですよネ~。烏の行水はもったいない~!

やはり銭湯に行ったら少なくとも1時間は浸からないと、幸せホルモンが分泌されませんよネ~!(笑)

 

あと田中泯さんが、「こんにちは、母さん」に続き、本映画でもホームレス役を演じられておりました。

田中泯さんは「永遠のゼロ」で演じられたカッコイイやくざな役が似合っているのにナ~と思いました~!

 

そして、人は分からないこと、知らないことが多いままに、この世を去っていく。

でも、その中の一つ一つを知り、理解することができる喜びがある。

それでイイんだ、と語られているようにも思いました。

 

なるほど、毎日が“PERFECT DAYSですネ!!

よかったです!ありがとうございました~!

(_ _)m

 

Perfect04

 

2023年12月27日 (水)

まだまだ続く!?今年18本目!以前、原作者水木しげる氏の戦争体験の話はとても学びになったこと、そして本映画は評判がよかったので『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』鑑賞~! でも、ちょっとよく分からなかったため、鑑賞された皆さまの感想も踏まえながら整理してみました~!

戦中から戦後への視座

『ゲゲゲの謎』には単なるファンタジーにとどまらない、戦中から戦後の日本に対する視座がある。
水木の従軍経験は、原作者・水木しげるが自らの壮絶な戦争体験を描いた「総員玉砕せよ!」を元にしたものだ。
無意味な犠牲を強いる玉砕命令と自分だけ逃げようとする上官、無駄死にしていく戦友たち。
『ゲゲゲの謎』でも人間を人間として扱わない日本軍の非道ぶりが克明に描かれている。

 

そして、その構造は戦後も変わっていなかった。
映画の中では、おぞましいほどの家父長制が敷かれた龍賀家では女性や子どもが家長に搾取されていたが、それは特別なことではなかった。
龍賀家は近現代の日本のニーズに応えて力をつけた一族であり、日本そのものが弱者を踏みつけて搾取した果てに繁栄を築いていたことが物語の中で示されている。
血の色に染まった巨大な桜の木は見事なメタファー(隠喩)だ。

 

権力志向で出世への野心を隠さない水木は、タバコを欠かさないスーツ姿のサラリーマン。
一方、ひょうひょうとした雰囲気をまとう鬼太郎の父は、温泉を愛する幽霊族の末裔。
そんな正反対の二人がお互いの目的のために手を組むことになる。吸いかけのタバコを回して吸ったりするなど、バディならではの表現も用意されているのが心憎い。

 

立場も出自もまったく異なる二人の大きな共通点は、心に大きな傷を負っていることだ。水木は戦時中に理不尽な玉砕命令を受けながら生き残った経験があり、いつも悪夢にうなされている。鬼太郎の父は妻を含む幽霊族の同胞が人間に狩り尽くされたことで、人間相手に心を閉ざしている。いわば弱さを抱えた二人が友情を芽生えさせながら、強者が隠し通そうとする真実に迫っていく。だからこそ魅力的なバディになったのだろう。

 

水木は物語の冒頭、列車の中で咳き込む子どもがいてもタバコを喫おうとしていた。昭和の男はそうだったといえばそれまでだが、弱い者を踏みつけにしても構わないと思うタイプの男だった。そんな男がどうやって戦中から戦後へと敷かれたレールから降りることができたのか、鬼太郎の父が生まれてくる我が子と未来についてどんなことを思っていたか、そして長く人々に愛される鬼太郎がどのように誕生したのか。そんなところも『鬼太郎誕生』が持つ魅力だと言えるだろう。

 

ラスボスが吐き気を催すほどのクソ野郎ですが、そちらの方が「人間」で、まともに見える方が「幽霊」という構図。

原作者の過酷な戦争体験や利権社会へのアンチテーゼを絡めてから、将来への(かすかな)希望を持たせた『鬼太郎の誕生』

 

ありがとうございました~!

(_ _)m

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2023年12月16日 (土)

「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」、年内映画鑑賞納めかもしれませんネ~、今年17本目~、鑑賞してきました~!確かに“壮大な茶番劇”でした~(笑)(笑)(笑)

滋賀県人は、「滋」という文字から“ゲジゲジ”と言われている。

そこに、滋賀の貴公子、杏さん演じる、桔梗魁(ききょうかい)が登場!

GACKTさん演じる、麻実麗(あさみれい)の妹でもありました。

 

滋賀県にある琵琶湖は日本最大の面積と貯水量を持つ湖であり、滋賀県の面積の6分の1を占める。ここから河川として唯一注ぎ出る瀬田川が、京都では宇治川、大阪では淀川となり、市民の生活を支えています。

 

大阪府知事 嘉祥寺晃(かしょうじあきら):片岡愛之助 は、

神戸市長:藤原紀香、京都市長:川崎麻世と組んで、全国民をたこ焼き中毒にして日本征服を目論む!

 

そこで、映画では、日本征服を目論む大阪府や京都府に対して、

「琵琶湖の水を止める!」と言うことになるのですが・・・

 

歴史をひもとくと、明治以降、たびたび水が止められたことがあったようです。

台風、水害の際に、各府県との利害対立が繰り返され、例えば京都が洪水を防ぐために琵琶湖疏水の大津閘門を閉鎖して、滋賀県では大洪水となって死傷者がでたこともあったそうです。

今では「琵琶湖はお母ちゃんのようなもの、兄弟にあたる各府県が、母親を大切にする思いは一緒、立場が違っても持続可能な琵琶湖の未来という一つの目標に向けて、努力をしてく」ことになっているようです。

 

映画では続く大阪府との戦いで、

大阪府の「通天閣(現在二代目で1956年再建、高さは100メートル)」がミサイルとなって攻撃してくるのを、

埼玉県唯一のタワー、行田タワー(50メートル、正式名称「古代蓮の里(こだいはすのさと)展望タワー」)もミサイルとなって、迎撃をするのでありました。(笑)

 

また、埼玉県では、県内の分裂をも防ぐために、県内を横断する「武蔵野線」開通の話も出てきました。

武蔵野線は、もともとは「貨物線」ですが、今は府中本町~西船橋間を結ぶJR東日本の路線です。東京都心の外側をぐるっと回る路線で、放射状に郊外へ向かう主要路線同士を結ぶ重要な役割を担っています。

西船橋から先は京葉線に入り、東京や南船橋へ直通運転。京葉線内でも「武蔵野線」として案内されていますので、東京ディズニーリゾートへのアクセス路線としても機能しています

「一世代前の車両」を押し付けられ、設備もどこか古めかしい駅が続く武蔵野線ですが、重要な路線であることは間違いなく、JR東日本も「東京メガループ」の一部として力を入れ始めている路線です。

地理の勉強にもなる映画でした~(笑)(笑)(笑)

ありがとうございました~

m(_ _)m

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