瀬尾まいこ氏の著書は「あと少し、もう少し」、「図書館の神様」に続く、約6年ぶりの3冊目、2019年の本屋大賞にも選ばれた「そして、バトンは渡された」を、試験後の癒しとして読んでみました~!
主人公は、生れた時は、
水戸優子、その後、実母は3歳になる前に事故で亡くなり、
田中優子、父親は再婚したが、海外赴任を機に離婚。継母となる田中梨花に優子は付いた
泉ヶ原優子、梨花が泉ヶ原茂雄と再婚したため、でも、お金持ち生活に馴染めず、すぐに別れた
森宮優子、梨花が東大出の真面目な森宮さんと再再婚したため、
早瀬優子、優子自身が結婚することとなって、早瀬優子へ
名前の変遷を横軸にして、主には高校時代から結婚するまでの「森宮優子」時代を中心とした物語でした。
この物語では、主人公を含めてみんな善人です。
最初の実の父親は娘の優子を大事に思い続けている。優子の結婚式には出席する
その父親は旧姓田中梨花と再婚し、その後、海外赴任を機に、日本に居たいと言う梨花と別れることになる。優子も梨花に付いていく。
開けっ広げで、とても明るく社交的。最初の離婚から、お金持ちの泉ヶ原氏と再婚するまでは、保険会社の営業となって稼げるほどの社交性の持主。それでも、浪費癖がある梨花との生活は貧乏生活へ。
そして、ピアノを弾きたい優子のために、梨花は、お金持ちで人のイイ、泉ヶ原氏と再婚する。
でも、お金持ちは暇だと、今度は梨花一人で家を出て行く。
そして、梨花は病気になり、それを泉ヶ原氏が助けることになる。
ちょっと不思議なのは、みな善人でありながら、
優子は実母が亡くなって、実の父親が再婚するまでの間、祖父母に育てられたが、なぜ大人になっても会いに行かないのか。
優子のことをとても大事に育て、人柄もよい森宮さん。一方で、親には東大まで行かせてもらって、その親とは折り合いが悪くて音信不通状態。そんなものなのだろうか。親への感謝が無いのはとても残念。
本屋大賞作品であり、上白石萌音さんは絶賛をされていましたが、なんとなくフワっとしていて、地べたに足がついていない感じがしたのは、自分だけでしょうか。
物語の中で心に残ったところ。
梨花「楽しいときは思いっきり、しんどいときもそれなりに笑っておかなきゃ!」
優子「できるだけ笑ってよう。誰にでもにこにこしよう。私はそう心に決めた。きっと、こんなふうに楽しいことだけの毎日なんて続かない。笑っていないとダメなことが、いつかやってくる。どこかでそんな予感がしていた」
優先順位の一位は友だちじゃない。何が一番か分からないのなら、正しいことを優先すればいい。だけど、何が正しいかを決められるほど、私は立派ではない。
一緒に住んでいる相手と気遣うのは当然のことだし、それは、遠慮をしているからだけじゃなく、お互いに大事にしあっているからでしょう。
結婚って生活だよ。もっと堅実に・・・堅実でまっとうでも離婚しちゃうこともあるけどね。
恋愛より大事なものはけっこうあるし、何か一つ手にしていればむなしさなんて襲ってこない。
本書にはピアノも出てくる。
優子は早瀬くんが弾くピアノに感動し、好きになる
高校の卒業に向けた合唱コンクールでは、「大地讃頌」、「一つの朝」、そして、中島みゆき「糸」があり、
ほかにも、合唱曲ではなく、音楽として、中島みゆきの「時代」、「麦の唄」、そして、アンドレ・ギャニオン「めぐり逢い」が出てくる。
どれもとてもいい曲と思いますが、卒業の合唱曲では「旅立ちの日に」が個人的には好きですネ~(笑)
どうもありがとうございました!
m(_ _)m
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