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2025年2月 1日 (土)

瀬戸内寂聴さん、70歳のときのエッセイ「孤独を生ききる」を読んで

 

そして、77歳のときに文庫化されています。その際、

『人は孤独をどうやって生ききるかという切ない重い問題を抱えているようです。文庫本となって、もっと多くの人々に読んでいただけることを、嬉しく有難く思います』と・・・

 

愛があっても孤独、群れていても孤独、若くても、老いても孤独なのです。

いつの頃からか孤独を自分流に飼いならして、今では切っても切れない伴侶として頼もしく思っています。

もし、自分は孤独でないと思うなら、それは一種の幻覚にすぎないと思います。

孤独で寂しいのが当たり前なのです。自分が寂しいから人の寂しさもわかる。

自分はこんなに寂しいんだから、あの人もきっと人恋しいんだろうと思いやった時に、相手に対して同情と共感が生まれ、理解が成り立ち、愛が生まれるのです。

愛とは思いやる心です。

ほんとうに自分が孤独だと感じたことが無い人は、真に人を愛せない。

「孤独はひとのふるさとだ」(坂口安吾)と言っているのも、そういうことです。

 

自分は今苦しんでいると思い知った時、はじめて自分に皮膚のようにくっついている孤独と、はっきり顔を合わせると言っていいでしょう。孤独が人間の皮膚なら、苦しみは人間の肉です。ふたつは離れることの出来ない関係です。

仏教ではこの世ははじめから苦しみの世の中だとお釈迦さまが教えられます。

よく、この世は四苦八苦だというのがそれです。

四苦とは、生、老、病、死、そして

愛別離苦(あいべつりく):愛する者と分かれる苦しみ

怨憎会苦(おんぞうえく):怨み憎む者とも会わなければならない苦しみ

求不得苦(ぐふとくく):欲しいものが求めても手に入らない苦しみ

五蘊盛苦(ごおんじょうく):人間の存在を構成する5つの要素(体、感覚、知覚、意覚、認識)に執着することによって受ける苦しみで、前にあげた7つの苦しみを要約するものです

 

不幸の峰をいくつも乗り越えて、歩み続けるのが人間の生き方だと思います。

「日にち薬」という特効薬だけが、今のあなたの孤独の淵を必ず攀じ登らせてくれます。

 

男と女の中でも友情が成り立つと思うようになったのは、60くらいになってからです。

 

大体、恋のはじめの男女というのはピンクの眼鏡をかけた鶏どうしのような状態なのです。

 

男と女のことはフィフティフィフティだと考えているのです。

被害者も加害者も無いのです。両方とも加害者と被害者の両面を持っているのです。

 

孤独とのつき合い方

まずお風呂に入ると、心身をリラックスさせてくれます。

そして、思い切って服の一着も買ってみる事。あとは映画を見ようが画廊で絵を見ようが、観劇しようが、カラオケに行こうがあなたの自由です。自分の孤独を甘やかしてやるくらいの度量を持ちましょう。

 

女の方がバイタリティーはありますよ。

男の方が女より淋しがりだし、孤独感が強いのじゃないでしょうか。

自分の孤独と真向きになるのが恐ろしくて、がむしゃらになって仕事をしていたのかと思うことがあります。

日頃、精力的にタフに仕事している人ほど背中の淋しい男の人っているものです。

 

肉体は年々老いていくのに、その肉体に包み込まれている私たちの心はナント1617のままなのです。老人のもつ悲劇、悩みのもとはと言えば、この肉体と精神のアンバランスにつきます。

 

トルストイは、妻のヒステリーから逃れたくて、家出を決行、その放浪の旅の途中で病気になり、鉄道の小駅アスターポヴァの駅長官舎で死亡しています。享年82歳。

 

『ミリアム』

『ティファニーで朝食を』という題をあげると、すぐ思い浮かぶのは、オードリーヘップバーン主演のアメリカ映画でしょう。あの映画はトルーマン・カポーティの小説が原作としてつくられたものです。

トルーマン・カポーティは華やかに文壇デビューした鬼才でした。

60年の生涯に残した作品は量的には多くないものの、19歳で発表し、オーヘンリ賞をとった『ミリアム』以来、精力的に仕事をし、話題作を産み、世界的に有名になっていました。生涯独身でした。

小男で美男ではなかったのに、いつでも派手な情事の噂をまきちらしていて、情事の相手は上流社会の有名な女性が多かった。

『ミリアム』はカポーティにとっては処女作のようなものなのに、なぜかカポーティは晩年この作品を嫌っていたと伝わっています。

その内容は、

生活に不自由のない未亡人ミラー夫人の“孤独”を真正面から描いています。

ミラー夫人は“孤独”の生む幻想の影に脅かされたり、慰められたりする日を持つのです。

ミラー夫人は、私であり、あなたです。

私たちは老いのもたらす“孤独”を着物のようにいつでも身につけてしまえばいいのです。

普段着のように“孤独”を着慣れてしまえば、私たちはその感情に捕らわれることはないでしょう。むしろ、着ていることを忘れて、何不自由なく、まるで裸でいるような自由自在な心境になっていることを発見できるのではないでしょうか。

 

それでも“孤独”で淋しいと思う時は「旅」をするのが何よりです。

「旅」は自然が寂しい心や疲れた体を、やさしく包み込んでくれるし、気分転換が出来るし、思いがけない縁でイイお友達に恵まれるし、私は誰にでもすすめるのです。

淋しい時は旅に出なさいって。

“孤独”は“自由”と同義だと思いませんか。好きな時、好きな「旅」に出られるなんて、“孤独”の素晴らしいプレゼント、“自由のおかげですもの。

 

ありがとうございました!

m(_ _)m

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